子供が内股!原因は?矯正は必要?有効なストレッチ方法はある?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

「うちの子はよく転ぶなぁ」「歩き方がおかしい?」など、子供の様子はちょっとした変化でも気になるものですよね。そして、歩き方の悩みで特に多いのが子供の内股歩き。そこで今回は、内股の原因から家庭でできる対処法はないか、どんなときに病院に行ったほうがいいのかをご説明します。

子供の内股とはどんな状態?

インフォグラフィック 内股 O脚 X脚 XO脚

内股歩きをする人は、一般的にO脚、X脚、XO脚のいずれかの脚の形の場合が多いようです。特に日本人は大人も含めてO脚の人が多いといわれています。

O脚は、左脚と右脚の間にすきまが空いている状態をいいます。具体的には、骨盤が開き気味になっていて、かかとと爪先をくっつけた状態で立ったときに、くるぶし、ふくらはぎ、膝、ふともものいずれかが離れてしまいます。

一般的には、子供を立たせて足を揃えた状態で、指が膝の間に3本以上入るようであればO脚と診断されます(※1)。

子供の内股は問題あり?1・2・3歳は?

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実は、赤ちゃんは産まれたときからO脚であることが一般的です。1歳半頃まではO脚で、それから徐々にまっすぐな脚になっていくものの、2歳半頃になると今度は逆にX脚気味になります。その後は次第に改善し、大人のように安定した形になります。

ただし成長に個人差があるように、脚が安定するまでの過程も個人差があるので、あくまで目安と思ってくださいね。概ね2~3歳くらいまでがO脚なのは問題ありません。

子供の内股は矯正したほうがいい?

赤ちゃん 歩く 砂浜 外

子供に多いO脚の原因は、下記の2種類です(※1)。

● 生理的な成長過程の途中に生じるもの
● ブラウント病やくる病などの、骨の異常による病気が原因で生じるもの

内股の原因が、生理的な現象である場合には、治療などはせずに、成長の様子を見ていくのが一般的です。しかし、生理的だと診断されても、成長に影響があると判断されるときには矯正治療が選択されます。これはブラウント病が原因の場合も同様です(※1)。

くる病が原因で内股になっている場合には、矯正はせずビタミンDやカルシウムの補充療法や食事療法、適度な日光浴を増やすなどによって回復をめざします(※1)。

内股は子供の成長に影響がある?

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内股は脚の成長過程で自然に生じるものなので、基本的には子供の成長に影響を与えるということはありません。しかし、あまりにもよく転ぶ、歩くときに痛みを訴えるなどの場合には、放置せずに一度整形外科を受診しましょう。

病院でレントゲン検査等を受けて、ブラウント病やくる病など、子供の成長に影響があるほどの異常があるのか、診断してもらうようにしましょうね。

子供の内股を治すストレッチ方法は?

女の子 あぐら 姉妹

子供の内股は、多くは脚の成長過程で治っていくものです。しかし正しい歩き方や正しい姿勢は、早いうちから伝えていきたいですよね。子供の内股を治す方法として、次のようなストレッチ方法や対処法を試してみましょう。

O脚の場合

O脚を改善するためには、まず横座りや女の子座りを避けることが大切です。女の子であればヒールのついた靴は控えましょう。ストレッチ方法としては、骨盤を正しい位置に戻すために、意識的にあぐら座りをさせるといいですよ。

坐禅を組むようにしっかりあぐらを組んでみましょう。あぐらを組むときに、お尻の下にタオルやクッションを敷くのもおすすめです。また、左右の脚が交互に上になるように、時間を決めて組み替えるようにしてくださいね。

左右反対の靴を短時間履かせてみてもいいでしょう。

X脚の場合

X脚によって内股になっているときには、女の子座りがおすすめです。骨盤の中間部分をストレッチできるため、効果があるといわれています。1日30分程度、無理のない範囲で毎日続けるようにしましょう。

XO脚の場合

O脚、X脚に比べて症状が複雑なので改善するまでに時間がかかります。

まず立った姿勢で、膝と膝の間にタオルをはさみ、かかとをつけたまま、つま先を90度以上開きます。次に挟んだタオルを落とさないように前屈します。前屈したら30秒ほど止まりましょう。これを10回程度繰り返すと、効果的だといわれています。

子供の内股は、成長のひとつとして見守って

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子供の内股のほとんどが、成長とともに自然に回復していきます。ただ、あまりに転びやすい、歩くときに自分の脚にひっかかってしまうなどの場合には、早めに整形外科を受診すると安心ですね。

また、本人が気にしているようなら、正しい歩き方や姿勢を伝えてあげるいい機会でもあります。日頃から、正しい姿勢に気をつける、一緒にストレッチをするなど、親子のコミュニケーションのひとつとして、矯正に取り組んでみましょう。

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