子供が生まれると、ゆくゆくは保育園と幼稚園のどちらに入れようかと、1度は考えたことがあるのはないでしょうか?しかし、明確な違いを把握しているママやパパは意外と少ないようです。それでは、保育園と幼稚園では一体どんな違いがあるのでしょうか?今回は、保育園と幼稚園の違いや、学力や費用に差が出るのかについてご紹介します。
保育園と幼稚園を選ぶ基準は?

保育園と幼稚園は、そもそも入園できる年齢が異なります。しかし、多くの家庭が年齢で決めるわけではなく、家庭や親の仕事の都合に合わせて選択しています。
妊娠した頃から仕事の復帰を予定している場合や、あらたに仕事を始めるために保育園を検討している家庭もあります。また、初めから幼稚園と決めていて、入園までの期間、家で育児をすると決めている家庭もあります。
各家庭の環境や方針に合わせながら、子供にとって一番良い方法が保育園なのか幼稚園なのかを選択しているようです。
保育園と幼稚園の違いは?費用などの差は?

具体的に保育園と幼稚園ではどのような違いがあるのでしょうか。費用や入れる年齢など、気になることを下の表でご紹介します(※1)。
幼稚園 | 保育園 | |
保育対象(年齢・条件) | ● 基本的に3歳になった春から小学校入学前まで ※年度途中で3歳になる子供の入園を認めているケースもある |
● 親の仕事や病気などが理由で、家庭での保育に欠ける乳児や幼児が対象 ● 早いところでは0歳~2、3歳まで、または小学校入学前まで ※0歳の場合、園によって入れる月齢が異なる |
標準保育時間と休日 | ● 9時~14時くらいまで(標準4時間) ※延長・預かり保育は、16時~17時までが多い。園によっては19時まで延長可 ● 土・日・祝、夏休みや春休み等の長期休暇 |
● 7時半~18時半くらいまで(原則8時間) ※延長・預かり保育は、18~20時までが多い。 ※認可外保育園の場合は22時まで延長できる園もある ● 土・日・祝 |
保育内容 | ● 「幼稚園指導要領」に示されている教育目標や狙いを元に、自由遊びと組み合わせるなど各園ごとに内容を決める | ●「保育所保育指針」に基づき、基本的な生活リズムに合わせて、自由遊びをベースに、トイレトレーニングや着替え、歯磨きなど、生活習慣を身につけられる |
先生の免許 | ● 幼稚園教諭免許状 | ● 保育士資格証明書 |
立ち位置 | ● 学校 | ● 児童福祉施設 |
所管 | ● 文部科学省 | ● 厚生労働省 |
保育費用 | ● 一律の保育料 ● 入園金、制服や園指定グッズの購入が必要な場合もある ●時間外保育は延長料金が必要 ※公立の場合は市区町村、私立の場合は各園が決定 ※最近では2人目以降の保育料が安くなる幼稚園もある |
● 世帯収入に応じて保育料が変わる ● 時間外保育は延長料金が必要 ● 2人目以降の保育料が安くなる ※認可保育園の場合は課税状況に応じて市区町村長、認可外保育園の場合は各園が決定 |
給食 | ●任意 | ●義務 ●その他、おやつや夕方の補食もある ※認可外保育園の場合はお弁当の場合もある |
保育園と幼稚園で学力の違いは出る?

保育園は1日の大半を過ごす場であることや、0歳から入園している場合もあるので、養護と教育が一体となった「生活の場」、一方幼稚園は、短時間で決められた教育課程をこなす「教育の場」という特徴があります(※1)。
また、文部科学省が小学生と中学生を対象に実施した「2010年度全国学力・学習状況調査」で、幼稚園出身の子供の方が保育園出身の子供よりも、平均正答率が高かったという報告がされています(※2)。
これらをもとに、「幼稚園に通った子供の方が学力が高い」という噂を聞くことがあるかもしれません。
しかし、この統計データから「幼稚園の方が学力が高くなる」という結論を出さないように、注意が必要です。単純に「出身がどちらかで数字を割り出した」だけで、どんなことが学力に影響を与えたのかという因果関係が示されたものではないからです。
幼稚園と保育園のどちらも、教育方針や保育内容は園によって大きく異なります。また、習い事をしていたかや、親の世帯収入など、外的要因も考慮されていません。
最近は、それぞれの良い内容を吸収している傾向にあり、保育園でリトミックなどの幼児教育を取り入れている園もあれば、幼稚園でも自由に遊ぶことを方針としている園や、教育に特化した園など様々です。幼稚園や保育園の違いというより、園によって保育内容に違いが出てきます。
保育園と幼稚園の違いを知り、子供に合わせて選ぼう
これまで紹介してきた通り、保育園と幼稚園には費用や預けられる年齢など、様々な違いがあります。
学力に関しては保育園より幼稚園の方が伸びる、というイメージを持つママ・パパもいるかもしれませんが、幼児期の学力には、ママやパパが家庭でどれだけ子供の教育に関わっているかなど、様々な要素が関係してくると考えられています。
最近では保育園でも幼稚園でも、独自のカリキュラムを特色として打ち出している園も増えてきているため、どこの園に通わせるかは子供に合わせて選んであげてくださいね。