赤ちゃんにミルクをあげるとき、多くの新米ママ・パパは「粉ミルクの調乳」に手間取ってしまいますよね。赤ちゃんが生まれる前の日常生活では、ミルクを調乳する機会はないものなので、最初のうちはうまくできなくても当然のこと。そこで今回は、粉ミルクの調乳方法について、適正温度や冷まし方、作り方のコツについてご紹介します。
赤ちゃんのミルクって、どんなもの?
生まれたばかりの赤ちゃんは、大人と同じ食べ物を食べることができないので、最初は母乳やミルクから栄養を摂ります。
赤ちゃんといえば、おっぱいから母乳を飲むイメージが強いですが、母乳の出が悪かったり、早いうちから保育園に通ったり、状況によってミルク育児になる赤ちゃんもたくさんいます。
最近の粉ミルクは、母乳と同じくらい栄養価の高い成分が配合されており、ミルク育児の負担が減る便利グッズもたくさん販売されています。多少調乳の手間がかかりますが、これらのアイテムを使いこなして、ミルク育児に慣れていきたいですね。
次からは、具体的にミルクを調乳する方法をお伝えします。
粉ミルクの調乳方法は?
粉ミルクを調乳するときは、ただお湯を注げばいい、というものでもありません。次のような手順で作りましょう。
1. 作る前の準備
ミルクを作る前に、必ず石けんで丁寧に手を洗いましょう。洗浄・消毒をして清潔に保たれた哺乳瓶や調乳器具(軽量スプーンなど)を使用します。赤ちゃんは抵抗力が弱く感染症を起こしやすいので、清潔な環境で作り、飲ませてあげることが大切です。
2. 粉ミルクとお湯を入れる
粉ミルクとお湯の量は、ミルク缶の説明書を確認し、規定の容量を正確に守りましょう。
まず哺乳瓶に粉ミルクを入れ、できあがりの量の1/3~2/3の熱湯を注ぎ、乳首とキャップをつけたら、円を描くように瓶を軽く振ってミルクを溶かします。その後、乳首をはずし、できあがりの量まで熱湯を加えて、さらに溶かしましょう。
粉ミルクやお湯の割合を適当にしてしまうと、ミルクが濃くなったり薄くなったりして、赤ちゃんが飲みづらくなりますし、栄養量も異なってしまうので注意が必要です。
3. ミルクを適温まで冷ます
熱湯で作られたミルクをすぐに赤ちゃんに飲ませると、やけどしてしまうのでとても危険です。ミルクの入った哺乳瓶は人肌温度まで冷ましましょう。
ミルクの冷まし方や適正温度については、後から詳しくご説明します。
4. 赤ちゃんに授乳する
ミルクの飲み残しや作り置きしたものは中で菌が繁殖している可能性があります。飲み残しを再度与えるようなことはせず、飲まなかった分は思い切って捨てましょう。毎度1回分ずつミルクを作り、授乳してくださいね。
飲み終わったらげっぷをさせ、胃に溜まった空気を出してあげることも忘れずに行いましょう。
5.哺乳瓶、乳首を洗浄・消毒
ミルクの授乳が済んだら、必ず哺乳瓶と乳首をきれいに洗浄・消毒するようにしてくださいね。赤ちゃんの胃腸は未発達なので、雑菌が入らないように気をつけましょう。哺乳器具を清潔に保つことは、調乳と同じくらい大事なことです。
面倒に感じてしまうかもしれませんが、洗浄・消毒は怠らないようにしましょう。
ミルクの適正温度は?冷まし方のコツや注意点は?
赤ちゃんのミルクを作るときは、国際基準で70℃以上の熱湯で調乳することが推奨されています(※1)。湯冷ましで作ると、粉ミルクの中に菌がいた場合、殺菌することができず、逆に菌が繁殖する恐れがあるので避けてくださいね。
調乳中は哺乳瓶も熱くなるので、清潔なタオルを哺乳瓶に巻くなどして、ママもやけどに気をつけましょう。調乳した後は、人肌温度の40℃前後までに冷ますことが重要です。
ミルクの温度は事前に体感してチェック
哺乳瓶の外側が冷めていても、中のミルクはまだ熱い場合もあります。哺乳瓶でなく、必ず中のミルクで温度を確認するようにしましょう。
親指と人差し指の間や手首の内側の皮膚は薄いので、温度を確かめやすい場所です。そこに数滴ミルクを落として温度を感じとってくださいね。ミルクを舐めることに抵抗がなければ、そっと舌先に当てるとより正確な熱さが分かりますよ。
ミルクの冷まし方
水道から水を流し、そこに哺乳瓶を当てると効率よく短い時間で冷ますことができます。しかし、流水に長く当てると急激に温度が下がってしまい、ミルクが冷め過ぎてしまうこともあるので、こまめに確認しましょう。ボウルに入れた水に哺乳瓶を浸けるのも効率的ですよ。
分離しないよう注意
粉ミルクとお湯が分離してしまうことを避けるために、冷ましている間も哺乳瓶をこまめに振りましょう。うまく混ざり合っているかを目で確認してくださいね。濃度がまばらに見える場合は哺乳瓶を振ってあげましょう。
外出先でのミルクの調乳方法は?
母乳育児の場合は、授乳ケープだけ持っていれば比較的どこでも授乳できますが、ミルク育児だと、そうもいきませんよね。外出先でもまずミルクを調乳する必要があります。
赤ちゃんと外出するときは、お湯を魔法瓶にいれ、哺乳瓶と粉ミルクを持っていきましょう。スティックタイプやキューブタイプのミルクだと、量る手間が省けるので外出先でも便利です。
デパートなどの授乳室にはお湯が用意されていることもあるので、事前に下調べするのもいいですね。
粉ミルクの調乳は覚えたら簡単!
離乳食が始まるまでの約半年間、赤ちゃんの栄養源はミルクと母乳だけになるので、赤ちゃんにはとびきり美味しいミルクを作ってあげたいですよね。粉ミルクの調乳は、手順やコツさえ掴んでしまえば、難しいことはありません。
毎日丁寧に作れば、すぐに慣れて美味しいミルクを作ることができるようになりますよ。赤ちゃんとのミルク生活を楽しいものにしてくださいね。