赤ちゃんのおへそが赤くなっていると、「体に異変が起きているのかな?」と気になってしまいますよね。もしかしたら、それは臍肉芽腫や臍炎のサインかもしれません。臍肉芽腫や臍炎を放置すると、赤ちゃんの健康に悪影響を与えかねないので、早期の受診が大切です。今回は、赤ちゃんが新生児からおへそが赤いときに疑われる病気や治療法、予防法をご紹介します。
赤ちゃん・新生児のおへそが赤いのは臍肉芽腫?
新生児期の赤ちゃんのおへそが赤くなっているときは、臍肉芽腫(さいにくげしゅ)もしくは臍炎(さいえん)の可能性があります。
産まれてからしばらくの間は、赤ちゃんはへその緒(臍帯)がついたままですが、1週間ほどかけて乾燥していき自然に取れます。そして、その後おへその部分をきちんと消毒し続ければ、生後1ヶ月ほどで乾いてきます。
しかし、生後2ヶ月になってもおへそが乾かない場合や、おへそが赤く盛り上がって出血したり膿が出たりしている場合は、臍肉芽腫ができているのかもしれません(※1)。
また、おへそがジュクジュクして周りも赤くなっている場合は、臍炎という細菌感染症による可能性があります。
臍肉芽腫や臍炎への対処が遅れると、発熱することもあります。「たかがおへそだから」と甘く考えていると、最近の感染により全身の状態が悪化して、赤ちゃんの健康に害を及ぼすこともあるので注意が必要です。臍肉芽腫や臍炎が疑われる症状が現れたときは、一度病院を受診しましょう。
赤ちゃんのおへそが赤いときの治療法は
赤ちゃんのおへそが赤いときは、ただ服と擦れて赤いだけなのか、乳児湿疹の初期症状なのか、臍肉芽腫や臍炎なのかを見分ける必要があります。
できるだけ早めに気づいて対処することで悪化を防ぐことができるので、どんな症状が出るのか知っておきたいところです。また、治療法も知っておけば、医師の指示に落ち着いて従うことができます。
臍肉芽腫
臍肉芽腫は、おへその中にしこりができ、炎症によって液体がしみ出てきてジュクジュクしたり、出血したりという症状が現れます。しこりのサイズは、米粒の半分くらいのこともあれば、おへそ全体に及ぶほど大きいこともあります(※2)。
赤ちゃんの臍肉芽腫の治療法としては、臍肉芽腫の根元を糸で縛って自然に取れるのを待つ、もしくは硝酸銀で肉芽を焼き取ることもあります。
臍炎
臍炎になると、おへそが黄色くジュクジュクと湿っている状態が続き、おへそやその周辺が赤くなっていきます。出血や痛みが生じるため、赤ちゃんもぐずりやすくなります。
臍炎の治療は、消毒を行いながら、抗菌薬の軟膏を塗っていきます。具体的には、おへそが清潔になるお風呂あがりなどにアルコールをつけた綿棒で消毒し、軟膏を塗ります。
臍炎は放っておくと、炎症がひどくなって細菌が全身にまわる恐れがあるので、赤ちゃんに臍炎の疑いがあるときは、すぐに医師に診てもらいましょう(※2)。
臍肉芽腫や臍炎の治療がうまく行かず、なかなか治らない場合は、尿膜管遺残や卵黄のう管遺残が原因で起こっているかもしれません。こういった場合は、手術によって対処します(※3)。
赤ちゃんのおへそが赤くなる病気を予防するには?
赤ちゃんの臍肉芽腫・臍炎の予防法としては、おへそを清潔に保つことです。前述の通り、へその緒は生後1週間ほどで自然に取れるのですが、へその緒が取れたばかりのおへそは傷口と同じ状態なので、とてもデリケートです。
へその周りを清潔にしていなかったり、消毒していない指で触ってしまったりすると、へその緒が取れたところから細菌が侵入してしまうことも。沐浴や入浴の際には赤ちゃんのおへそをきちんと洗ってから、お風呂あがりに消毒を行い、その後しっかり乾燥させましょう。
また、赤ちゃんが自分の手でおへそを触ってしまわないように、お腹が出た状態にしておかず、きちんと服を着せてあげるようにしてください。
着替えやオムツ替えのときは不意に手で触ってしまうこともあるので、お腹に触れるかもしれないときは、手を洗って消毒をしっかり行うことを忘れないでくださいね。
赤ちゃんのおへそが赤いときは病院へ
赤ちゃんのおへそが赤くなっているのは、臍炎・臍肉芽腫が原因かもしれません。そういった赤ちゃんからのSOSに気づけるように、おむつ替えやお風呂のときにおへその様子をよく観察しておくことが大切です。
おへその色や見た目がいつもと違うと感じたときは、まずはかかりつけの小児科へ相談するようにしてくださいね。