厄年に出産が重なると、悪いことが降りかかるのではと不安になる女性もいますよね。しかし、厄年の出産は「厄落としになる」ともいわれていて、地域によって風習や言い伝えは様々なようです。そこで今回は、前厄・本厄・後厄含め、厄年の出産が厄落としになるといわれる由来や、厄年の出産にともなう風習についてご紹介します。
厄年とは?
厄年とは、人生において多くの厄災が降りかかるとされる年齢のことです。由来ははっきりしていませんが、平安時代にはすでに存在していたという説もあり、今なお根強く残っている風習の一つです。
厄年とされる年齢は男女で違います。また、宗教の宗派や地域によっても解釈が異なりますが、一般的には以下の年齢が厄年とされています。なお、厄年は数え年(生まれたときを1歳とした年齢)なので注意が必要です。
女性と男性の厄年は?
● 女性は数え年で4歳・13歳・19歳・33歳・37歳・61歳
● 男性は数え年で4歳・13歳・15歳・25歳・42歳・61歳
本厄・前厄・後厄・大厄とは?
厄年のことを「本厄(ほんやく)」と呼ぶこともあります。また、本厄の前後1年間を「前厄(まえやく)」「後厄(あとやく)」といい、それぞれ厄災の前兆が現れる年と厄災の恐れが薄らいでいく年だとされています。
なお、女性は33歳、男性は42歳が「大厄(たいやく)」と呼ばれ、厄災に最も見舞われやすい年だとされています。
厄年の出産・妊娠は避けるべき?
厄年の風習には科学的根拠がないため、妊娠や出産を避けた方がいいと考えるかどうかは人それぞれです。
しかしもともと、厄年の妊娠や出産が懸念されるようになったのは、厄年が体調や環境の変化が多い年齢だからだとされています。そのため、厄年に妊娠や出産すると、病気やトラブルに見舞われて赤ちゃんや母体に悪影響が出るのではないか、と心配になってしまう女性が多いようです。
しかし、反対に、出産することが「厄落とし」になると考える地域もあり、そうした地域ではむしろ厄年の出産は縁起がいいともいわれています。
厄年の出産が厄落しになるのはどんなとき?
基本的には本厄に出産すると、厄落とになると捉えられることが多いようです。
一方、前厄・後厄に関しては、捉え方は地域によって異なります。
例えば、前厄は災厄の起こる前触れの年なので慎重に過ごすべきと考える地域もあれば、災厄に見舞われるのは本厄の年だけだから前の年は関係ないと考える地域もあります。
後厄は、本厄の後だから慎重に過ごすべきという地域や、厄年はもう終わったから関係ないとする地域もあります。
捉え方は人それぞれなのであまり深く考えず、健康に気をつけておくようにしようにしましょう。不安を感じてストレスになるようであれば、神社で厄除け・厄払いしておくと安心できるかもしれませんね。
厄年の出産にともなう風習とは?
厄年の出産にともなう風習は地域によって様々ですが、厄年に生まれた赤ちゃんに、厄払いの意味で「捨て子」の儀式を行う地域もあります。
名前を聞いて驚く人もいるかもしれませんが、実際に捨てるわけではなく「無病息災のまま成人できるように」という願いをこめて、儀式として捨てるふりをするものです。
厄落としになるのは男の子を出産するときだけで、女の子の場合は厄落としにはならないとされ、女の子だけに行う場合と、男女どちらにも行う場合がありますが、実際に行っている地域は多くはないようです。
捨て子の儀式は、下記のように行われます。
厄年に生まれた子に行う厄払い「捨て子」の儀式
1. 生まれたばかりの赤ちゃんをかごに入れて神社に置く
2. ママは一切振り返らずに家へ帰る
3. 事前に打ち合わせていた別の大人が赤ちゃんをすぐに拾い上げて自分の家へ連れ帰る
4. 翌朝、祝い着を纏って親の元へ戻す
厄年の出産・妊娠は前向きに考えよう
厄年のことを普段は気にしていない人でも、出産が重なると気になってしまうこともありますよね。あまり気にし過ぎてストレスを溜めてしまうと、自分の体にも赤ちゃんにもよくありません。
厄年は出産に向けて健康を気遣うきっかけ程度に考え、生活を見直すいい機会として前向きに捉えましょう。
健康的な妊婦生活を送るため、また産後の体の回復を早めるためにも、食生活に気をつける、しっかり睡眠を取るなど、当たり前のことを改めて気にしてみるといいですよ。