特に風邪をひいたわけでもないのに、最近なんだか調子が悪い…というときは、ホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。ホルモンバランスが乱れると、生理不順や体調不良を起こしたり、精神的に不安定になったりすることもあるので、生活習慣を見直して改善しましょう。今回はホルモンバランスを整える効果が期待できる食べ物や、食事のポイントをご紹介します。
「ホルモンバランスが乱れる」状態とは?
「ホルモンバランスが乱れている」というのは、主に「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンの分泌バランスが崩れてしまっている状態を指します。
エストロゲンは卵胞の発育を促し、子宮内膜を厚く充実させるホルモンです。一方、プロゲステロンには厚い子宮内膜を維持して妊娠しやすい状態を保つ役割があります。上のグラフのとおり、これら2つのホルモンが適度なバランスで増えたり減ったりすることで、正常な生理周期が作られています。
しかし、精神的なストレスが大きいと、脳から卵巣へのホルモン分泌の指令がうまくいかなくなったり、血行が悪いと卵巣の機能が下がったりすることで、ホルモンバランスが崩れてしまうのです。
生理痛が重い、生理前にイライラしたり肌が荒れたりする、生理不順が治らない…という人は、ホルモンバランスが乱れている可能性があるので、少しずつ整えていきたいですね。
ホルモンバランスと食事・食べ物との関係は?
ホルモンバランスを整える方法として、婦人科で薬を処方してもらったり、漢方やツボを試したりといったことが考えられますが、今日からすぐに取り組めるのは、食事の内容や方法を改善することです。
ホルモンバランスと食事の関係について、はっきりとした医学的根拠があるわけではありません。しかし、食べ物は私たちの体を形作るものなので、ホルモンバランスに全く影響を与えていないとも言い切れません。
たとえば、冷え性で悩んでいる女性は、食事で体を温めることでホルモンバランスが改善される可能性がありますし、栄養素の中には女性ホルモンの働きを補ってくれるものもあるので、意識的に取り入れてみるのも良いでしょう。
ホルモンバランスを整える食べ物は?
ホルモンバランスを整える効果が期待できる食べ物を、ここでいくつかご紹介します。
ただし、これらの食材だけをたくさん摂ればいいというわけではなく、あくまでも食事全体のバランスを考えるようにしてください。
豆乳、納豆、豆腐などの大豆製品
大豆製品にはイソフラボンという成分が含まれており、体内でエストロゲンと似た働きをすることで知られています(※1)。
イソフラボンは、体内でエストロゲンが不足していればその働きを補い、逆に過剰になりすぎているときは抑えてくれるという、女性にとって頼れる栄養素です(※2)。
エストロゲンが急減してしまうと、心を落ち着かせるセロトニンの分泌も減ってしまいます。生理前にイライラしがち…という人は、大豆製品を食卓に加えてみてはいかがでしょうか。
カツオやマグロなどの魚類や、レバーなど
これらの食材に豊富に含まれるビタミンB6は、エストロゲンの代謝に働きかけ、ホルモンバランスを整える効果があります(※1)。
また、イソフラボンと同じく、セロトニンの生成にも関係しているほか、皮膚や粘膜を健康に保つ作用もあるので、ホルモンバランスが乱れて肌荒れや口内炎で悩まされている、という人にもおすすめです。
ウナギ、かぼちゃ、ナッツ類など
これらの食べ物に多く含まれるビタミンEは、脳下垂体に働きかけて女性ホルモンの分泌を促すだけでなく、末梢血管を広げて血行を良くする作用も持っています(※1)。
冷えは女性の大敵。特に下半身を冷やしてしまうと、卵巣の機能が下がってホルモンバランスに影響が出てしまうので、ビタミンEのほかに根菜類も積極的に摂って、体をポカポカな状態に保ちましょう。
ホルモンバランスを食事で整えよう
前述のとおり、食べ物の作用でどのくらいホルモンバランスが整うのかについては、医学的に根拠がはっきりしていない部分もあります。しかし、今回ご紹介した食材は、間接的に効果をもたらしてくれる可能性があるので、献立を考えるときの参考にしてくださいね。
乱れたホルモンバランスを改善するためには、栄養バランスの取れた食事をとることはもちろん、適度な運動と十分な睡眠でストレスを上手に発散させることも大切です。まずは生活習慣を見直してみて、それでもなかなか生理不順などの症状が治らない、という人は婦人科で相談してみましょう。