粉ミルクのパッケージに書かれているミルクの作り方を読むと、「湯冷まし」という言葉が出てきますよね。そもそも、湯冷ましとはどんなものなのでしょうか。また、赤ちゃんの喉が渇いているときは湯冷ましを飲ませるようにと聞くこともありますが、どんなタイミングでどのくらい飲ませたらいいのかと疑問に感じているママもいますよね。今回は、赤ちゃんの湯冷ましについて、作り方や与える時期、注意点、新生児にも必要なのかをご紹介します。
湯冷ましとは?赤ちゃんに必要なの?
「湯冷まし」とは、沸騰させたお湯を冷ましたもので、白湯と同じです。沸騰させることで、水が殺菌されて塩素も抜けるので、安心して赤ちゃんに飲ませることができます。
赤ちゃんに湯冷ましをそのまま飲ませるのは、お風呂上がりや夏の暑い日、汗をかいたとき、高熱が出たときなど、母乳やミルクだけではどうしても水分補給が足りない場合です。
赤ちゃんの湯冷ましの作り方は?どれくらい保存できる?
湯冷ましは、ただお湯を沸騰させればいいというものではありません。湯冷ましに水道水を使う場合、しっかり塩素を抜くには、90度以上で5分以上煮立たせる必要があります。
湯冷ましの作り方
1. 水道水を5~10分間、沸かす
2. 人肌温度になるまで冷ます
湯冷ましを作るときの注意点
湯冷ましを作るときはミネラルウォーターは使わない方がよいとされています。
母乳やミルクには赤ちゃんの成長に必要なミネラルが多く含まれているため、ミネラルウォーターで作った湯冷ましを与えてしまうと、必要以上のミネラルを摂取することになり、腎臓などへの影響が懸念されるからです。
湯冷ましの保存方法
湯冷ましを保存するときは、魔法瓶を使用しましょう。もともと水道水には殺菌作用がある塩素が含まれていますが、湯冷ましにすることで塩素が除去されるため、そのまま保存すると雑菌が繁殖してしまいます。
保存した湯冷ましは、必ず1日で使い切るようにしてください。余ったら処分して、その都度、作り直すようにしましょう。
湯冷ましはいつからいつまで与えるもの?
赤ちゃんの湯冷ましは、粉ミルクを作るときにも使うものなので、生後すぐの新生児期から与えることができます。ただし、母乳やミルク以外の水分補給として湯冷ましをあげるときは、生後2ヶ月を過ぎてからが一つの目安です。
湯冷ましは基本的に必要なものではなく、離乳食前であれば、母乳やミルクだけでも赤ちゃんは水分補給できます。お風呂上がりの水分補給として湯冷ましをすすめられることもありますが、まずは母乳やミルクをあげて、それでも足りないときに与えましょう。
湯冷ましは、余計なものを含んでおらず、離乳食の味に影響を与えないので、離乳食が始まったら食事のときの飲み物として習慣づけられるといいですね。また、離乳食を食べるようになると便秘がちになる赤ちゃんもいるので、便秘ケアのために飲ませてもいいでしょう。
湯冷ましをいつまで赤ちゃんに飲ませたらいいのかについても、特に決まりはありません。赤ちゃんが1歳を過ぎると、お茶やジュースの味を知って、湯冷ましを飲まなくなることもあります。
赤ちゃんに湯冷ましを飲ませるときの量や与え方は?
生後2ヶ月を過ぎて赤ちゃんに湯冷ましを飲ませる場合、量は1回に10〜20ccぐらいが目安です。はじめは、哺乳瓶やスプーンなどを使って与えましょう。月齢が上がれば、マグやコップを使って自分で飲めるようになります。
湯冷ましを与えるときは、授乳時間を考えて飲ませることが大切です。湯冷ましでお腹がいっぱいになって母乳やミルクが飲めなくならないように、授乳前は避けるなど気をつけてくださいね。
湯冷ましは新生児にも必要なの?
赤ちゃんに必要な母乳やミルクの量は、体重1キロあたり120〜150ccが目安です。新生児期にその量が足りているなら、あえて新生児の頃から湯冷ましを与える必要はありません。母乳やミルクは、栄養補給だけでなく水分補給も兼ねているからです。
昔は、赤ちゃんに湯冷ましを飲ませるようにと産院から指導がありました。それには、粉ミルクが普及し始めて、母乳育児のママが極端に減ったことが背景にあります。
当時の粉ミルクは、今の粉ミルクに比べ、タンパク質やミネラルが必要以上に配合されていました。それを薄める目的で、湯冷ましを赤ちゃんや新生児に飲ませるように指導があったのです。
しかし、現在の粉ミルクは、ほとんど母乳に近い成分で作られているので、赤ちゃんでも消化しやすく、湯冷ましで薄める必要はありません。また、新生児期から湯冷ましを与えてしまうと、母乳やミルクの飲みが悪くなることもあると考えられています。
新生児に湯冷ましを飲ませる必要があるのは、ミルクで育てている赤ちゃんが水分不足になっているときです。ミルクは与えすぎると、赤ちゃんの消化器官に負担をかけるので、水分補給をさせたいときには、湯冷ましを利用しましょう。与える量としては、赤ちゃんの月齢×10mlが目安です。
赤ちゃんには湯冷ましよりも母乳やミルクを与えよう
赤ちゃんが母乳やミルクで十分に水分補給できているときには、湯冷ましを飲ませる必要はありません。あまりにも暑かったり体調が悪かったりして、赤ちゃんの水分が不足していると感じたときに、授乳に響かない程度の湯冷ましを与えるようにしましょう。
湯冷ましを作るのが大変なときは、ウォーターサーバーお湯を少し冷ませば、そのまま湯冷ましになるので、忙しいママに人気ですよ。
赤ちゃんの水分補給は基本的には母乳やミルクで行いながら、いざ湯冷ましが必要になったときのために、作り方や保存法を頭に入れておくと安心ですね。