生理中でもないのに出血があると、誰でも不安になりますよね。特に普段見慣れない茶色の不正出血だと、ますます心配です。そこで今回は、茶色の不正出血について、原因や考えられる症状などをまとめました。
不正出血とは?
不正出血とは、通常の周期で訪れる生理のとき以外に起こる、性器からの出血のことです。「生理のときの血の量が多い、少ない」「生理が長く続く、短すぎる」など、通常の生理とは違う症状も、広い意味で不正出血と考えられています。
不正出血は、女性なら誰にでも起こるもので、その症状や原因、量などは様々です。色も普段の生理と同じような赤い出血のこともあれば、茶色の出血であることもあります。
不正出血の原因は?
不正出血の原因は、色にかかわらず、主に下記の2つに分けられます。
機能性子宮出血
「機能性子宮出血」は、これといった病気が見られず、主にホルモンバランスの乱れが原因で起こります。ホルモンバランスが乱れる原因は様々ですが、過労やストレス、過度なダイエット、甲状腺機能の異常や糖尿病などが代表的です。
不正出血の30%を、この「機能性子宮出血」が占めています(※1)。排卵出血や無排卵月経も「機能性子宮出血」の一種です。
器質的子宮出血
腟や子宮などから不正出血があり、何かしらの病気が考えられる場合を、「器質的子宮出血」といいます。
子宮がんや子宮筋腫、子宮頸管炎など、子宮の腫瘍や炎症によって起こることが多く、20~30代の成熟期は子宮頸がん、40~50代の更年期には子宮体がんによる不正出血が増えます。
この2つの原因以外にも、性行為によって腟に傷がついたり、妊娠したりすることなどでも不正出血が起こることがあります。
不正出血が茶色くなる原因は?
不正出血が茶色になる原因は、血液が酸化していることがほとんどです。
不正出血は子宮内膜が剥がれ落ちることで起こりますが、時間が経ち、その血液が空気に触れると、茶色く錆びたような色に変化します。
なかなか排出されなかった血液が体内で酸化し、それが体外に出ることで、茶色の不正出血となることもあります。
つまり、「茶色だから」「赤いから」と、色によって根本的な原因や症状が異なることはなく、どちらも等しく「不正出血」と考えられます。
茶色の不正出血は生理前や生理後に出やすいもの?
茶色の不正出血が生理前や生理後に起こる場合、下記のような原因が考えられます。
生理前に起こる茶色の不正出血
生理前から、子宮内膜は徐々に剥がれ始めます。生理前に少量の不正出血が見られる場合、その影響であることがほとんどです。数日様子を見てすぐに通常の生理が来るようなら、特に異常はないでしょう。
生理後に起こる茶色の不正出血
生理後の茶色の不正出血は、生理中に排出しきれなかった血液が体外に少しずつ出てくることで起こります。血液が体内に長くとどまることで、排出される頃には酸化し、茶色くなっていることが多くあります。
このように生理前後は茶色の不正出血が起こりやすい時期ではありますが、だからといって放っておくのは危険です。長く続く、いつもと様子が違うなどの異常を感じたら、自己判断せず、病院を受診するようにしましょう。
茶色の不正出血に腹痛が伴うときは?病気なの?
茶色い不正出血があり、腹痛を伴う場合は、子宮系の病気の可能性もあります。自己判断はできないので、少しでも異常を感じたら病院で検査を受けるようにしましょう。
腹痛を伴う不正出血で考えられる病気は下記のとおりです。
子宮がん
子宮がんは、発生する部位によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分けられます。子宮頸がんは30~60代、子宮体がんは40~60代に多いがんです(※1)。
初期の頃はほとんど自覚症状がなく、ショーツにしみのようなものがついたり、不正出血があったりします。早期に発見すると治療の効果がより得られやすい病気なので、不正出血が続くなどの異常を感じた場合、病院を受診しましょう。
子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮筋層にできる良性の腫瘍のことです。良性なのですぐに命に関わることはありませんが、腫瘍が大きくなっていくと重い生理痛や腹痛を引き起こし、不妊の原因になることも。30代の女性の20%が発症し、30~40代に多く見られます(※2)。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管ポリープは、子宮頸管にできる良性の腫瘍のことです。妊娠中や、40~50代の閉経前後によくみられます(※2)。自覚症状が無いことが多いのですが、ポリープが大きくなると入院して手術を行うこともあります。
妊娠
生理前に少量の不正出血がある場合は、妊娠の可能性も考えられます。妊娠は、精子を受精した卵子が子宮に着床することで成立しますが、このとき、子宮壁に変化が起きることで、軽い出血を伴うことがあります。
ただし不正出血だけで妊娠だと断定するのは難しいので、基礎体温や妊娠検査薬で確認しましょう。
茶色の不正出血が続くなら病院へ
不正出血は、自分で原因を特定することが非常に困難な症状です。色によって判断できるものでもないので、少量でも不正出血が続き、おかしいなと感じたら、病院を受診するようにしましょう。
早めに対処をすることで、病気の悪化や不妊を防ぎましょう。