苺状血管腫とは?原因や症状、治療法は?新生児にも現れる?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんの顔や体にあざができていたら、「何か悪い病気なの?」「跡が残ったらどうしよう…」と不安になりますよね。赤ちゃんの体に現れるあざのひとつに「苺状血管腫」があり、その真っ赤に盛り上がったあざがママやパパを心配させます。それでは、赤ちゃんの体に苺状血管腫が見られた場合、どのように対処すればいいのでしょうか?今回は苺状血管腫の原因や症状、治療法などをご紹介します。

赤ちゃんの苺状血管腫とは?新生児にも現れる?

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苺状血管腫とは、隆起した赤いあざのことで、いちごのように表面がボコボコとしているのが特徴です。体のどこにでも現れる可能性がありますが、特に顔にできやすいといわれています(※1)。

新生児期にあたる生後数日~1ヶ月頃に赤い斑点が現れ始め、生後3~7ヵ月頃に著しく大きくなる傾向にあります。そして、1歳を過ぎると徐々に薄くなっていき、4歳前後には消えてしまうのが一般的です(※1,2)。

苺状血管腫の原因は?

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苺状血管腫は、赤ちゃんの未熟な毛細血管が異常に増殖してしまうことで起こります。

毛細血管が異常増殖してしまう原因はいまだ分かっておらず、「胎内で細胞を作るときに、血管に関する細胞が残った」「細胞増殖を抑える因子が欠けている」などさまざまな憶測があります。

苺状血管腫の症状は?診断方法は?

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毛細血管がどこで増殖するかで、苺状血管腫のタイプと現れる症状が異なります。苺状血管腫は、主に以下の3種類に分類することができます。

局面型苺状血管腫

皮膚の表面に近いところで毛細血管が増殖するタイプで、肌に目立った赤いあざが見られます。

皮下型苺状血管腫

皮膚の下の深いところで毛細血管が増殖するタイプで、赤いあざの代わりに、青いシミが肌に現れます。

腫瘤型苺状血管腫

皮膚の近いところと皮膚の下の両方で毛細血管が増殖するタイプで、腫瘤が残りやすいのが特徴です。

苺状血管腫の大多数が局面型もしくは腫瘤型です(※1)。一般的に、苺状血管腫は見た目と経過をもとに診断が下されます。

苺状血管腫の治療法は?

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苺状血管腫は2歳頃から小さくなり始めて、色は薄くなっていき、5歳までに約50%、7歳までに約75%が自然治癒するといわれています(※1)。苺状血管腫が見られた場合、一般的には自然治癒を期待して経過観察をします。

ただし、苺状血管腫が小さくなっても、肌の表面に血管が浮き上がってきたり、シワやたるみが残ったりすることがあります(※3)。また、あざの範囲が広いと跡が残ってしまうこともあり、まぶたや鼻、耳、口の周りなどに苺状血管腫ができてしまうと、視力障害や呼吸困難、難聴、摂食障害を起こすこともあります。

こういった症状によっては、早めに治療が必要になることがあります。苺状血管腫の治療には、レーザーを照射する治療、患部を凍結させる治療、外科手術など、さまざまな種類があります。最近では、血管の増殖を抑える内服治療も行われます。

それぞれに長所と短所があるので、どの治療法を行うかは医師としっかり話し合って、決めるようにしましょう。

苺状血管腫ができたら医師と相談しよう

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苺状血管腫は、その見た目から心配になりやすいものですが、成長するにつれて自然に治まる可能性があります。ただし、苺状血管腫のできた場所や大きさによっては、きちんとした治療が必要になります。

苺状血管腫と疑われる症状が現れたら、できるだけ早めに病院を受診して、治療が必要かどうかを医師と検討してください。

苺状血管腫は、一般的にはそれほど知られておらず、医師の説明を聞くなかで分からないことや疑問に思うことも出てくるかと思います。不安や疑問があるときは1人で悩まず、医師に尋ね、しっかりと理解したうえで最適な治療法を見つけていけるといいですね。

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