赤ちゃんが離乳食を吐いてしまったときに、あげ方が悪かったのか、何か病気なのか、判断がつかずにあたふたしてしまうことがあるかと思います。それでは、離乳食期に赤ちゃんが嘔吐した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?今回は赤ちゃんの離乳食の嘔吐について、原因や病院へ行く目安、対処法などをご紹介します。
赤ちゃんが離乳食を吐く原因は?
赤ちゃんの胃は、フタがない「とっくり」のような形をしていて逆流しやすいため、吐くことが多くあります。さらに、胃からの逆流をおさえる機能もまだ発達していないため、離乳食をたくさん食べすぎると、吐いてしまうことがあります。
また、風邪や胃腸炎などの病気の症状として、赤ちゃんが吐いていることもあり、注意して対処する必要があります。
このように、離乳食を吐く原因は様々あるので、まずは落ち着いて原因を特定することが大切です。
赤ちゃんが離乳食を嘔吐したら病院へ行くべき?
赤ちゃんが離乳食を吐いたときに、発熱や下痢、咳などの症状が見られる場合は、病気により胃腸の機能が低下し、嘔吐している可能性があります。何度も嘔吐を繰り返す場合や、嘔吐した後にぐったりして元気がない、顔色が悪い、食欲がない場合も、医師に診てもらいましょう。
下痢を伴っている場合には、脱水症状に陥ることがあるので、水分をおおさじ1杯程度与えるなど早めに対処してあげてください。
離乳食を吐いた後に、顔色も良く、食欲もあって元気にしているようならば、しばらく様子を見ましょう。受診すべきかどうか分からないときは、小児救急電話相談「#8000」に電話して聞いてみるのも、一つの方法です。
赤ちゃんが離乳食を吐く場合の治療法は?
病院では、症状に応じて吐き気止めの薬が処方されます。また、脱水症状が予測される場合には、点滴を行います。赤ちゃんの衰弱の度合いや月齢によっては、入院して治療を行うことも。
嘔吐とともに皮膚の発疹が出現する場合は、アレルギーが考えられます。このときは、アレルゲン(アレルギーの原因になる物質)を調べるために血液検査が行われることがあります。アレルゲンが発見されれば、離乳食にそのアレルゲンを使用しないようにしていきます。
赤ちゃんが離乳食を吐く場合の対処法は?
赤ちゃんが離乳食を吐いた場合、以下のことに注意して対処してください。
体の向きを横向きにする
体が仰向けになっていると、嘔吐物が喉に詰まって窒息することがあるので、嘔吐したときは、赤ちゃんの体の向きを横向きにして寝かせましょう。可能であれば、左向きが推奨されます。
上体を起こす
嘔吐しているときに、上体を起こしてあげると、赤ちゃんが楽になることがあります。また、吐き気を和らげるために、衣類を緩めてあげることも大切です。
口をきれいに拭く
嘔吐物が口についていると、その独特の臭いで吐き気を催し、また吐いてしまう恐れがあります。赤ちゃんが吐いた後は、清潔なガーゼなどで口を拭き、服が汚れていたら、着替えさせてあげましょう。
そして、嘔吐物の処理が済んだら、石鹸でしっかり手を洗います。
少しずつ水分補給をする
吐き気が治まってきたら、脱水症状にならないように、少しずつ水分補給を行ってください。目安としては5~10ml程度の経口補水液を、5~10分ごとに、様子を見ながらスプーンを使って与えていきます(※1)。
みかんやグレープフルーツなどを使った柑橘系ジュースや、乳酸菌飲料は、吐き気を誘うことがあるので、嘔吐したときの水分補給には適しません(※2)。
赤ちゃんが離乳食を吐かないようにするには?
赤ちゃんは噛む力が弱いので、離乳食を丸飲みしてしまい、細い食道を通らずに食べ物が出てしまうことがあります。離乳食は月齢に合わせた大きさ・柔らかさにしましょう。
特に、野菜の角切りを初めて与えるときは、3~5ミリ程度に小さめにカットします。赤ちゃんが歯茎でつぶせるくらいに、柔らかくすることも大切です。
噛むことに慣れてきてからも、サイズを急激に大きくせず、少しずつ大きくしていくようにしましょう。大きめのものを与えるときは、にんじんや小さなおにぎりなど硬さがあるものではなく、じゃがいもやかぼちゃなど柔らかいものから試してください。
赤ちゃんが離乳食を吐くときは落ち着いて対処を
赤ちゃんが吐いてしまうと、「病気なのかな?」と心配になってしまうかもしれませんが、落ち着いて、赤ちゃんの状態を確認しましょう。ママやパパが慌てていると、赤ちゃんも不安になってしまいます。
特に初めての育児は分からないも多く、悩んでしまうことも多くありますが、その時の状態を冷静に観察して、平常心で対処できるといいですね。