生理前にとりたい食事!症状に効くおすすめの食べ物は?

監修専門家 管理栄養士 渡辺 亜里夏
渡辺 亜里夏 神奈川県立保健福祉大学卒業後、予防医学に興味を持ちドラッグストアへ就職。その後独立し、現在はフリーランスの管理栄養士として特定保健指導、ダイエット指導、コラムの執筆、企業様での研修などを中心に活動。い... 監修記事一覧へ

月に一度やってくる生理。生理前になると、身体的にも精神的にも不調が続き、憂うつになる女性も多いのではないでしょうか。そんなときは、日頃の食事に気を配ってみましょう。体の状態に合わせた食事を摂ることで、厄介な症状をやわらげることができることも。今回は生理前の様々な症状をやわらげてくれる食事について、どんな作用があるのか、おすすめの食材や栄養素は何かなどをご説明します。

生理前はなぜ不快症状が現れる?

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生理前の不快症状は、「月経前症候群(PMS)」といい、生理が始まる3~10日ほど前から、頭痛やむくみ、腰痛といった身体症状や、イライラ、抑うつ感などの精神症状があらわれます(※1)。

様々な症状が現れる原因ははっきりとは分かっていませんが、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンのバランスの乱れなどが原因ではないかと考えられています。そのため、生理前の不快症状を軽減するためには、日頃からホルモンバランスを整えるようにすることが大切です。

生理前の食事の仕方は?ホルモンバランスを整えるには?

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食事は体作りの基本であり、食生活の乱れはホルモンバランスの乱れにつながります。毎日規則正しく、適量の食事を摂り、様々な食材からバランスよく栄養素を摂取するのが、健康的な食事の基本です。

毎日夜遅くにたくさん食べる、食事をとる時間が不定期で抜くこともある、栄養バランスが偏った食事ばかりを摂取する、などの食生活をしていると、それだけで心身に負荷がかかって、ホルモンバランスの乱れを引き起こします。

生理前は、ホルモンバランスが整うよう、いつも以上に栄養バランスに気をつけましょう。食欲がなくなったり、逆にたくさん食べたくなったりするかもしれませんが、腹八分目を心がけ、1日数回に分けてゆっくりと摂取したいですね。

1口につき20回以上噛んで食べるように意識することで、自然と腹八分目に抑えられたり、食欲がおさまったりしますよ。

また、現れている不快症状を緩和してくれるような食材や栄養素をとるのも効果的です。

生理前に現れる不快症状は、「頭痛」「むくみ」「肌荒れ」といった身体的症状のほか、イライラ・憂うつといった「精神的な症状」など、人それぞれです。次からは、それぞれの症状に効く栄養素や食品を紹介するので、自分の体質にあうものをみつけてくださいね。

生理前のホルモンバランスの乱れに効く食べ物は?

先にも説明したように、生理前に起こる不快症状の根本的な原因は、主にホルモンバランスの乱れにあると考えられています。そのため、ホルモンバランスを整える食生活を心がけることが大切です。

ホルモンバランスを整えるには、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをしてくれる、「大豆イソフラボン」が効果的です。納豆や豆腐、豆乳、みそなどの大豆製品を積極的に食べるようにしましょう(※2)。

頭痛や腰痛などの身体的症状にも効果が期待できます。

生理前の身体的な症状におすすめの食べ物は?

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生理前に身体的な不快症状があるときには、下記のような食材や栄養素を意識して摂取してみましょう(※2)。

むくみに効く食べ物・栄養素

むくみは、体内に余分な水分が滞ることで起こります。そのため改善には、水分の排出をスムーズに行ってくれるような栄養素を摂りましょう。

余分な水分を体外に排出するには、カリウムを多く含む食材を摂るのがおすすめです。具体的には、アボカドやバナナなどの果実類、大豆やあずきなどの豆類、海藻類などがあります。

また、むくみを助長する塩分の摂取は控えめにすることや、適度に水分を摂取することを心がけましょう。

肌荒れに効く食べ物・栄養素

肌荒れには、皮膚の乾燥が大きな影響を与えています。乾燥には、粘膜を保護して皮膚を強くする作用のある「ビタミンA」を含む、モロヘイヤ・にんじん・かぼちゃなどの緑黄色野菜や、レバーがおすすめです。

口内炎など、口周りの吹き出物が気になる人は、レバーやウナギなどに多く含まれる「ビタミンB2」を摂るのもいいですね。

また、肌荒れは腸内環境が悪いことでも引き起こされるので、腸をきれいにする食物繊維を摂ることも大切です。食物繊維は、海藻や根菜類、玄米、きのこ類に多く含まれています。

生理前の精神的な症状におすすめの食べ物は?

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精神的な不快症状は、神経の興奮を落ち着かせる作用のあるカルシウムやマグネシウム、ビタミンB6などがおすすめです。これらは、レバーや魚類、ナッツ類、海藻類などから摂取できます。

また、精神的な不快症状は、脳内の「セロトニン」と呼ばれる神経伝達物質の減少が一因だといわれています。セロトニンの生成を促すのは「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸です。小麦やオートミールなどの穀類、乳製品、大豆製品、ナッツ類、レバーなどを積極的に摂るようにしましょう(※2)。

生理前を快適に過ごすために食事に気をつけよう

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生理前に不快症状が現れるのは、生理現象として仕方がないところもあります。しかし、食事など日頃の生活習慣次第で、その症状を軽減することも可能です。月1回の生理とは長い付き合いが続くので、正しい知識をもって、上手に対応していきましょう。

また、生理前の不快症状がひどく、生活を改善しても軽減されないようなときは、できるだけ早めに婦人科に相談するようにしてください。

食生活でホルモンバランスを整えることも大切ですが、医療に上手に頼ることも同じくらい大切です。低用量ピルや漢方薬を服用することで、自然と体質が変わり、症状が緩和されることもありますよ。

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