子供にとって、睡眠時間はとても大切なもの。しかし、昨今は共働きの家庭が増えたり、スマートフォンやゲーム、SNSなどで、子供の就寝時間や睡眠時間の管理が難しくなってきています。そこで今回は、小学生に必要な睡眠時間について、平均時間や理想の就寝時間、睡眠不足による影響などをまとめました。
小学生の睡眠時間の平均は?理想はどのくらい?
小学生の理想の睡眠時間は、9~11時間といわれています。
この9~11時間という時間は、体内時計を保つために必要な時間といわれています。人間はしっかりと朝日を浴びることでリセットされ、1日のリズムを作りはじめます。
このリセットする時間がずれたり、不規則な睡眠を続けたりすると、睡眠中に成長ホルモンが十分に分泌されず、自律神経の乱れや体の不調につながることも。
しかし、総務省の調査によると実際の平均睡眠時間は、10~14歳で8時間35分と理想よりは少ないようです(※1)。
小学生の理想的な就寝時間は?
小学生の理想的な就寝時間は、夜の8時から遅くても9時。小学生の理想の睡眠時間の10~11時間をキープしながら、起床時間がおおよそ7時くらいだと設定して逆算するのがポイントです。
朝日を浴びることができる起床時間の設定も重要です。このタイミングを基準にするだけで、必然的に質の良い睡眠へとつながりますよ。
小学生の睡眠時間が少ないとどんな影響がある?
小学生の時期に睡眠時間が少ないと、成長や発達、健康に悪影響を及ぼします。
まず、睡眠と深い関係のある成長ホルモンには、体の組織の修復やメンテナンスをする働きがあります。免疫力が向上することで風邪や病気を予防したり、肌の調子を整えたり、その働きに必要なエネルギーを作るために脂肪を分解するため、太りにくい状態にしてくれるともいわれています。
厚生労働省健康局によると、慢性的な睡眠不足は、肥満や生活習慣病(糖尿病・高血圧)、うつ病などの発症率を高めてしまうとされています(※2)。
たまに夜更かしをしてしまう程度で過度に心配をする必要はありませんが、慢性的な睡眠不足や生活リズムの乱れにつながらないように気をつけてくださいね。
小学生の睡眠時間の変化と睡眠不足の基準は?
小学生の睡眠時間は、厚生労働省の健康情報サイトによると、小・中・高校生と学年が進むにつれて就寝時間が遅くなり、睡眠時間が減少しつつあります(※3)。
以前は、家庭で夕飯やお風呂の後に家族で過ごすことも多く、親が子供の行動を把握できることが多い環境でした。
しかし、昨今は共働きの家庭が増えて家族が一緒に過ごす時間が少なくなったり、寝ると言って部屋に行ったとしても、ゲームやスマートフォンを使用していたり、子供の行動を把握しきれないことが増えてきています。
もし、休日の子供の起床時間が、平日よりも3時間以上遅い場合は睡眠不足の可能性が高いと判断しましょう。放っておくと、結局遅く起きた分、夜に寝る時間が遅くなり、日曜日の場合は翌週の月曜に寝不足になるなど悪循環になってしまいますよ。
いつもより多少ゆっくり過ごすことは良いですが、大幅に生活リズムがずれているときは、朝ごはんを促すなど声をかけてあげると良いですね。
小学生の睡眠時間を整え、早く寝かせるコツは?
小学生の睡眠時間を整える方法は、無理やり早く寝かせることよりも、まずは朝早く起こすことで夜型から朝型の生活に整えてあげることです。朝日を浴びると体内時計がリセットされ、習慣化することで自然と体のリズムが整ってきます。
小学生低学年であれば、ある程度促してあげることができますが、高学年にもなると少しずつ親の言うことを聞かなくなってきます。急に家族でやり方を変えても聞いてくれないこともあります。
幼い頃からの習慣が大きく影響するので、なるべく小さいころから起きる時間は習慣づけてあげましょう。ゲームをする時間、寝る時間のルールを決めておくのもおすすめですよ。
子供と一緒に生活を見直してみましょう
小学生の時期は、様々なことに興味を抱きはじめ、友達関係も生活に大きく影響してきます。「早く寝なさい」という声かけだけではなかなか変わることが難しく、親の関心がないとわかると返事だけをして部屋にこもり、スマ―トフォンやゲーム機を触っているということも少なくありません。
子供の睡眠習慣が変わってきたときは、家族で生活を見直してみましょう。
ママやパパが仕事で忙しくても、しっかり子供の行動を把握することが大切です。なかには睡眠障害で寝不足というケースもあります。日々の会話はもちろん、就寝後も一度寝顔を見るつもりで覗いてみましょう。
ちょっとした気配りで、子供の変化に気づいてあげることができますよ。