肌が弱く過敏な赤ちゃんにとって「おむつかぶれ」はつきもの。デリケートな部分なので、赤ちゃんの精神的なストレスになるだけでなく、痛くて寝られないなんてこともありますよね。そんなおむつかぶれの予防や症状の緩和に「ワセリン」が使われることが多いのですが、一体どんな効果があるのでしょうか。今回は、おむつかぶれに効果的といわれているワセリンについて、塗り方や使うときの注意点、悪化するケースなどをまとめました。
そもそも、おむつかぶれになる原因は?
おむつかぶれとは、おむつの中で蒸れて柔らかくなった肌に、うんちやおしっこに含まれるアンモニアや酵素が触れることで刺激になり、炎症が起きてしまった状態です(※1)。肌がもともと弱く、おむつの素材が合わないのも原因として考えられます。
おむつかぶれは皮膚炎のひとつで、肛門周りが赤くなったり、太ももやお腹を含めおむつが触れる部分の一帯が赤く腫れてしまうことも。
長時間おむつを替えなかったり、下痢でうんちがゆるく水っぽい状態のものが肌に触れ続けたりすることで引き起こされます。特に新生児期は、肌が薄く弱いだけでなく、1日に10回以上うんちやおしっこをすることもあり、それが刺激になり、おむつかぶれを起しやすい時期です。
おむつかぶれにワセリンは効くの?
そもそもワセリンは、本来の自然治癒能力を助けながら、摩擦や刺激から肌を保護してくれる働きをしてくれます。アレルギー反応を引き起こす可能性も低いので、肌が薄く弱い赤ちゃんのおむつかぶれにはおすすめです。
ワセリンで皮膚の表面に油膜を張ることで、おむつや排泄物による接触を防ぐだけでなく、かぶれによって損なわれたバリア機能の代わりのような役割をしてくれることから、悪化をくいとめてくれる効果が期待できます。
赤ちゃんの全身に使えるだけでなく、大人の擦り傷や手荒れにも使うことができます。ドラッグストアなどで手軽に手に入るので、1つ持っていると便利ですよ。
おむつかぶれにワセリンを使うときの塗り方やおすすめの商品は?
おむつかぶれでワセリンを使うときは、まず赤く腫れている部分を清潔な状態にすることが重要です。塗る前に、赤くなっている部分をぬるめのシャワーで優しく洗い、タオルやガーゼを軽く押し当てて水分をとってあげましょう。ゴシゴシこすらないように注意してくださいね。
おしりが乾いたら、かぶれている部分や、かぶれそうな部分にワセリンを薄く塗ってからおむつをつければ完了です。
ワセリンにはいろいろな種類がありますが、できるだけ不純物が少ない純度の高いものを選びましょう。「白色ワセリン」や、赤ちゃん用と明記されている、以下の商品がおすすめですよ。
ベビーワセリン
赤ちゃん用に作られた、無添加、低刺激の100%ワセリン。チューブタイプで使いやすく、携帯しやすいのも嬉しいポイント。顔周りにも使うことができますよ。
- 税込価格
- 411円
白色ワセリン
出典: general.kenei-pharm.com手足のひびやあかぎれといった、乾燥からくる肌トラブルにもおすすめ。唇の保護にも使えます。気になる部分に薄く塗ってあげましょう。
- 税込価格
- 318円
おむつかぶれにワセリンを使うときの注意点は?
ワセリンが赤ちゃんに使いやすいとはいえ、全ての人に合うとは限りません。赤ちゃんの肌質やかぶれている状態によっては、悪化してしまうことも。ワセリンを塗ってもすぐに良くなるわけではありませんが、悪化してしまうようなことがあれば、使用を中断し医療機関に相談しましょう。
かぶれた部分に出血やただれがある場合は、異なる種類の皮膚炎も考えられます。たとえば、湿気が高いおむつの中はカビが発生しやすいため、カンジダ性皮膚炎を併発することも。この場合には陰部の周りを囲むような発疹がいくつかみられます。
おむつが直接当たらない皮膚のシワ・くびれの中まで赤くただれていたり、肌に白い点々が現れたりする場合は、カンジダ性皮膚炎の可能性もあります。カンジダ皮膚炎の場合はワセリンでは治らないので、かかりつけの小児科か皮膚科で相談しましょう。
おむつかぶれにワセリンを使う前に、肌のチェックを習慣化しよう
赤ちゃんのおむつかぶれは、ママが知らない間に悪化していることもあります。特に肛門周りは、よく見ていないと気づかないこともあるので、おむつ替えのときは肌のチェックをする時間と思って、異変がないか確認してあげましょう。
赤ちゃんのおしりをきれいにしようとして、おしりふきでこすりすぎると、それが原因でおむつかぶれが起きる場合もあります。おむつかぶれが現れたときは、お湯を霧吹きボトルに入れておしりにかけ、うんちの汚れをとりやすい状態にしてから、おしりふきですくいとってあげるのもひとつの方法です。
また、おむつかぶれや悪化を防ぐためには、おむつの種類を変えてみたり、布おむつにしてみたり、おむつをつける前におしりを空気に当てて乾燥させるなど、工夫してあげてくださいね。