赤ちゃんに歯が生え始めると、おもちゃを噛んだり、ママやパパに噛みついてしまったりすることがあります。そんな我が子の急な変化に驚いて、どうしたら良いか戸惑うママやパパは珍しくありません。それでは、なぜ急に赤ちゃんはいろいろなものを噛み出してしまうのでしょうか。今回は、1歳になる頃までの赤ちゃんが噛む原因と対処法、やめさせる方法についてご紹介します。
赤ちゃんが人や物を噛む原因は?
1歳になる前の赤ちゃんが噛む原因は、多くの場合、成長に関わる一過性のものと考えられます。ストレスで噛むということもあるかもしれませんが、まだこの時期はそういった攻撃的な意味で噛むことは少ないようです。
噛むものは、おもちゃやタオル・服、ママやパパの指や肩、周りのお友達など、さまざまです。母乳をあげているママは乳首を噛まれてしまうこともあります。
赤ちゃんが噛む主な原因は以下の通りです。
歯が生え始めて歯茎がかゆい
歯の生え始めは歯茎がむずむずしてかゆく感じるため、かゆみを和らげようとして色々なものを噛んでしまうことがよくあります。
タオルや服、スタイをはじめ、自分の指を甘噛みするなど、生後5~8ヶ月頃の歯の生え始めによく見られます。この時期は、よだれも増えてくるので、噛んでも傷つくことは少ないでしょう。
意思を伝えようとしている
赤ちゃんは自分の気持ちを言葉でうまく伝えられないため、熱い・寒い、お腹が空いたなど、不満があると噛みついてしまうこともあります。
たとえば、母乳を飲んでいる赤ちゃんの場合、ママのおっぱいの味がいつもと違っていたり、一時的に出が悪かったり、お腹がいっぱいで「もういらない」という合図だったりという理由から、ママの乳首を噛んでしまうことがあります。
また、ママのおっぱいやお気に入りのおもちゃなど、自分にとって大切なものに執着する気持ちから、噛んでしまうこともあります。
物の硬さや感触を確かめている
特に離乳食が始まる頃は、噛む感触を確かめたり、味わったりするために噛むことがあります。タオルやガーゼ、おもちゃ、離乳食を食べるときのスプーンを噛んでいるときは、このケースかもしれません。
ママやパパの反応を見て楽しんでいる
ママやパパの指や肩を噛むようなら、咄嗟の反応を楽しんでいるのかもしれません。「もっと構って」「寂しいよ」という思いから、大人の気を引くために噛みついてしまうこともあります。
お友達を噛むことも同じで、コミュニケーションの一つとして遊んでいることが多いようです。しかし、保育園などで「使いたいおもちゃを渡してもらえない」「他の子に先生を取られた」という気持ちから噛んでしまうこともあります。
赤ちゃんが噛む・噛みつくときの対処法は?
赤ちゃんが噛みついたときは、やめさせることを考えるだけでなく、噛んでも良いものを代わりに渡してあげるなど、原因に合った対応をしてあげるようにしましょう。
歯固め用のおもちゃを与える
歯茎のかゆみが原因であれば、歯固め用のおもちゃなどを用意しましょう。歯固め用ではないおもちゃだと、割れやすいものもあり、場合によってはその欠片を飲んでしまう危険性があります。
タオルなども糸くずなどを誤飲してしまう恐れがあるので、衛生面・安全面が整っている歯固め専用のおもちゃを使わせてあげてくださいね。
人を噛んだときはその場で注意する
ママやパパ、お友達を噛んでしまったら、その場ですぐに注意しましょう。時間をおいてから叱っても、赤ちゃんは何を注意されているのかわかりません。
「痛いよ」「噛まれて悲しいよ」と、真剣な表情で気持ちを伝えることが大切です。赤ちゃんはまだ言葉を話せないとは言え、「噛んではいけない」ということを態度や表情により辛抱強く教えられることで、徐々に学んでいきます。
少し硬めの離乳食をあげる
離乳食を始めたばかりの生後5~6ヶ月の赤ちゃんは、舌を前後に動かしてペースト状の野菜や10倍粥を飲みこみます。月齢が上がっていくと、やわらかすぎるものを食べたときは食べた実感がわきにくく、スプーンなどを噛んでしまうことがあります。
離乳食は、赤ちゃんの歯の生え方や成長の段階に合った大きさや硬さのものを食べさせて、噛む力や食べる意欲を育んであげてくださいね。
積極的にコミュニケーションを取る
赤ちゃんが人を噛むとき、「もっと構って欲しい」というサインが含まれていることもあります。
テレビやスマホなどを観ながらの授乳や離乳食はNGです。赤ちゃんの目を見て話しかけたり、スキンシップの時間を増やしたりしてみましょう。
赤ちゃんに噛むのをやめさせるには?
赤ちゃんが手当たり次第に物を噛む時期は、そう長くは続きません。歯固め用のおもちゃなどを与えつつ、とことん付き合ってあげましょう。
毎日繰り返して注意することや、赤ちゃんの周りに置くもの、与えるおもちゃに気を配り続けていくなかで、成長とともに少しずつ噛まなくなるものです。
ママやパパの反応見たさに噛みついてくるようであれば、噛まれて痛くても、ぐっと堪えて反応しないようするのも一つの手です。「噛んでも意味がないんだな」ということを学ぶと、飽きて噛まなくなることもありますよ。
また、毎日繰り返した結果、噛みつこうとしてやめるような様子が見られたときは「噛まないでいられたね」と、努力を認めてあげることも大切です。
赤ちゃんが噛むのは成長の証です
赤ちゃんが何かを噛むということは、心と体が成長している証でもあります。噛むものによっては危険があったり、人を噛んだときは注意したりしなくてはいけませんが、イライラせず、「意思を伝えようとした」「噛む力がついてきた」と前向きに考えてみてください。
「噛む」という行動の背景にある気持ちを汲み取ろうとする過程で、ママ・パパと赤ちゃんとのコミュニケーションがさらに豊かになるはずです。誤飲などしないよう安全には気を配りつつ、赤ちゃんの成長を見守ってあげてくださいね。