乳児用の粉ミルクは、厚生労働省によって成分の基準値が設定されていて、品質が保たれています。しかしメーカーごとに、風味や、つくりやすさ、価格はそれぞれ異なるもの。何を基準に選べばいいか迷うママも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、赤ちゃんの粉ミルクの種類や選び方と、人気のおすすめ商品を8点ご紹介します。
粉ミルクの種類は?

粉ミルクは大きく分けて2種類あります。
新生児から飲める粉ミルク
新生児から飲める、一般的な粉ミルクです。
粉ミルクは、生後経過日数に応じて1回分の目安量が決まっています。粉ミルクのパッケージに書いてある量や回数を参考にして、赤ちゃんに飲ませてあげましょう。
生後9ヶ月頃から飲める粉ミルク
「フォローアップミルク」といって、生後9ヶ月頃から3歳頃の乳幼児期に、不足しがちな栄養を補助する役割のミルクです。
離乳食が3回になりはじめた生後9ヶ月頃から補助的に飲むミルクで、生後まもない赤ちゃんに飲ませる粉ミルクとは成分が異なります。
粉ミルクは何でできているの?

粉ミルクは主に牛乳成分で作られていますが、牛乳をそのまま加工しているのではありません。有効成分を取り出し、赤ちゃんが飲むのに最適な成分配合で作られています。
また、母乳の代替品として、粉ミルクは「母乳及び乳児用調製粉乳の成分組成と表示の許可基準」(※1)を満たしていることが法律で定められています(※2)。ここで定められているもの以外の成分は各メーカーによって異なるので、赤ちゃんの好みを見ながら粉ミルクを選んでくださいね。
粉ミルクのパッケージのタイプは?
粉ミルクといえば缶に入ったタイプが一般的でしたが、最近では様々なパッケージの粉ミルクが発売されています。粉ミルクをあげる頻度や、利用シーンに応じて使い分けましょう。
缶タイプの粉ミルク

缶タイプは、昔からある一般的な粉ミルクで、各社から発売されています。1缶に800g程度の粉ミルクが入っていて、新生児に1日7回標準量のミルクをあげるとすると、目安として10〜11日程度で1缶を使い切ります。
赤ちゃんにミルクを中心にあげる場合は、容量が大きく経済的な缶タイプの粉ミルクがおすすめです。
プラスチック容器に入った粉ミルク

粉ミルクの「はぐくみ」、フォローアップミルク「チルミル」など、森永からプラスチック容器に入れ替えるタイプの粉ミルクが発売されています。「エコらくパック」という名前がついていて、専用ケースに詰め替え用の粉ミルクを袋ごと入れて使うことができます。
缶タイプの粉ミルクよりも場所を取らない点や、ゴミを減らせる点で好評です。
スティックタイプの粉ミルク

スティックタイプの粉ミルクは小包装されているので、外出や旅行の際の持ち歩きに便利です。母乳中心で、サポートとして粉ミルクを使う場合にも重宝しますよ。
キューブタイプの粉ミルク

キューブタイプは、粉ミルクをキューブ型に固めたタイプです。キューブを入れた数でミルク量を計算することができますよ。片手でも簡単に入れることができ、粉と比べてこぼす心配がないのがメリットです。
粉ミルクの選び方

成分
赤ちゃんに飲ませるものとして気になるのが成分ですよね。母乳に近い成分が含まれていたり、オリゴ糖が含まれていたりと、商品によってそれぞれ異なります。
詳しい成分はこちらも参考にしてみてくださいね。
価格
購入頻度の高い粉ミルクは価格も重要な検討要素ですよね。ただ、高価なものが必ずしも自分の赤ちゃんの体に合うとは限りません。
粉ミルクをあげて赤ちゃんの様子を見ながら、継続的に購入しやすく、体に合った粉ミルクを選んであげましょう。
産院で飲んでいたもの
産院で飲んでいた粉ミルクをずっと飲んでいるという家庭は少なくありません。産院と同じ粉ミルクを飲み続けても体調に変化がなく、赤ちゃんに合っているようならばそのまま使うのも一つの方法です。
粉ミルクのおすすめ!
1. 和光堂レーベンスミルク はいはい

1917年に国産初の育児用ミルクを発売した歴史あるブランド「和光堂」。そんな粉ミルクの老舗から発売されている「はいはい」は、長年の母乳研究と最新の乳児栄養知識に基づいて作られた育児用ミルクです。
「だまになりにくく溶けやすい」という口コミが多く、調乳のしやすさも人気の秘密です。
母乳に近いポイント
「はいはい」は、赤ちゃんの体の負担に配慮して、乳清たんぱくとカゼインの比率を母乳に近い60:40に調整しています。また、2022年3月の商品リニューアルで、母乳に含まれる主要なたんぱく質であるα-ラクトアルブミンを、母乳に近い量まで配合強化。より母乳に近くなったことで、赤ちゃんも飲んでくれそうですね。
▼ 缶タイプ
▼ スティックタイプ2. 森永 はぐくみ

「はぐくみ」には、スリムなパッケージで場所を取らない「エコらくパック」があります。粉ミルクが入った袋ごと容器に詰め替えればOKで、手間いらず。缶ゴミが出ないのも嬉しいですね。
従来の缶タイプはもちろん、必要なときだけ使える「スティックタイプ」もあり、用途に応じて選べますよ。
母乳に近いポイント
初乳に含まれる成分「ラクトフェリン」を世界で初めて配合したのが森永乳業です。そのほかに、母乳に含まれる「DHA」「アラキドン酸」や、母乳と同じように複数の「オリゴ糖」を配合することで、さらに母乳に近づけています。
▼ 缶タイプ
▼ エコらくパック(はじめてセット)▼ スティックタイプ3. 明治 ほほえみ

「ほほえみ」は、缶タイプや液体タイプのほか、キューブタイプを選べる唯一の粉ミルクです(2021年11月現在)。
キューブタイプのミルクは、添加物を加えずに固めているから安心して赤ちゃんにあげられます。1個40ml分と軽量いらずで、測り間違いを防ぐことができるので、新米ママや慣れないパパでも簡単にミルクを作ることができますよ。
母乳に近いポイント
20万人以上の赤ちゃんの発育調査や6千人以上の母乳調査をもとに、母乳で育つ赤ちゃんと同じ成長を目指して栄養設計しています。赤ちゃんの健やかな発育に大切な「アラキドン酸」と「DHA」を、母乳の範囲まで配合していますよ。
▼ 缶タイプ
▼ キューブタイプ4. 雪印メグミルク ぴゅあ

雪印「ぴゅあ」は、長年の母乳研究で培ってきた技術や知見をいかして開発した粉ミルクです。
他の粉ミルクに比べると容量が多く、価格も控えめ。買い替えが少なくて済むので忙しいママにもおすすめです。リーズナブルに抑えたいママにとっても嬉しいですね。
母乳に近いポイント
乳児期に大切な「リン脂質」「DHA」など、ママの母乳に近い成分を含んでいます。豊富に含んでいるだけでなく、バランス・量を全て母乳を基準に配合していて、母乳に近い粉ミルクを実現しています。
▼ 缶タイプ
▼ スティックタイプ5. ビーンスターク すこやかM1

1960年に日本で初めて全国母乳調査を行い、半世紀以上かけて研究開発されたのが「すこやかM1」。安心・安全な製品づくりのため、日本の粉ミルクメーカーで初めてISO9002(品質マネジメントシステムに関する国際規格)の認証を取得していて、品質管理を徹底しています。
缶の側面に施した抗菌加工によって、衛生的に調乳できるのにも注目ですよ。
母乳に近いポイント
母乳に含まれる「オリゴ糖」「シアル酸」「リボ核酸」などを配合。また、母乳調査の結果を生かし、日本で初めて「オステオポンチン」という赤ちゃんの免疫に働きかける成分も配合しました。
▼ 缶タイプ
▼ スティックタイプ6. グリコ アイクレオのバランスミルク

「アイクレオのバランスミルク」は、成分1つ1つにこだわり、母乳に近い味・色・香りを目指しています。ママが赤ちゃんを抱っこしながらでも調乳できるよう、片手でも開けやすいフタが採用されているのにも注目です。
持ち運びに便利なスティックタイプもあります。家では缶を、外出先ではスティックをと、シーンに合わせて使い分けてもいいですね。
母乳に近いポイント
母乳に近いあっさりした甘い味、母乳とおなじ黄色、母乳に近い香りと、母乳に近づけています。母乳と同じナトリウム量にすることで、赤ちゃんの繊細な体にも負担をかけませんよ。
▼ 缶タイプ
▼ スティックタイプアレルギーが気になる赤ちゃんにもおすすめの粉ミルク
7. 森永乳業 E赤ちゃん

「E赤ちゃん」は、「はぐくみ」をベースに、牛乳タンパク質を低分子化することで、赤ちゃんのアレルギー反応を抑えることができる粉ミルク。
ミルクアレルギーが心配というママにもぜひ試してほしい商品です。(※全ての人にアレルギーが起こらないというわけではありません)
母乳に近いポイント
赤ちゃんを守る「ラクトフェリン」や3種類の「オリゴ酸」、母乳に含まれる「DHA」などをしっかりと含んでいて、赤ちゃんの成長や食習慣サポートにも効果的ですよ。
▼ 缶タイプ
▼ エコらくパック(はじめてセット)▼ スティックタイプ8. 和光堂 ボンラクトi

牛乳成分を使用せず、大豆たんぱくを用いて作られた和光堂のボンラクトi。ミルクを受け付けない、合わない赤ちゃんは医師に相談してから使用してください。
風味が良くて、赤ちゃんが飲みやすい味なのもうれしいですね。溶けやすい顆粒状で、ミルクを作りやすいのも注目ポイントです。
母乳に近いポイント
主な原材料は「デキストリン」「ぶどう糖」「オリゴ糖」など。バランスよく調整しているので、母乳と同じように赤ちゃんに必要な栄養素を十分に兼ね備えています。
▼ 缶タイプ
粉ミルクを使うメリット・デメリットは?

メリット
粉ミルクを赤ちゃんに飲ませるときは哺乳瓶を使うので、飲んだ分量を正確に把握することができ、ママ以外の人でも授乳できることなどがメリットとして挙げられます。
ママの母乳の量に関わらず、粉ミルクできちんと栄養を摂取できるのも赤ちゃんにとっては大事なポイントです。
デメリット
産後2~3日の間にママのおっぱいから分泌される母乳を「初乳」といいますが、この初乳には免疫物質が多く、赤ちゃんの免疫機能を補ってくれる効果があります。粉ミルクのほとんどの商品には、この免疫物質は含まれていません。
また、授乳時に哺乳瓶を使うので、お出かけに持っていこうとすると荷物が増えるというデメリットも。粉ミルクの購入に費用がかかるのも、ママとしては要チェックですね。
粉ミルクは赤ちゃんに合わせて選ぼう
粉ミルクは成分が似ていますが、それぞれ特徴があり味も少しずつ違います。口コミを参考にして赤ちゃんに合う粉ミルクを選んでくださいね。アレルギーのある赤ちゃんは専用の粉ミルクもあるので医師と相談しながら試してみましょう。
下記では、赤ちゃんの哺乳瓶の選び方や人気の商品を紹介しています。赤ちゃんが快適にミルクを飲めるお気に入りをぜひ探してみてくださいね。
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