「赤ちゃんが生まれたらどう話しかけようかな?」と考えているママやパパも多いのではないでしょうか。新生児はどのくらい耳が聞こえるものなのか気になっているかもしれませんね。
そこで今回は新生児や赤ちゃんの聴力について、どれくらい聞こえてどのように発達するのか、聴力検査で難聴かどうかわかるのかなどをご紹介します。
新生児の聴力はどれくらい?
赤ちゃんの耳の器官は妊娠中期までに発達し、妊娠24〜26週頃になるとお腹の中で音を感じているとされています(※1)。
生まれてくるときには、すでに音に反応できるだけの聴力が備わっているため、新生児期に突然の音にビクッとしたりまぶたをぎゅっと閉じたりすることがあります(※2)。
眠っているときは、急に大きな音がするとまぶたが開きます。
ただし、まだ聞こえてくる音が何なのかは認識できないため、反射的に反応をしている状態です。
赤ちゃんの聴力は月齢が上がるにつれてどう変化する?
新生児期を過ぎると、赤ちゃんの聴覚は次のように変化していきます(※2)。ただし個人差があるので、あくまでも目安として参考にしてみてくださいね。
生後1〜2ヶ月頃の聴覚
生後1ヶ月頃は、突然の音に手足を伸ばしてビクッと反応したり、近くで声をかけられると目を閉じたり、顔を向けたりします。
生後2ヶ月頃には、掃除機の音や子どもの騒ぐ声などが聞こえると目を覚ますようになります。
話しかけられると、「アー」「ウー」と声を出したり、ニコニコしたりすることもありますよ。
生後3〜5ヶ月頃の聴覚
生後3ヶ月を過ぎると、テレビの音に反応して顔を向ける、怒った声・やさしい声や音楽に対して感情を示す、といった様子がみられ、聞こえてくる音が何なのかを認識し始める時期です。
ママやパパ、そのほかの人の声を聞き分けられるようになるのは、生後5ヶ月頃からになります。
生後6〜8ヶ月頃の聴覚
生後6ヶ月くらいになると、言葉が人の口から発せられることを理解し始め、話しかけてくる人や歌っている人の顔をじっと見つめます。
生後8ヶ月頃には、ママやパパが動物の声を真似すると喜んだり、「こらっ」「だめっ」など言われると泣いたりするようになります。
生後9ヶ月〜1歳頃の聴覚
生後9ヶ月を過ぎると、「おいで」や「バイバイ」といった言葉に応じた行動をとるようになってきます。
1歳になる頃には、耳で聞いた言葉をオウム返しのようにしながら少しずつ言葉を習得していきます。
リズムやメロディに合わせて体をゆらしたり手を振ったりすることもできるようになりますよ。
赤ちゃんの聴力検査で難聴がわかる?
赤ちゃんは成長とともに聴覚が発達していきますが、まれに、生まれつき耳が聞こえにくいこともあります。「先天性難聴」と呼ばれ、1000人に1〜2人の頻度で起こるとされています(※2)。
赤ちゃんに難聴の疑いがあるかどうかを調べるために、ほとんどの病院では、出産後の入院中に聴力の簡単な検査(「新生児聴覚スクリーニング」)を実施
しています。
生まれつきの難聴に気づかないままでいると、言葉の発達やコミュニケーションに影響を及ぼすおそれがあります。
新生児聴覚スクリーニングによって早期に難聴の可能性があるかがわかり、適切な指導やサポートを受けることができれば、言葉を話すことやコミュニケーションの発達の可能性が広がります。
赤ちゃんの聴力の発達は個人差があるもの
新生児期は、まだママやパパが話しかけても振り向くことがないので、「聞こえてるかな?」と不安になることもあるかもしれません。しかし、新生児聴覚スクリーニングで特に指摘がなければ、基本的に心配はいらないですよ。
赤ちゃんの聴覚は成長とともに発達していきますが、いつ頃どんな音に反応するかは個人差が大きいものです。ほかの赤ちゃんや母子手帳などの発達の目安と比べすぎず、温かく見守りましょう。
耳や聞こえ方について不安や疑問があれば、出産した病院や小児科で相談してみてくださいね。