生理中にニキビがひどい!原因と対策、予防法は?

監修医師 産婦人科医 城 伶史
城 伶史 日本産婦人科専門医。2008年東北大学医学部卒。初期臨床研修を終了後は、東北地方の中核病院で産婦人科専門研修を積み、専門医の取得後は大学病院で婦人科腫瘍部門での臨床試験に参加した経験もあります。現在は... 監修記事一覧へ

生理中、ひどいニキビに悩まされていませんか?実はニキビと生理には深い関係があります。どうして生理中にニキビができやすくなるのかを知ると、予防しやすくなりますよ。今回は生理中のニキビについて、原因や対策、予防法をご説明します。

ニキビはなぜできる?

ニキビは、皮脂によって毛穴の先が詰まり、毛穴のなかに皮脂がたまることから始まります。皮脂で毛穴が詰まると、ニキビの原因菌となる「アクネ菌」が増えやすくなるのです。

アクネ菌はどんな毛穴にも存在する菌ですが、数が増えると炎症を起こし、ニキビができる原因になります。さらに悪化すると、膿んでニキビ痕が残ってしまうので注意が必要です。

生理中にニキビができやすい原因は?

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生理中にニキビができやすくなるのは、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンが関係しています。

プロゲステロンは排卵後に卵巣から分泌され、子宮内膜の厚みを維持したり、体温を上げたりと、妊娠・出産に備えた体づくりをする働きがあります。

しかし、プロゲステロンは皮脂の分泌量を増やすうえに、アクネ菌の繁殖を抑制する「抗菌ペプチド」という物質を減少させる作用もあることがわかってきました(※1)。

つまり、皮脂詰まりとアクネ菌繁殖という、ニキビのできやすい環境を作り出してしまうのです。

プロゲステロンの影響は特に生理前に強く、ニキビに悩む女性は、生理前に症状の悪化がみられます(※2)。ニキビは一度できるとすぐに治るものでもないので、生理中まで影響を及ぼしてしまうのです。

生理中のニキビを予防!対策は?

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生理中のニキビは前述のとおり、「皮脂の分泌量増加」と「抗菌ペプチドの減少」の二つが大きな原因です。それぞれに対して下記のような対策を行えば、ある程度ニキビを予防することができますよ。

生活習慣を整える

ホルモンバランスが乱れてプロゲステロンの分泌量が増えてしまうと、生理中のニキビを悪化させてしまいます。日頃からホルモンバランスを整える、規則正しい生活を意識しましょう。

特に、肌は就寝中に新陳代謝を繰り返すので、睡眠はたっぷりとってください。なかなか眠れない人も、少し早めに明かりを消してベッドに入り、リラックスしてみてくださいね。

洗顔方法を見直す

ニキビができると、治したい一心で肌をゴシゴシ洗ってしまう人もいるかもしれませんが、洗顔は優しく行うのが基本です。力を入れてこすると、肌を傷つけてしまううえに、皮脂が取られすぎて、皮脂の分泌がさらに促されてしまいます。

洗顔は、洗顔料をしっかりと泡立て、その泡で優しくなでるようにして行いましょう。すすぎ残しがあるのもよくないので、人肌ほどの温度のお湯で、丁寧に洗い流すのもポイントです。

保湿を心がける

皮脂が多すぎるのがニキビの原因といいましたが、少なすぎるのも問題です。乾燥による肌へのダメージを防ごうと、皮脂の分泌量がさらに増えてしまいます。

そこで、皮脂が過剰に分泌されないようにするためにも、しっかりと保湿をすることが大切です。洗顔後はもちろん、乾燥が気になるときはこまめに保湿を行ってください。

食生活を見直す

皮脂の分泌量を増やしてしまうような食事は改めましょう。脂肪分や糖分の多い食事は、適度にしておきたいですね。

ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEは、肌を守る作用があるので、これらの栄養素を取り入れながら、バランスのとれた食事を摂ることが大切です。

抗菌ペプチドを増やす

近年の研究で、紫根という生薬に含まれる成分である「シコニン」に、プロゲステロンによる抗菌ペプチドの減少を防ぐ作用があることがわかってきました(※1)。

抗菌ペプチドを増やせば、生理中のアクネ菌の繁殖を抑えることができます。生理中のニキビが気になる人は、紫根を配合したスキンケア用品や化粧水などを活用するといいかもしれません。

生理中のニキビに市販薬は使える?

どんなに対策をしても、ニキビができてしまうことはあります。そんなときは、ニキビを悪化させずに早く治療するために、市販のニキビ薬を利用してみるのも一つの手です。

ニキビ薬はアクネ菌を殺菌して、肌を保湿する作用があるので、寝る前に塗っておくと肌の新陳代謝とあわせて治りが早くなるといわれています。

ただし、市販薬は肌に合わない場合もあるので、違和感があればすぐに皮膚科を受診しましょう。市販薬を使うのに抵抗がある人は、皮膚科を受診して薬を処方してもらうと安心です。

生理中のニキビがひどいときは病院へ

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「生理中だから」とわかっていても、ニキビができてしまうとどうしても気分が沈みます。できるだけニキビができないように、今回ご紹介した方法を取り入れて、予防を行ってみてくださいね。

また、ニキビができたときは触らないことが大切です。ニキビを隠すため化粧を厚くしたり、前髪を垂らしたりするのも逆効果です。気になるときは皮膚科を受診し、適切な処置を受けるようにしてくださいね。

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