妊婦の鍼灸の効果は?安産灸とは?妊娠中の注意点はある?

監修専門家 鍼灸按摩マッサージ指圧師、IASTM、NKT、PRI、ERS 島田 健
島田 健 累計約3万件の施術経験。東京医療専門学校本科にて鍼灸按摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。在学中より様々な著名人やアスリートの通う治療院に勤め、その後コンディショニング施設にて治療面とトレーニング面か... 監修記事一覧へ

鍼灸は妊娠中の冷えの対策や、つわりの軽減に効果があり、妊婦さんだけでなく、薬の使用を避けたい授乳中のママ、今後妊娠の可能性がある女性にとって、安全で信頼性の高い治療とされています。また、逆子にも有効な治療法として、施術を受ける人は少なくありません。今回は、妊娠中の鍼灸について、効果や時期、安産灸とはどんなものかなどをご紹介します。

そもそも鍼灸とは?

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そもそも鍼灸とは、人の体全体にあるツボと呼ばれる箇所を、針で刺激する「鍼」や、もぐさに火をつけて温める「灸」で刺激する方法です。

ツボを刺激することで気の流れを整え、人間が本来持っている力を引き出し、気になる症状を改善したり体質を変えたりして病気を治療する東洋医学の一つです。鍼や灸をどのように組み合わせるかは、治療したい症状や治療を受ける人の体質によっても異なります。

しかし、鍼灸自体に興味はあっても、鍼が痛そう、お灸が熱そうなど、なかなか治療に至らない、という人も多いようです。鍼灸院によっても異なりますが、基本的には熱さや痛みも「チクッ」とする程度で、我慢できないものではないという先輩ママが多いですね。鍼灸院に施術内容を確認し、一度は試してみるのも手ですよ。

妊婦の鍼灸の治療内容は?どんなことをするの?

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妊婦の鍼灸治療の内容としては、鍼灸師さんによる問診のあと、妊婦さんの大きくなったお腹に負担がかからない姿勢で、ツボに鍼やお灸を施していきます。

鍼では、刺してすぐに抜く「単刺」、刺してから5〜15分ほど置く「置刺」、刺した鍼に微量の電流を流す「パルス鍼」などがあります。妊娠時の鍼灸に不安があるときは、事前に新婦さんへの鍼灸に慣れた鍼灸院なのか、電話やホームページなどで確認したり、産婦人科に利用を相談してみるといいでしょう。

妊婦の鍼灸の効果は?

鍼灸は腰痛や肩こり、足のむくみ、こむら返り、冷え、つわりといった、妊婦さんの体におこる様々なトラブルの解消に効果があります。また、鍼灸は副交感神経の機能を高めるので、自立神経やホルモンバランスがよくなり、ストレスを軽減し、精神的にも肉体的にもリラックスできますよ。

具体的には次のような悩みがあるときに、鍼灸の利用を検討してみましょう。

妊婦の鍼灸効果1. つわり

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妊娠初期の妊婦さんを特に悩ませるのが、つわり。吐き気、嘔吐、便秘や下痢による腹痛など、症状は様々です。このつわりの症状を緩和するために、鍼灸を利用するという先輩ママも多いようです。

例えば、つわりでの吐き気、胃痛、精神的なイライラなどに「内関(ないかん)」というツボが効くとされており、実際に症状が軽くなった、という声も。

妊婦の鍼灸効果2. 逆子

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妊娠中期や後期になると、逆子が気になりますよね。東洋医学の考え方では、下半身の冷えや過労によって母体のバランスが崩れてしまうことが逆子の原因と考えられており、古くから逆子の治療法として鍼灸は用いられてきました。

「至陰」と呼ばれるツボに温灸療法を施すことで、胎児が自分で回転する環境が作られ、逆子が治ります。全日本鍼灸学会の発表によると、鍼灸による逆子の矯正率は89.9%で、母体や胎児に対する危険性も少ないとされています(※1)。

なお、逆子は妊娠32週までに治療することがとても有効とされているため、妊娠28週~32週の間に治療を受ける妊婦さんが多いようです。

妊婦の鍼灸効果3. 安産

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妊娠後期はもちろん、妊婦さんにとって、できるだけ安産で赤ちゃんに出会いたいものですよね。一概に何をもってして安産というかは明確にはできませんが、例えば、冷え性の人は赤ちゃんが分娩時に通ってくる産道が固くなりがちで、出産に時間が掛かるといわれることもあります。

そこで、鍼灸によって気血の流れを良くし、冷えを治療することで安産をめざす、という効果もあります。

安産灸とは?

お灸

安産を目指すお灸治療のことを、安産灸と呼ぶこともあります。くるぶしの近くにある「三陰交」というツボをお灸によって刺激し、妊婦さんの体質をよりよい状態に変化させていきます。

● 冷えを改善し、体調を整える
● 足のむくみやだるさを解消
● 陣痛を軽くする
● スムーズに出産できる
● 母乳の出が良くなる
● 赤ちゃんの消化器系が強くなる

以上のような効果が期待できます。

妊婦が鍼灸で知っておきたいツボは?

妊婦さんの様々な症状に効く代表的なツボには、次のようなものがあります。

三陰交

くるぶしの内側の一番高くなっている箇所から、指4本分上にあがると「三陰交」があります。このツボを刺激することで、冷えを解消し安産に向けた体作りができます。

至陰

足の小指の爪の外側の「至陰」というところを刺激します。はるか昔から逆子を治すツボとして伝えられてきました。

ただし、例えば三陰交は非常に強い効果のあるツボなので、妊娠初期の利用や、最初から個人でツボ押しするのは避けたいところ。最初に取り組む際には、自宅で始めようとせず、鍼灸院の先生に詳しくツボの場所や押し方を確認してから実施してくださいね。

妊娠中の鍼灸の費用は?

鍼灸院や施術内容によって差はありますが、5,000~10,000円が目安です。初診料がかかる鍼灸院もあるので、初診の場合は1,000~3,000円は多めに準備しておくと安心ですね。

必要回数は妊婦さんの症状によるため、一概にはいえません。例えば逆子治療だと、だいたい3〜6回程度、とすることが多いようです。

妊婦が鍼灸に行ける時期は、いつからいつまで?

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自然妊娠で、母子ともに健康な状態で経過していれば、基本的には妊娠初期から鍼灸治療を受けることができます。

ただし、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群など、体調に不安がある妊婦さんは、産婦人科医の許可を受けたうえで、安定期に入ってから施術を開始すると良いでしょう。

鍼灸に通えるのはいつまで、という決まりは特になく、出産直前まで通ったという妊婦さんもたくさんいますよ。

妊婦の鍼灸治療の注意点は?

鍼灸による母体への刺激には個人差があり、初診から影響度合いを予測することは難しいとされています。そのため、妊娠前から施術を受けている鍼灸院で治療をうけるのがおすすめです。初診なら、妊婦さんへの施術経験が豊富な鍼灸師さんに治療をしてもらいたいですね。

安定期であっても、無理をせず、かかりつけの産婦人科医に相談の上、じっくり施術を受けることを心がけましょう。

鍼灸を受けて、リラックスした妊娠生活をすごそう

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鍼灸治療は、体のトラブルを和らげるだけでなく、体質改善にも効果があり、安全で信頼性の高い治療の一つです。上手にママ自身の生活に鍼灸を取り入れていきながら、おなかの赤ちゃんのためにも心身ともに健康でリラックスしたマタニティライフを過ごしてくださいね。

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