踵骨骨端症とは?症状や治療法は?テーピングやストレッチは効く?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

小・中学生など、成長期の子供たちに多いかかとの痛み。特にスポーツをしている子供によく見られるその症状の多くは「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」という病気によって起きています。そこで今回は、踵骨骨端症とはどのような病気なのか、症状や治療法、テーピングやストレッチ、サポーターは効果があるのかなどをご紹介します。

踵骨骨端症とは?

かかと 足

踵骨骨端症とは、「Sever病(シーバー病)」とも呼ばれている病気です。

発症しやすい年齢は8~13歳で、男の子のほうが女の子の約2倍も発症しやすい傾向があります(※1)。

子供がかかとに痛みを訴える原因としては、一番多い病気です。

踵骨骨端症の原因は?

インフォグラフィック かかと 踵骨骨端核 アキレス腱 骨端軟骨

踵骨骨端症の原因は、激しい運動などにより、かかとの先端についている踵骨骨端核(しょうこつこったんかく)や、軟骨部分の骨端軟骨(こったんなんこつ)に負担がかかり、炎症を起こすことです。

また、そのほかの原因として、「回内足」が考えられています(※1)。

回内足とは、足周辺の筋肉や靭帯が弱くなったり、過剰な外向きの力がかかることにより、かかとの骨が体の内側に向いている状態です。

これにより、アキレス腱などのバランスが悪くなり、アキレス腱に繋がっているかかとの先の踵骨骨端核や、軟骨部分の骨端軟骨に負担がかかって炎症を起こし、痛みが現れます。

大人になると、骨端軟骨が固くなり、踵骨骨端核と足の骨とが陸続きになるため、踵骨骨端症が起きることはほとんどなくなります。

踵骨骨端症の症状は?

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踵骨骨端症の症状は、かかとに現れるずきずきとした痛みです。

痛みは激しい運動をした後に現れることが多く、痛みのために足を引きずって歩いたり、かかとを地面に着けられずにつま先立ちになってしまったりすることもあります。この痛みは、運動後数時間続くこともあります(※2)。

また、運動をしていないときでも、かかとを左右から押すと痛みが現れることもあります。

踵骨骨端症の治療法は?テーピングは有効?

怪我 足首 サポーター

踵骨骨端症の治療には、安静にすることや、アイシング、マッサージ、かかとの骨に付いている腱を伸ばすストレッチ、アキレス腱の強化などが有効です。医師によっては、非ステロイド性抗炎症薬などを処方することもあります(※1)。

また日常生活においては、靴のなかに入れるヒールカップやインソール、サイズのフィットした靴などで、かかとのクッションや足のアーチ部分の補助などをすることでも効果が期待できます。

回内足ではない場合や、回内足でも症状が軽度の場合は、つま先に体重をかけ、かかとを4分の1の高さほど持ち上げるストレッチも効果があります(※1)。

これらの治療を行って安静にしていれば、4~8週間で治ることが多いです(※1)。

また、かかとを固定するテーピングは痛みを軽減する効果はある一方、子供に痛みを忘れさせ、患部を動かして症状を悪化させてしまう可能性もあるため、その使用をめぐっては、医師の間でも賛否両論があります。

踵骨骨端症の予防法は?ストレッチは効く?

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踵骨骨端症の予防には、回内足の矯正や、ふくらはぎにあるヒラメ筋と腓腹筋、足の裏の足底腱膜のストレッチが有効と考えられています(※3)

立った状態で足を前後に開き、前足の膝を軽く曲げて、後ろ足のアキレス腱やふくらはぎを伸ばすストレッチ方法などが予防に役立ちます。ただし、すでに痛みがある場合は、医師と相談しながら行ってください。

また、アキレス腱の負担を減らしてあげるように、ふくらはぎから足首にかけてテーピングを行うこともいいでしょう。

踵骨骨端症を起こしやすいスポーツは?

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踵骨骨端症は、アキレス腱に負担がかかることで発症するため、あらゆるスポーツにおいて起きる可能性があります。

そのなかでも、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプを伴う競技や、サッカー、陸上競技、ラグビー、アメフトなどのスパイクを履いて走る競技は、足に大きな負担がかかるため、症状が出やすいと考えられています。

踵骨骨端症はゆっくり治療しよう

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踵骨骨端症は、スポーツをしている子供なら誰でも発症しうる病気で、成長期のかかとの痛みの原因の大部分を占めます。

かかとという普段の生活に欠かせない部位の病気のため、治すのに時間がかかるという面があります。

小・中学生の年代の子供はついつい無理してしまいがち。しかし、無理をせず踵骨骨端症を早く治したほうが、結果としてスポーツでいいパフォーマンスを出すことに繋がります。

踵骨骨端症を発症した場合には、時間もかかり簡単ではないと思いますが、長い目で見て治療を優先することをおすすめします。また、発症しないように、テーピングを行ったり、ストレッチをしたりすることで、普段から予防を行いましょう。

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