受精が起きる確率は?受精率を上げることはできるの?

妊娠して出産するためには、まず、精子と卵子が受精しなくては始まりません。そのため、妊活中や不妊治療中の人が気になるのは、受精の確率を上げることができるのかということですよね。そこで今回は、受精が起きる確率や、受精率を上げることができるのかなどについてご紹介します。

受精はどんな風に起こる?

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受精とは、男性の精巣で作られた精子と、女性の卵巣で作られた卵子が合体し、受精卵になる現象です。

卵子は卵巣から排卵された後、卵管采にキャッチされ、卵管膨大部に進みます。卵子はその卵管膨大部で精子が来るのを待ちます。

女性の腟内に射精された精子は、子宮腔と卵管を通過する過程で受精するための能力を得つつ、卵子が待つ卵管膨大部にたどり着きます。1回に2〜4億ほどの精子が射精されますが、卵管膨大部までたどり着く頃には60〜200個ほどまで減り、そのうち1つだけが卵子と受精します(※1)。

自然妊娠の受精の確率は?

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不妊治療を行っていない場合の受精の確率を示した研究データはありませんが、一般のカップルが避妊をせずに性行為を行った場合、妊娠する確率は、1周期(1ヶ月)あたり約20%とされています(※2)。

ただし、このデータはあくまで受精後の着床まで含まれた「妊娠の確率」であるため、受精だけの場合はこれよりももう少し高い確率になることが推測されます。

不妊治療の受精の確率は?

不妊治療中の場合は、特に受精率が気になりますよね。ここでは、各不妊治療ごとの受精の確率をご紹介します。

タイミング法の受精の確率は?

タイミング法とは、女性の排卵日を推定し、それに合わせて性行為をすることで妊娠を目指す方法です。このタイミング法の1ヶ月あたりの妊娠率は約3%とされています(※3)。タイミング法では、排卵誘発剤を使って受精の確率を上げることもあります。

タイミング法の受精の確率は明らかになっていません。

人工授精の受精の確率は?

人工授精とは男性の精液を洗浄・濃縮し、女性の排卵日に合わせて子宮内に注入する方法です。人工授精による受精の確率はわかっていないものの、精子が卵子と受精するまでの時間と道のりを短縮できるため、受精率が高くなると考えられています。

人工授精での妊娠の確率は、1ヶ月あたり5%程度とされています(※3)。

体外受精・顕微授精の受精の確率は?

体外受精とは、女性の体から採取した卵子に、調整した精液をかけて受精させる方法です。また、体外受精を行っても受精しない場合に行われるのが「顕微授精」で、受精の際に元気で形が正常な精子を直接卵子に注入し、受精させます。

どちらもある程度まで受精卵を成長させた後で、女性の子宮に戻します。

体外受精と顕微授精での妊娠率は16.3%になっています(※4)。

また、日本生殖医学会によると、顕微授精での受精の確率は平均で50〜70%ほどあるということです(※5)。

受精の確率を上げる方法はある?

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受精の確率を高めるためには、いくつかの方法があると考えられています。ここでは、受精率を上げるために効果的な方法をご紹介していきます。

排卵日の目星をつける

自然妊娠を望んでいる場合、まずは排卵日を把握し、そのタイミングを狙って性行為を行うことで受精の確率を高めることができます。そのため最初のステップとして、基礎体温を記録することから始めましょう。

基礎体温を毎日記録していると、「低温期」と「高温期」の二相に分かれることに気がつくはずです。この低温期から高温期に切り替わる数日の間に、排卵が起きていると考えられています。

抗酸化作用の高い食品を摂る

食事を見直すことも、受精率アップのために有効です。過剰な活性酸素は卵子や精子の質を低下させると考えられているため、抗酸化作用の高い食品を摂るように心がけましょう(※6)。

抗酸化作用の高い食品には、アーモンドなどのナッツ類、カボチャやアボカド、タラコやウナギ、玄米などがあります(※6)。

精子の運動率を上げる食べ物を摂る

受精の確率を上げるためには、男性の精子の運動率を上げることもとても重要です。精子の運動率が下がる要因の一つに、精液中の亜鉛濃度が低くなることがあります。

そのため、亜鉛を多く含む食品を適量取ることで、精子の運動率の低下を防ぎ、受精の確率を上げることができます。このように亜鉛は男性の性に重要な役割を果たすことから、セックスミネラルと呼ばれることもあります。

亜鉛を多く含む食品には、牡蠣やハマグリ、豚レバーや牛肉、卵黄やココアなどがあります(※6)。

冷えを防ぐ

冷えと受精率の関係性ははっきりと証明されてはいないものの、血行が悪くなることで、卵子を育てて排出する卵巣の機能や、子宮内膜を育てて着床させる子宮の機能が低下する可能性もないとはいいきれません。

肌寒いときには一枚羽織ったり、腹巻きや靴下を身につけたりといった工夫をしましょう。

禁煙する

もしタバコを吸っている場合、受精の確率を少しでも高めるためには禁煙したほうがいいでしょう。

男性は喫煙によって精子が変形したり、運動性が落ちたり、数が減ったりする可能性もあると考えられています(※7)。

受精の確率を高めるために生活習慣を見直そう

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妊娠を望んでいる人は、少しでも受精の確率を上げたいと思うもの。そのためには、まず自分の体の状態を把握して、生活習慣を見直すところから始めましょう。

受精率を上げるためにできることは難しいことばかりではありません。自分ができることから始め、それでも妊娠が叶わなければ不妊治療など、次のステップに進みましょう。

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