「うちの子はよく転ぶなぁ」「歩き方がおかしい?」など、子供の様子はちょっとした変化でも気になるものですよね。そして、歩き方の悩みで特に多いのが子供の内股歩き。そこで今回は、内股の原因から家庭でできる対処法はないか、どんなときに病院に行ったほうがいいのかをご説明します。
子供の内股とはどんな状態?
内股歩きをする人は、一般的にO脚、X脚、XO脚のいずれかの脚の形の場合が多いようです。特に日本人は大人も含めてO脚の人が多いといわれています。
O脚は、左脚と右脚の間にすきまが空いている状態をいいます。具体的には、骨盤が開き気味になっていて、かかとと爪先をくっつけた状態で立ったときに、くるぶし、ふくらはぎ、膝、ふともものいずれかが離れてしまいます。
一般的には、子供を立たせて足を揃えた状態で、指が膝の間に3本以上入るようであればO脚と診断されます(※1)。
子供の内股は問題あり?1・2・3歳は?
実は、赤ちゃんは産まれたときからO脚であることが一般的です。1歳半頃まではO脚で、それから徐々にまっすぐな脚になっていくものの、2歳半頃になると今度は逆にX脚気味になります。その後は次第に改善し、大人のように安定した形になります。
ただし成長に個人差があるように、脚が安定するまでの過程も個人差があるので、あくまで目安と思ってくださいね。概ね2~3歳くらいまでがO脚なのは問題ありません。
子供の内股は矯正したほうがいい?
子供に多いO脚の原因は、下記の2種類です(※1)。
● 生理的な成長過程の途中に生じるもの
● ブラウント病やくる病などの、骨の異常による病気が原因で生じるもの
内股の原因が、生理的な現象である場合には、治療などはせずに、成長の様子を見ていくのが一般的です。しかし、生理的だと診断されても、成長に影響があると判断されるときには矯正治療が選択されます。これはブラウント病が原因の場合も同様です(※1)。
くる病が原因で内股になっている場合には、矯正はせずビタミンDやカルシウムの補充療法や食事療法、適度な日光浴を増やすなどによって回復をめざします(※1)。
内股は子供の成長に影響がある?
内股は脚の成長過程で自然に生じるものなので、基本的には子供の成長に影響を与えるということはありません。しかし、あまりにもよく転ぶ、歩くときに痛みを訴えるなどの場合には、放置せずに一度整形外科を受診しましょう。
病院でレントゲン検査等を受けて、ブラウント病やくる病など、子供の成長に影響があるほどの異常があるのか、診断してもらうようにしましょうね。
子供の内股を治すストレッチ方法は?
子供の内股は、多くは脚の成長過程で治っていくものです。しかし正しい歩き方や正しい姿勢は、早いうちから伝えていきたいですよね。子供の内股を治す方法として、次のようなストレッチ方法や対処法を試してみましょう。
O脚の場合
O脚を改善するためには、まず横座りや女の子座りを避けることが大切です。女の子であればヒールのついた靴は控えましょう。ストレッチ方法としては、骨盤を正しい位置に戻すために、意識的にあぐら座りをさせるといいですよ。
坐禅を組むようにしっかりあぐらを組んでみましょう。あぐらを組むときに、お尻の下にタオルやクッションを敷くのもおすすめです。また、左右の脚が交互に上になるように、時間を決めて組み替えるようにしてくださいね。
左右反対の靴を短時間履かせてみてもいいでしょう。
X脚の場合
X脚によって内股になっているときには、女の子座りがおすすめです。骨盤の中間部分をストレッチできるため、効果があるといわれています。1日30分程度、無理のない範囲で毎日続けるようにしましょう。
XO脚の場合
O脚、X脚に比べて症状が複雑なので改善するまでに時間がかかります。
まず立った姿勢で、膝と膝の間にタオルをはさみ、かかとをつけたまま、つま先を90度以上開きます。次に挟んだタオルを落とさないように前屈します。前屈したら30秒ほど止まりましょう。これを10回程度繰り返すと、効果的だといわれています。
子供の内股は、成長のひとつとして見守って
子供の内股のほとんどが、成長とともに自然に回復していきます。ただ、あまりに転びやすい、歩くときに自分の脚にひっかかってしまうなどの場合には、早めに整形外科を受診すると安心ですね。
また、本人が気にしているようなら、正しい歩き方や姿勢を伝えてあげるいい機会でもあります。日頃から、正しい姿勢に気をつける、一緒にストレッチをするなど、親子のコミュニケーションのひとつとして、矯正に取り組んでみましょう。