子供がキレる原因は?すぐキレるのは病気?親はどう対処する?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

今まで子供のことを理解していたつもりが、急に子供がキレはじめて困惑する親は多いようです。すぐに怒鳴り散らしたり、手を出そうとしたりする子供の様子を見て、「何かの病気なのでは?」と心配になるパパやママもいるかもしれません。今回は、子供がキレる原因と、パパやママが取るべき対処方法についてご説明します。

子供がキレる原因は?

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少しでも気に入らないことがあると暴言を吐いたり、物に当たったり、親や友達を叩いたり…と、自分の感情を抑えきれずに衝動的に乱暴な言動を取ってしまう、いわゆる「キレる」子供たち。一体、どのような原因が考えられるのでしょうか?

反抗期

一般的に、子供は成長過程で迎える「第一次反抗期」と「第二次反抗期」に、キレやすいとされます。また、その間の「中間反抗期」と呼ばれる時期に、子供がキレることもあります。

第一次反抗期(2~3歳)

幼児期の成長段階でみられ、「イヤイヤ期」とも呼ばれています。自我の芽生えから、今まで親がしていたことを「自分でやりたい」と言ったり、自分の思い通りにならないことを主張したりします。親の反応を試したりするような行動をとることも。

中間反抗期(小学校低学年)

5~8歳くらいの小学校低学年の子供に見られる反抗期です。小学校での集団生活が始まり、友達関係や勉強など子供なりにストレスが溜まる時期。

高学年の生徒やメディアの影響で覚えた少し乱暴な言葉を使うようになったり、大人をおちょくるような態度をしたりすることも多くなります。

第二次反抗期(中学生~高校生)

中学生から高校生の青年期にみられ、「思春期」とも呼ばれています。今まで依存していた親から自立する考えが芽生え、自我の確立をしようと気持ちが揺れ動く時期で、家族との接し方に敏感になります。心と行動の折り合いがつきにくいことがキレる原因に。

親との関係性

自尊心・自己肯定感が低い

幼い頃から、親や家族など身近な人に厳しく叱られてばかりいる、虐待されている、また、習い事などで劣等感を感じることが多い、といった環境では自尊心や自己肯定感が育ちにくくなる可能性があります。

自分自身が否定されているように感じ、「自分はダメな人間だ」と自暴自棄になってキレてしまうことも。

親がストレスを抱えている

親がいつもイライラしていたり、乱暴な態度で子供に接していたりすると、その影響を受けて子供も外で暴力をふるう、きつい言葉使いをする、といった可能性があります。

親と一緒に過ごす時間が少ない

パパやママが忙しく、コミュニケーションを取る時間が少ないと、子供は「話を聞いてほしいのに…」とストレスを抱えてしまうことも。イラついた気持ちを言葉で表現する方法が身につかず、キレることで自分を表現できなくなってしまいます。

生活習慣の乱れ

睡眠・運動不足

毎日夜更かしで睡眠時間が短いと、日中の疲れが取れず、いつの間にかストレスが溜まってキレる要因になることもあります。また、適度に体を動かさないと、夜ぐっすり眠れなくなってしまいます。

このような睡眠・運動不足の状態が続くと、精神を安定させてくれる「セロトニン」という神経伝達物質の脳内分泌量が減り、攻撃性が高まる可能性があると考えられています(※1)。

栄養不足

栄養バランスの偏った食生活をしていると、精神を安定させる働きのある栄養素が不足してしまい、子供をキレやすくしてしまう可能性があります。

特に、偏食によりカルシウムや鉄分が不足していると、この傾向があります(※2)。

そのほか、清涼飲料水やお菓子、パンなどの穀物に含まれる糖質ばかり摂るような偏った食生活では、ビタミンB1が欠乏し、イライラする原因になります。

また、農林水産省によると、朝ごはんを食べないことでやる気や集中力がなくなったり、わけもなくイライラしたりする影響があります(※3)。

子供がすぐキレるのは病気の可能性もある?

発達障害 学習障害 LD

もし、子供が普段から衝動的な行動を起こしてトラブルになることが多い場合、不注意・多動・衝動性を主な特徴とする「注意欠陥多動性障害(ADHD)」という発達障害の可能性も考えられます。

ADHDを持つ子供は、どうしてもじっとしていることができず、学校の先生や親に厳しく叱られることで自信をなくしてしまうことがあります。不安な気持ちをコントロールするのが難しく、周りから見ると「突然キレる」ように見えることも。

ADHDの診断は簡単にできるものではありませんが、「気が散りやすく、集中力がない」「待つことが苦手で、他の友達が遊んでいるのを邪魔してしまう」といったことが頻繁に起こる場合は、一度小児科や児童精神科で相談してください(※4)。

キレやすい子供の対応方法は?

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先ほどもご説明したとおり、子供がキレるのには様々な原因があるため、「これさえすれば大丈夫」という解決方法があるわけではありません。

しかし、子供がキレやすくなったと感じるときは、まず親が冷静になって、子供の言動の背景にある心の声を聴こうとしてあげることが大切です。以下の対応例を参考に、子供と向き合ってみてくださいね。

成長プロセスの一環だと割り切る

第一次反抗期・中間反抗期・第二次反抗期…と、子供が成長する過程で何度か訪れる反抗期。「いつまでたっても言うことを聞かない」と途方に暮れるパパやママも多いですが、どれも子供が自立していくために必要なプロセスです。

反抗期に子供がキレやすくなるのは、ある意味仕方ないことだと割り切ることで、子供の一挙一動に目くじらを立てずに済むかもしれませんよ。

親子のコミュニケーションを大切にする

子供がキレる原因を、「反抗期だから」というだけで片づけてしまうのではなく、親にわかってほしい本音を理解してあげるよう努めることも大切です。

頭ごなしに否定せず「どうしたの?」と問いかける、子供の目を見て話を聞く、子供が自分の気持ちを上手に話せるようフォローしてあげるなど、しっかりコミュニケーションを取ることを意識しましょう。

一緒に勉強をしたり、入浴をしたり、カードゲームをしたり、絵本を読んであげたりするのもいいですね。

「困ったときはパパやママに話そう」と子供が思える関係性を小さいうちから築いておくことが、子供の自尊心や自己肯定感を育むことにつながります。

規則正しい生活習慣を身につけさせる

パパやママが忙しいと、子供の生活習慣も乱れがちになるもの。できるだけ手作りの料理やバランスの取れた食事を用意する、適度な運動をさせる機会を作る、曜日に関係なく夜更かしはさせず、朝しっかり起こすようにするなど、子供の生活リズムを整えてあげましょう。

周りの人や専門家に相談する

「すぐキレてしまう子供としっかり向き合おう」と一生懸命になるあまり、パパやママのストレスが溜まって子供に怒鳴り散らすようなことになると、負のスパイラルに陥ってしまいます。

そうなる前に、学校の先生に子供の普段の様子を聞くなど、周りの人にも相談してみることも大切ですよ。ADHDなど病気の可能性が気になるときには、発達障害を診てくれる医療機関で相談してみましょう。

子供がキレるときは、心の声に耳を傾けてあげて

父親 息子 親子

子供がキレたときには、親が一緒になってキレたり、イライラしたりするのは逆効果です。

口では「ママなんて大っ嫌い!」などと言っていたとしても、「自分の気持ちをわかってほしい」「もっと甘えたい」という本音が隠れていることも。

頭ごなしに叱ったり、黙らせたりしようとする前に、一呼吸置いて、子供の声に耳を傾けてあげてくださいね。

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