初産とは?初産婦と経産婦は何が違うの?妊娠・出産時の注意点は?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠していることがわかったとき、新しい命がお腹のなかに宿っている喜びを感じる一方、「赤ちゃんは無事に生まれてくるかな?」と不安な気持ちも入り交じるかもしれません。初めての出産であれば、なおさらではないでしょうか。

今回は、はじめて出産を経験する「初産婦(しょさんぷ)」と、すでに出産の経験がある「経産婦(けいさんぷ)」ではどんな違いがあるのか、また初産の場合、妊娠中・出産時に何に注意したら良いのかをまとめました。

初産とは?平均年齢は?

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初産とは、読んで字のとおり「初めて子供を産むこと」や「最初の出産」を意味します。平成26(2014)年の人口動態統計(※1)によると、同年の出生数100万3,532人のうち、第1子の数は47万4,191人。割合にして、約47.3%が初産の子供という計算です。

同統計によると、初産の女性の平均年齢は上昇傾向にあり、2014年は30.6歳です。1985年は26.7歳でしたから、約30年のあいだに初産の平均年齢が4歳上がったことになります。

初産婦と経産婦は何が違うの?

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初産婦でも経産婦でも、妊娠経過については特に違いはありません。しかし、分娩時間や後陣痛、産後の睡眠パターンには差異があるようです。

初産婦の方が分娩時間が長い

陣痛が規則的に10分間隔ぐらいになってから、子宮口が全開大になるまでの「分娩第Ⅰ期」は、経産婦が4~6時間であるのに対し、初産婦は10~12時間程度かかることが多いようです。

また、子宮口が全開大になってから、赤ちゃんが生まれるまでの「分娩第Ⅱ期」に要する時間は、経産婦は30分~1時間ですが初産婦は1.5~2時間とされています。分娩時間には個人差があるので、これらの時間はあくまでも目安ですが、一般的には経産婦よりも初産婦の方が長い時間がかかると思っておくと良いでしょう(※2)。

経産婦の方が後陣痛を感じやすい

後陣痛とは、産後の「子宮復古」に伴う下腹部の痛みを指します。「生理痛に似た鈍い痛み」「針でチクチク刺されるような痛み」など痛みの程度は人それぞれですが、経産婦はかなり強い痛みを感じることもあります(※3)。

これは、初産婦より経産婦の方が、子宮が回復するための収縮が一気に進むことが要因です。

初産の方が産後の睡眠パターンが乱れやすい

妊娠末期から産後15週までの母親の睡眠・覚醒パターンを初産・経産婦で比較したときに、初産婦のグループの方が産後の覚醒時間の増加と睡眠効率の減少が大きく見られた、という研究結果があります(※4)。調査対象数がそれほど多くありませんが、この結果を見る限りでは初産婦の方が夜間睡眠の乱れが大きいといえます。

ただし、赤ちゃんの睡眠・覚醒リズムや授乳リズムが整っていくにしたがって、産後12週以降に母親の睡眠・覚醒リズムも正常なパターンに復帰していくと推察されます。

「高年初産婦」とは?帝王切開になりやすいの?

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日本産科婦人科学会は、35歳以降の初産婦を「高年初産婦」としています。母親の年齢と帝王切開率との関係については国内外で多くの研究がされており、「高年初産婦は35歳未満の初産婦と比べて、帝王切開になる確率が高くなる」という結果が出ています。

その原因としては、加齢にともない「微弱陣痛」など難産のリスク因子が上昇することや、高年初産をハイリスクとして認識し予定帝王切開を行う医療者側の判断、自分の年齢から帝王切開を希望する高年初産婦側の不安などが考えられます(※5)。

ただし、統計的には35歳以上の初産は帝王切開になる確率が高いものの、必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。高年初産の分娩について不安があれば、妊婦健診のときに医師に相談してみてくださいね。

初産の妊娠・出産で気をつけるべきことは?

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妊娠中は、初産・経産婦問わず、お腹に赤ちゃんがいるので無理は禁物です。ここでは、はじめてのことばかりで戸惑うことが多い初産婦さんに特に気をつけてほしいポイントをいくつかご紹介します。

規則正しい生活を送る

● 塩分を摂りすぎないようにする
● 規則正しい生活と運動で体重管理を心がける
● 睡眠と休息をしっかりとる

無理をしない・ストレスを溜めない

● 長時間の立ち仕事は避けて、疲れたらこまめに休む習慣をつける
● 家事の分担や日常生活のサポートをパートナーに頼む
● 通勤時間をずらすなど、妊娠中の仕事の仕方について職場と折り合いをつける
● ストレスを溜めこまないよう、自分なりのリラックス方法を見つける

医師の指示を守る

● 何かあったときに迅速な対応をしてくれる病産院を選ぶ
● 体の変化に気がつけるよう、妊婦健診は必ず受ける
● 助産師外来、母親学級などをきちんと受け、妊娠・出産の知識をつける

初産でも焦らず、健康な妊婦生活を送りましょう

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今回お伝えしたとおり、近年では初産の平均年齢は上昇傾向にあり、30歳を過ぎてからはじめての妊娠・出産を経験するという女性も増えています。わからないことだらけで不安も多いかもしれませんが、医師の指示を守り、睡眠や休息をしっかりとって、なるべくストレスのない生活を送ることで、母子ともに健康に出産を迎えたいですね。

パートナーや周りの人たちの助けをうまく得ながら、お腹の赤ちゃんと一心同体でいられる妊娠期間を楽しみましょう。

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