【赤ちゃんのうんち】色や形で体調がわかる?母乳だと色が違うの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんは消化器官が未発達なので、飲んだものや食べたものがうんちの色や形に影響することがよくあります。母乳やミルクでもうんちの色に違いが多少みられ、ママ同士で赤ちゃんの話をしているときに、うんちの色が違うことを知って疑問に思うママもいるでしょう。今回は、赤ちゃんのうんちの色や形は母乳とミルクでどう違うのか、白いつぶつぶなどの混入物があるのは問題ないのかなどをご紹介します。

赤ちゃんのうんちの基本的な色と回数は?新生児期は?

赤ちゃん おしり おむつ

赤ちゃんは消化器官が発達途中なので、基本的なうんちの状態が大人とは異なります。

新生児期の赤ちゃんは、基本の色は黄色で、腸内に溜まっている時間が長いと緑、黒っぽい色になることがあります。赤ちゃんのなかには、酸っぱいにおいの水っぽいうんちを1日10回以上する子もいますよ。

生後3~4ヶ月頃の赤ちゃんは、茶色に近い黄色のうんちを1日4回ほどするのが一般的です。ときには、ネバネバした腸の粘膜が混ざることもあります。

生後6ヶ月を過ぎる頃には、赤ちゃんのうんちは茶色っぽくなり、1日3回から少しずつ回数が減って、形も安定してくるとされています(※1,2)。

離乳食がはじまると、食べたものの色が直接影響するため、必ずしも上記のような色にはなりません。

例えば、ニンジンを食べて赤っぽくなったり、ホウレンソウを食べて緑色っぽくなったすることがあります。離乳食の変化により腸内細菌のバランスが変わり、そのせいでうんちの色が変化することもあります。

また、離乳食の消化に慣れるまで、赤ちゃんのうんちは緩くなったり硬くなったりしますが、徐々に大人のような色や回数、においに変化していきます。

生まれたばかりの赤ちゃんのうんちは変化が激しいので、月齢に合った基本的な状態を認識しておくことが大切です。

赤ちゃんのうんちの色は母乳とミルクで違うの?

ママ 悩む 考える 日本人

赤ちゃんの場合、母乳かミルクかでうんちの色や状態が異なります。基本は黄色ですが、母乳の場合はオレンジと黄色の中間のような色、ミルクの場合は淡い黄色になるのが特徴です(※2)。

近年はミルクの成分が母乳に近くなり、赤ちゃんのうんちの違いはほとんどみられなくなりました。しかしそれでも、消化が落ち着く生後3~4ヶ月頃までは多少の違いがみられることがあります。

なお、母乳やミルクが腸に留まる時間によって、どちらも緑色になることがあります。特に便の排泄間隔が長く、母乳に含まれる成分が乳酸菌の生成を促すと腸内が酸性になるので、緑色になることが多いともいわれています。

赤ちゃんのうんちは母乳とミルクで回数・におい・固さがどう違う?

オリジナル 赤ちゃん 哺乳瓶 ミルク

母乳やミルクによって、赤ちゃんのうんちの色が多少変化することは先にもご紹介しましたが、回数やにおい、固さも影響してきます。

以下で母乳とミルクのときのうんちの色を含め、それぞれの違いを紹介するので、参考にしてみてくださいね。

母乳のときの赤ちゃんのうんちの状態

・ 色はオレンジに近い黄色
・ 母乳に含まれる乳糖が腸の中で乳酸の生成を促すため、酸っぱいにおいになることがある
・ ゆるめの液状やペースト状であることが多い
・ ミルクに比べると消化が早く、回数は多め

ミルクのときの赤ちゃんのうんちの状態

・ 色は淡い黄色
・ においは、母乳に比べて少し臭いことがある
・ 腸内に滞留する時間が長く、固めで粘り気が多いことがある
・ 消化に時間がかかる傾向があり、回数は少なめ

赤ちゃんのうんちにつぶつぶがあるのは病気?

赤ちゃん お腹 手 触診

赤ちゃんのうんちに白いつぶつぶが混じっていることもあります。これは、消化しきれなかった母乳やミルクの脂肪分やカルシウムなので、心配する必要はありません。うまく消化できるようになると、徐々になくなっていきますよ(※3)。

赤ちゃんの消化機能が成長するまでは、うんちに様々な変化があります。特に代表的なのが赤ちゃんの便秘です。

母乳の場合、飲む量が安定するまでは母乳不足になりやすく、知らない間に水分が不足してうんちが出ず、便秘になってしまうこともあります。また、ミルクの場合は、母乳に比べて乳糖が少なく、乳糖をエサとする腸内のビフィズス菌が活性化しにくいので、消化が遅く便秘になりやすいとされています。

赤ちゃんのうんちは個人差が大きく、生後1~2ヶ月では3〜4日に1回ということもあります。1週間以上出ないときは便秘の可能性が高いので、苦しそうであれば、普段からお腹マッサージや綿棒浣腸でケアし、哺乳低下や嘔吐があれば小児科を受診してください。

赤ちゃんのうんちの色はおむつ替えのたびにチェックしよう

母乳かミルクのどちらかに限らず、混合の場合もありますよね。混合であれば、赤ちゃんのうんちは母乳とミルクの中間になり、母乳とミルクのどちらの割合が多いかによって、さらに違いが出てきます。

赤ちゃんのうんちは健康のバロメーターです。うんちの色によっては病気が潜んでいる可能性もあるので、おむつ替えのたびにチェックする習慣をつけておくと良いですね。個人差もあるので、自分の赤ちゃんが普段どんなうんちをしているのか把握しておくことが大切ですよ。

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