三種混合ワクチンの基礎知識!効果や副反応などまとめ

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

三種混合ワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。

三種混合ワクチン・基本情報まとめ

予防できる病気 ジフテリア・破傷風・百日咳
定期接種/任意接種 任意接種
接種費用 自己負担
接種時期・回数 5歳〜7歳未満で1回、11歳〜13歳未満で1回(※)
副反応 接種箇所を超えた腫れや全身の発疹、発熱
生/不活化ワクチン 不活化ワクチン

(※)2回目は、二種混合ワクチンとどちらかを接種します。

予防できる病気

三種混合ワクチンを接種することで、ジフテリア・破傷風・百日咳の3種類の病気を予防することができます。

ジフテリア

ジフテリア菌によって引き起こされる病気です。喉の奥に厚い膜ができ、発熱が起きたり呼吸がしにくくなったりします。

最悪の場合、命を落とすこともある病気ですが、ワクチンの効果で1999年を最後に国内では報告されていません(※1)。

破傷風

破傷風菌によって引き起こされる病気です。「口が開きづらい」「あごが固くなる」といった症状に始まり、最後には全身の筋肉が固くなり、息ができなくなってしまいます。

ワクチンでしか免疫ができない病気であるため、ワクチンの接種は非常に重要です(※1、2)。

百日咳

百日咳菌に感染して起こる病気です。突然激しく咳き込み、そのあと「ヒュー」という笛を吹くような音がして、顔を赤くするほどの咳が出るのが特徴です。

息ができなくなり、無呼吸発作・肺炎・脳炎など命に関わることもあるものの、ワクチンで免疫を作ることができます(※1)。

定期/任意接種・費用

三種混合ワクチンは、予防接種法で規定されていない「任意接種」扱いとなります。

定期接種と異なり、費用は原則自己負担となりますが、子どもの健康のために重要なワクチンです。なるべく接種するようにしてください。

自治体によって費用を補助してくれる場合もあるので、お住まいの自治体に確認してみてくださいね。

接種時期・回数

三種混合ワクチンは合計で2回の接種が推奨されています。
三種混合ワクチン スケジュール

接種スケジュール(全2回)

1回目 5歳〜7歳未満
2回目 11歳〜13歳未満

接種スケジュールは上記の通りです(※3)。

1回目の接種について

1歳ごろまでに接種する五種混合ワクチンもしくは四種混合ワクチンで予防できる病気のうち、百日咳に関しては、小学校入学前ごろに免疫が少なくなるとされています(※4)。

五種混合ワクチンと四種混合ワクチンは、規定回数(4回)を超えての接種はできないため、この時期に三種混合ワクチンを接種することが推奨されています(※4)。

2回目の接種について

2回目の接種は、二種混合ワクチンとどちらかを接種することになります。

二種混合ワクチンと違い費用はかかってしまいますが、もう一度三種混合ワクチンを接種することで、近年増加傾向である百日咳の免疫の維持が期待できます。

どちらを接種するかは、かかりつけの医師と相談して決めてくださいね。

副反応・注意点

副反応

三種混合ワクチンの副反応は、以下のようなものが挙げられます(※5)。

  • 接種した部位を超えた腫れ

  • 全身の発疹、発熱など

  • アナフィラキシー(重いアレルギー反応、ごくまれ)

もし接種後に気になる症状があらわれた場合、念のため接種をした病院に連絡して相談しましょう。

注意点

ワクチン接種の際には、以下の点に注意してください(※6)。

  • 接種日に、37.5℃以上の「明らかな発熱」がある場合、ワクチンを接種することはできません。

  • 1回目の接種で発熱や接種部位の腫れがあらわれた場合や、熱性けいれんやてんかんがある場合は、接種前に医師に相談する必要があります。

その他、わからないことがあれば、かかりつけ医に相談すると安心です。

受け忘れたときは

このワクチンは任意接種のため、推奨期間を過ぎてしまった場合でもワクチンを接種することが可能です。

接種する時期に関して、詳しくはかかりつけの医師に相談してくださいね。

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