赤ちゃんがミルクを飲まない原因は?飲んでくれるための対策はある?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

母乳の出があまりよくない、早期復職を考えている、といった理由でミルク育児で赤ちゃんのお世話をしている家庭も多いですよね。でも、赤ちゃんのなかには、ミルクをぜんぜん飲んでくれない子もいます。そこで今回は、赤ちゃんがミルクを飲んでくれない理由、ミルクを飲むための対策、飲ませ方の工夫をご紹介します。

赤ちゃんがミルクを飲まない理由は?

ミルク

赤ちゃんがミルクを飲んでくれない理由としてまず考えられるのは、ミルクそのものを気に入らない、ということです。特に生後1・2・3ヶ月の赤ちゃんに当てはまる原因です。

たとえば生まれた当初は母乳を飲ませていたのに急にミルクに変更したときや、ミルクのメーカーや種類を突然変えたときに、ミルクを飲まないという状況が起こることがあります。赤ちゃんはそれまで飲んでいた味や感触との変化に違和感を覚え、拒否反応を示してしまうのです。

調乳に使うお湯の温度が高すぎたりカルキ臭が強すぎたりすることでミルクを嫌がっていることもあります。

また、単純にミルクの味が濃い・薄いなどの原因も考えられます。

赤ちゃんがミルクを飲まないのは哺乳瓶に原因があるの?

赤ちゃん 泣き顔 泣く 悲しい

ミルクのメーカーやお湯の温度を変えても飲んでくれない場合は、哺乳瓶の乳首の形や大きさ、固さ、感触などが気に入らないことも考えられます。

また、乳首の穴の大きさが合わず嫌がっている可能性もあります。穴が小さすぎると吸うのに力がいるので赤ちゃんが疲れて飲むのを止めてしまいます。一方で、穴が大きすぎるとたくさんのミルクが口に一気に入ってきて飲みにくくなります。

赤ちゃんが気に入る乳首が見つかるまで、いろいろなメーカーのものを地道に試すようにしましょう。

赤ちゃんがミルクを飲まないのはミルクアレルギーかも?

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赤ちゃんがミルクを飲んでも吐いてしまう場合、ごくまれに、ミルクアレルギー(新生児・乳児消化管アレルギー)が原因のケースもあります。

ミルクアレルギーは、粉ミルクに含まれるカゼインやたんぱく質に過剰反応してしまうことで、皮膚の発疹をはじめ、血便や嘔吐・下痢などの症状が起こります。

特に新生児の場合は対処が遅れると脱水症状になる可能性が高いため、ミルクを飲んでも嘔吐や下痢がひどい場合には病院へ連れて行ってあげましょう。

ミルクアレルギーと診断されたら、一般的な粉ミルクをやめて、ミルクアレルギー専用の粉ミルクに切り替えます。

ミルクアレルギーと診断された赤ちゃんの多くは、自然に症状が改善されます。1歳前後ではたいていの乳製品を食べられるようになるので、心配し過ぎないようにしてくださいね。

赤ちゃんがミルクを飲んでくれるための対策は?

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赤ちゃんがミルクを飲んでくれないときは、まず、その理由を探って赤ちゃんにあった対策をしていきましょう。

母乳に慣れてしまってミルクを嫌がるときは、できるだけ母乳成分に近い粉ミルクを選びましょう。

ミルクのメーカーや種類を変えたことで飲まなくなった場合には、一度、以前のものに戻して様子を見ましょう。粉ミルクを変更するときは、最初は使い切りのスティックタイプや試供品を飲ませて、反応を見ながら飲んでくれるものを選ぶのがおすすめです。

いろいろな粉ミルクを試しても反応が変わらない場合は、お湯の温度やにおいも含めて見直してみましょう。

上記の対策をとっても飲んでくれないときは、赤ちゃんの好みに合うまで、粉ミルクの分量を変えて試してみるのもひとつの対策です。

ただし、メーカー指定の規定量をあまりに超えてしまう場合は、栄養不足になってしまったり、消化器官に負担がかかりすぎてしまうこともあるので注意してください。

生後4・5・6ヶ月頃の赤ちゃんが突然ミルクを飲まなくなるのは?

ミルク 哺乳瓶 こぼす

生後4・5・6ヶ月頃の赤ちゃんに見られるのが、「1~2週間前まではたくさん飲んでいたのに突然飲まなくなった」というケースです。この場合、ミルクの種類や哺乳瓶を変えても飲んでくれないことがあります。

主な原因としては、成長するにつれて周囲に興味や関心を持つようになり、ミルクを飲むときに気が散ってしまうことが考えられています。赤ちゃんが集中してミルクを飲める環境を用意してあげるために、テレビや音楽がついていたら消す、周囲におもちゃなどを置かない、といった対策をしましょう。

また、生後5ヶ月以降であれば、離乳食が始まっていることもあり、お腹がいっぱいでミルクを欲していないこともあります。

赤ちゃんが元気いっぱいの様子であれば、「1日の目安量を飲ませなければ」と考えすぎず、たくさん遊んであげてお腹を空かせてあげることを意識しましょう。お腹が空けば自然とミルクを飲みたがるものです。

体重の増加ペースには個人差があるので、体重が増えていなくても元気な様子があれば問題ないことがほとんどですが、いつもより元気がない、全く食欲がないなどの症状があれば病気の可能性もあるので、小児科で診てもらってくださいね。

赤ちゃんがミルクを嫌がるのも個性の表れ!

赤ちゃんがミルクを飲んでくれないと、どうしても心配になりますよね。でも、ミルクや哺乳瓶を嫌がるのも赤ちゃんの個性や成長の表れなので、それを把握して一緒にゆっくりと歩んでいくことが大切です。

急にミルクを飲まなくなって機嫌や体調も悪そうなときは、早めに小児科を受診してくださいね。

他の子や一般的な目安と比べずに、ゆっくり焦らず、自分たちのペースでミルク育児をしていけるといいですね。

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