子どもの離乳食がはじまり、少しずつ固形物が食べられるようになって母乳やミルク以外の飲みものも飲めるようになると、嗜好品としておやつを食べる機会も増えてきますよね。この時期にママやパパが気になるのは子どもの虫歯ではないでしょうか。
今回は、虫歯になりやすい食べものや、子どもがジュースを飲んでもいい時期を含め、食べ方についてもご紹介します。
そもそも、虫歯になる原因は?
虫歯は、虫歯菌と呼ばれるミュータンス菌が主な原因といわれています。
虫歯菌は、歯に付いた食べかすに含まれる糖分を分解してプラークを増殖させ、その時に酸を発生させます。その酸が歯の表面を溶かす(脱灰)ことで、虫歯ができます(※1)。
日頃から歯をきれいな状態にしていれば、唾液中に含まれるカルシウムが脱灰した部分を再石灰化し、虫歯の抑制や歯を強化することができます。
糖分を多く含む食べ物を摂り続けたり、汚れを付着させたままでいたりすると、虫歯ができやすくなります。
子どもの虫歯は、乳歯の時期からできると口内に虫歯菌が増殖し、平行して生えてくる永久歯にも影響を与えます(※1)。乳歯が生え始めた時点で、ママやパパが歯のケアを行ってあげましょう。
子どもが虫歯になりやすい食べものや飲みものは?
子どもが虫歯になりやすい食べものは、糖分(ショ糖、スクロース)を多く含むものです。
糖分は甘い洋菓子などに多く含まれますが、食事にも少なからず含まれています。甘いお菓子を食べていないからといって、歯磨きをしなくてもいいわけではありません。
ここでは、できれば控えたほうが良い、糖分を多く含む食べものと飲みものをご紹介します。
虫歯になりやすい食べもの
口の中に長く入り続ける飴やガム、粘着性のあるキャラメルやチョコは、あまり早い時期はおすすめできません。
スナック系のお菓子も口の中でドロドロとした状態になり、歯のくぼみや隙間に入り込んで付着しやすくなります。
クッキーやクラッカーといった洋菓子も糖分が多いので、食べる場合は量に注意してください。
虫歯になりやすい飲みもの
野菜ジュースは体に良いように感じますが、たっぷりと糖分が入っているものもあります。成分表を見て糖分が少ないもの、入っていないものを選んでくださいね。
イオン飲料も糖分が多く、日常の生活で飲み続けてはいけません。
また、炭酸や酸味のある果汁は、大量に摂取すると「酸蝕症(さんしょくしょう)」といって、歯が溶けて神経が出てきてしまうこともあります(※2)。
子どもはいつからジュースを飲んでもいい?
子どものジュースは、離乳食がはじまってから歯磨きが十分にできるようになった時期を目安にしましょう。
飲ませるときは以下の注意点を参考にしてください(※2,3)。
ジュースを飲むときの注意点
● むやみに与えない
● イオン水や経口補水液(経口維持輸液)は汗をかいたり発熱したときだけにする
● 日常的に飲むものはお茶や水にする
● 乳歯が1本でも生えていれば、ガーゼや歯ブラシでケアする
● 果汁100%の「ストレート」を選択する
砂糖や香料、添加物が入っていることが多いため濃縮還元は選ばないようにしましょう。
「100%ジュース」と記載があったとしても「加糖が5%以下ならば100%ジュースと表記しても良い」という規定があるため、購入時に成分表で確認することをおすすめします。
子どもの虫歯は母乳や粉ミルクでもできるの?
子どもの虫歯は、母乳や粉ミルクでもできることはありますが、母乳や粉ミルク自体に問題があるというより、飲み方が大きく影響します。
母乳や哺乳瓶による粉ミルクは、赤ちゃんの上の前歯に虫歯ができることが多く、これは乳首を吸うときに上唇と上顎、舌の間に乳首を挟むため、前歯付近に母乳やミルクが溜まりやすいことが原因のひとつです。
また、飲んだまま眠ると、母乳やミルクが口の中に溜まり続けてしまい、さらに唾液量が減る夜間に授乳すると、虫歯になりやすくなります(※1)。
ただし、母乳に関しては、ほかの食べものや飲みものに比べてプラーク(歯垢)を作りにくい特徴があります。
母乳だけを摂取している時期は過剰に心配する必要はありませんが、離乳食と平行する時期は、食べかすが歯に付着して虫歯になりやすいので注意しましょう。
子どもが虫歯にならないようにケアしよう
子どもの虫歯を防ぐためには、しばらくはママやパパが食べ方や食べるものを気にかけてあげる必要があります。3歳未満の子どもに対しては、ある程度、糖分の摂取を制限してあげることも大切ですよ(※1)。
虫歯にならないためにも、食べものや飲みものに気をつけながら、歯医者でフッ化物を塗布するといった虫歯の予防処置も習慣にできるといいですね。