育児をはじめたばかりだと、赤ちゃんが泣いている理由をすぐに察するのは難しいですよね。育児に慣れたママでさえ、赤ちゃんが泣く理由がわからないことがあります。それでも、赤ちゃんと一緒に過ごしていくなかで、赤ちゃんの欲求や不満に対して、泣き声や泣き方にある程度違いがあることが分かってきます。今回は、赤ちゃんの泣き声の種類や、聞き分け方についてご紹介します。
赤ちゃんはどんなときに泣くの?
生まれてしばらくの間は、赤ちゃんは「泣くのが仕事」といわれているほど頻繁に泣いています。厚生労働省によると、赤ちゃんが頻繁に泣くのは生後1~2ヶ月頃がピークで、この時期は何をしても泣き止まず、1日に5時間以上泣き続けることもあるといわれています(※1)。
赤ちゃんは泣くことによって、何らかの意志をママやパパに伝えています。明確な欲求もなく泣いているときもありますが、ほとんどの場合が以下のような理由で泣いていると考えられます。
普段赤ちゃんが泣く主な理由
● おむつが汚れて気持ち悪い
● お腹が空いている
● ゲップがでなくて苦しい
● 抱っこしてほしい
● 眠たい、眠たいのに寝られない
● 体のどこかが痛い
● 寝ぼけている
● 不安
● 暑い、寒い
● びっくりした
赤ちゃんの泣き声や泣き方に違いはある?
赤ちゃんの泣き声や泣き方には実は違いがあり、前述でご紹介した「赤ちゃんが泣く主な理由」に合わせて、いくつか泣き方にバリエーションをつけていると考えられます。赤ちゃんのお世話に少し慣れてきた生後1~2ヶ月くらいになると、ママも赤ちゃんの泣き方の違いが少しずつわかるようになってきますよ。
しかし、あまり違いがみられない子もいたり、明確な理由がなく泣いていたりすることもあるので、泣いている理由がわからなくても心配する必要はありません。
理由がわからないときは、目に見えない体の不調を訴えていることもあります。その後の様子もしっかりチェックしておきましょう。
赤ちゃんの泣き声の種類は?聞き分け方は?
赤ちゃんの泣き声や泣き方に違いがあるとはいえ、どんなときにどんな泣き方をするのかわからなければ、欲求を満たしてあげることができませんよね。
オーストラリアの研究者プリシラ・ダンスタン氏が提唱している法則で「ダンスタン・ボディ・ランゲージ(DBL)」と呼ばれるものがあります。
これは、「赤ちゃんの泣き声は種類で分けることができる」というもので、赤ちゃんが泣いているときの声を音として記憶し、そのときの赤ちゃんの状況を元に導き出しているそうです(※2)。
ここではその法則をもとに、赤ちゃんの泣き声の種類とその理由を紹介します。あくまでも一例なので、参考程度にしてくださいね。
「ねぇ~」=空腹
母乳やミルクを欲しがっているときに、この泣き方をして訴えることが多いようです。おっぱいや哺乳瓶の乳首を吸うときの口や舌の位置から、このような音(泣き声)が出るといわれています。
生後しばらくは、赤ちゃんは母乳やミルクしか飲まないので消化が早く、すぐにお腹がすいて頻繁に泣くことがあります。哺乳瓶やママの乳首を口に近づけて、吸い寄せられるようであれば空腹が原因で泣いていると考えられます。
「へぇ~」=不快感
体のどこかに不快感があると、この泣き方をするとされます。新生児期は尿も便も回数が多いため、おむつの汚れが原因でよく泣きます。
また、服を着せ過ぎていたり、室内が暑すぎたりしても泣きますし、反対に寒くて泣くこともあります。
「おぉ~」「あぉ~」=眠い
赤ちゃんは眠りたくても自然に寝つくことができず、泣いてしまうことがあります。泣き声とともに顔を見ると、すでに目が半分閉じていたり、体温が少し上がっていたりすることも多いため、比較的わかりやすいですね。
赤ちゃんが寝つけないときは、抱っこなどで寝かしつけてあげましょう。ママの体温を感じたり、抱っこでユラユラと心地よい揺れを感じさせたりすると、お腹の中にいたときを思い出して、安心して寝つきやすくなります。
「えぁ~」=おなかが張っている、「えっ」=げっぷしたい
うんちがなかなか出なかったり、母乳やミルクの後にげっぷが出なかったりすると、少し苦しそうに、うなり声のような泣き方をすることがあります。
特にげっぷは大人のように自力で出すことができないので、背中をさすったり、トントンしてあげたりしましょう。
お腹が張っていればうんちやおならが出なくて苦しいのかもしれません。お腹マッサージでケアしてあげるのがおすすめですよ。
赤ちゃんの泣き声の原因が分からないときはどうする?
赤ちゃんが泣くときは、全てに明確な理由があるとは限りません。服の枚数や室温を変えてみたり、おむつを交換したり、授乳したりと、心当たりがあるもの全てを試しても泣き止まないときは、思い切って割り切ることも大切ですよ。
赤ちゃんが夕暮れ時に泣く「黄昏泣き」や、生後3ヶ月頃からみられる「夜泣き」は、実は詳しいメカニズムが解明されていません。激しく泣く子もいれば、ママやパパが気づかない程度にしか泣かない子もいて、個人差が大きいものです。
生活リズムを整えることで少しずつ減っていくともいわれていますが、すぐには難しいもの。家事をこなそうとしてもなかなか進まず、イライラしてしまうこともあると思いますが、家族にも協力してもらい、この時期は赤ちゃんとしっかり向き合ってあげましょう。
赤ちゃんが泣くときは赤ちゃんの欲求を満たしてあげよう
泣き声の大きさにも個人差があり、電車やバスに乗っているときに大声で泣かれてしまうと、ママは焦ってしまいますよね。無理やり泣かせないようにしようとしても逆効果なので、まずは泣き方から理由を探って、赤ちゃんの欲求を満たしてあげましょう。
しかし、泣く理由に合わせた対応をすることが全てではありません。赤ちゃんの泣く理由がわからなくても、放っておかず赤ちゃんの気持ちに寄り添うことが大切です。
「赤ちゃんが泣いたらあやす」を繰り返すなかで、自分が泣いているときはママが対処してくれるという、信頼感が赤ちゃんの中で育っていきます。ママも少しずつ時間をかけて経験としてわかっていくので、焦る必要はありませんよ。