一生の虫歯リスクはこの時期に決まる?!今からできる歯のための生活習慣

監修医師 歯科医師 茂山 久夫
茂山 久夫 九州歯科大学卒業後、同歯周病科にて4年間診療、その後開業医での勤務を経て、現在は福岡県中間市にて診療を行う。日本歯周病学会、J.A.C.D(The Japanese Academy of Compre... 監修記事一覧へ

子供が虫歯にかかってしまうと、嫌がる治療に向かわせるだけでも大変そうですよね。治療にお金も時間も必要になってしまいます。そこで今回は、子供の歯の健康を守るために、虫歯にならないための生活習慣や、キシリトールの効果や副作用をご紹介します。

どうして虫歯になるの?

なぜ 理由 why

子供はまだ歯磨きが十分にできないことや、乳歯が永久歯に比べて侵食されやすいこともあり、虫歯になりやすいといえます。では、そもそもどうして虫歯になるのでしょうか。虫歯の原因には主に3つの要素があります。

虫歯菌の量

食べ物を摂取すると、虫歯菌が糖分を栄養にして増殖し、酸を吐き出します。その結果、口の中が酸性に変化し、歯を作っているカルシウムやリンが溶け出します。

本来であれば、歯も再石灰化されて修復されるのですが、虫歯菌が多いほど溶け出すスピードが速くなるため、虫歯が広範囲に広がってしまいます。

唾液量

唾液にはカルシウムやリンが含まれていて、食後40分ほど経つと口の中の酸を打ち消しながら、歯の表面に取り込まれて溶けた部分を修復する再石灰化が起こります。

唾液量が少ないと修復機能が低くなり、再石灰化が追いつかなくなることで、歯の表面が溶け続けて虫歯になります。

食生活

虫歯菌の栄養分となる糖分を多く含む菓子類をたくさん食べていると、虫歯菌が増殖し、さらに、酸を多く吐き出してしまいます。

また、だらだらと食べ続けることも虫歯に影響します。食事によって酸性に傾いた口の中を唾液で中和するのですが、食事間隔が短いと中和が間に合わずに、虫歯になりやすくなります。

子供の歯の健康を守る生活習慣とは?

子供の健康を守るためには、虫歯菌をうつさないことはもちろのこと、日頃の生活習慣の改善で増殖を防ぐことも大切です。

食事のタイミングを整える

食事 子ども

虫歯は「何をどれだけ食べたか」だけではなく、食べる回数も影響しています。食べ物を摂取する回数が多ければ、それだけ歯のカルシウムやリンが溶け出す回数や時間が増えるため、虫歯になりやすくなります。

一日3食の食事をベースに、おやつをあげたとしても一日1~2回に抑えましょう。いずれも時間を守って食べるように、習慣づけてあげることが大切です。

もちろん食事内容にも心配りが必要。カルシウムを多く含む小魚類や牛乳、チーズ、唾液の分泌を促す酸味のあるものを積極的に食事メニューに入れると良いですよ。

甘いものを控える

お菓子 マカロン おやつ

糖分が多く含まれる甘い食べ物は、酸の生産を活発化させてしまいます。そのため、間食もチョコレートといった糖分の多いものはできるだけ控え、食べた後にすぐに歯磨きをするルールを作ってあげましょう。食事の間に与える飲み物も、水やお茶など糖分を含まないものにすると良いですね。

しかしあまりにも「それはダメ、これもダメ」と言い過ぎると、子供だけでなくママも気疲れしてしまいますよね。ただ我慢するのではなく、どうしても食べたいときには食事と一緒に、もしくは食後のデザートとして同じ時間にまとめて摂取するというのも、ひとつの方法です。

噛む習慣をつける

子供 食事 噛む 食べ物

よく噛んで食事をすると、唾液がたくさん分泌されて歯の再石灰化を促してくれます。食事の際によく噛むよう習慣づけさせることで、虫歯予防につながりますよ。また、よく噛む習慣をつけることであごが発達し、永久歯の歯並びが整う効果も期待できます。

あごの運動によって頭への血流がよくなり集中力が高まるという研究結果もあり、スポーツ選手がガムを噛んでいるのにはそのためだといわれています。

定期的に検診を受ける

歯医者

子供の初めての歯医者が虫歯の治療だと、痛みや器具の音や病院の雰囲気に恐怖心を持ってしまい、「歯医者は痛くて怖いところ」というイメージができてしまいます。悪いイメージがついてしまうと、虫歯の痛みがあってもなかなか行かなくなり、虫歯を悪化させてしまうことも。

ぜひ虫歯になる前でも定期的に検診を受けるようにし、かかりつけの歯科を見つけて歯医者さんに慣れさせてあげると良いでしょう。定期検診で虫歯も予防できるので、おすすめですよ。

子供の歯の健康に、キシリトールは効果があるの?

キシリトール ガム

虫歯予防は生活習慣として、やはり歯磨きをしっかりすることが大切です。でも、どうしても嫌がって歯磨きできない子供への裏ワザとして、虫歯予防効果の高いキシリトールタブレットを歯磨きができたご褒美にあげる、という先輩ママもいます。

キシリトールは虫歯菌に取り込まれないため、歯を溶かす酸になりません。さらに、虫歯菌がキシリトールを分解しようと頑張っているうちに力を失い、虫歯菌の増殖も抑えてくれるといわれています(※1)。

また、唾液の分泌を促して再石灰化を促進させるため、歯磨きの磨き残しがあっても虫歯になりにくくなります。ガムタイプだと唾液が多く分泌されるので、カルシウムやリンによる歯の健康促進に効果が期待できます。

注意したいのは、市販品には砂糖や水あめが入っているタイプがあることです。できるだけキシリトール100%の製品を選んで、歯磨き後にキシリトールを利用してみましょう。

キシリトールを含む食べ物は?

ほうれん草 スムージ

キシリトールは、名前だけ聞くと人工物のように感じますが、天然の非糖質系甘味料です。糖度は砂糖と変わらず、多くのガムやタブレットに使用されています。天然の甘味料なので普段食べる食品にも含まれ、いちご、カリフラワー、レタス、ほうれん草、ナスに多く含まれています。

食べるだけで虫歯を予防することは難しいですが、子供の歯の健康を守るという意味でも、バランス良く様々な栄養を摂るような食生活にしていきたいですね。

子供へのキシリトールの副作用は?

子供 腹痛

子供の歯の健康を守るために有効なキシリトールですが、あまりに過剰摂取するとお腹を壊し、下痢の症状がみられることがあります。毒性は特にないとされていますが、購入したタブレットやガムの使用上の注意を良く読んでから、利用するようにしてくださいね。

子供の歯の健康は、赤ちゃんの頃から対策が必要?

赤ちゃん 口 手 指 顔

産まれたての赤ちゃんの口の中には虫歯菌はいません。しかし、キスや食器の共有をしていると、赤ちゃんは虫歯菌を持っている家族から虫歯菌をもらってしまいます。乳歯が虫歯になると永久歯がうまく生えず、歯並びが悪くなってしまう原因にもなります。

歯並びが悪くなると歯磨きしづらくなり、永久歯が虫歯になるという悪循環が生まれやすくなります。子供の歯の健康のためにも、赤ちゃんのころから乳歯のケアも始めましょう。

最初は口の中に異物が入ることを嫌がる赤ちゃんも多いので、ママやパパの指にガーゼを巻きつけて、口の中を拭ってあげることから始めるのがおすすめですよ。

日常生活のケアとキシリトールで子供の歯の健康を守ろう

歯磨き

歯のケアはけして難しいものではありません。それでも、面倒と思うと雑になってしまうのも事実です。歯磨きや食生活など、生活習慣から整えていくと、自然と虫歯になりにくい強い歯を育てていけますよ。子供の歯の健康のためにも、親子ともにしっかり歯のケアを意識して、虫歯のない生活を送っていきましょう。

※参考文献を表示する

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