赤ちゃんが寝返りで戻れない!泣く、起きるときの対策は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんが寝返りできるようになると嬉しいもの。でも赤ちゃんが寝返りをしたまま泣いたり、お昼寝中や夜中に無意識に寝返りをして起きてしまったりして、目が離せずに困ってしまうママやパパは多いのではないでしょうか。今回は、赤ちゃんが寝返りをしてうつ伏せで泣く・起きる・戻れないときの対策や、寝返りを始めたときの注意点などをご紹介します。

赤ちゃんが寝返りで戻れなくて泣くのはなぜ?

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寝返りができるようになったばかりの赤ちゃんは、うつ伏せの姿勢に慣れず、違和感があるために泣いてしまうことがあります。

ママに対して「姿勢を変えて欲しい」「元の向きに戻してほしい」と、訴えているので、仰向けの状態に戻してあげたり、姿勢を起こして抱っこしてあげたりしましょう。

寝返りが始まるのは、だいたい生後5~6ヶ月頃。生後3ヶ月くらいでする子もいれば、生後9ヶ月くらいで初めてする子もいるなど、個人差があります。

最初のうちは、同じ方向にしか寝返りができないので、違う方を向きたくても、寝返りをやり直せずにイライラして泣くことも。

寝返りを始めたころはなるべく赤ちゃんから目を離さずに、動きを見守りながら、必要なときに手を伸ばしてあげるようにしましょう。

寝返りで起きるときの対策は?

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赤ちゃんがせっかく寝ついたと思っても、無意識のうちに寝返りをして起きてしまうことも珍しくありません。

睡眠中は、大人も赤ちゃんも、深い眠りから浅い眠りに切り替わるときに寝返りを打ちやすく、突然目が覚めてしまうことで機嫌が悪くなり、泣き出してしまうことがあります。

赤ちゃんが寝返りをして泣いたり、起きたりするときは、以下の方法を参考に対策してみてください。

ママが仰向けに戻してあげる

日中の起きているときに寝返りをして、元に戻れないまま不機嫌になっている場合は、ママがゆっくり仰向けの体勢に戻してあげましょう。

寝返り自体は悪いことではなく、体の成長に必要なことです。周囲を見渡したり、ママの顔を見て笑っていたり、楽しく遊んでいるようであれば、すぐに姿勢を戻さず様子をみてあげてくださいね。このとき、顔色や呼吸の回数など、特に呼吸状態に注意をしてください。

寝返り防止クッションを活用する

睡眠中の寝返りで頻繁に起きてしまったり、夜中でママやパパがずっと見守っているのが難しい状態であれば、寝返り防止クッションを活用しましょう。

床と背中の隙間に差し込むような三角形のクッションや、2つのクッションの間に赤ちゃんの体を固定するものなどがあります。

うつ伏せの体勢に慣れる練習をする

日中起きている間に、うつ伏せの状態に慣れる練習をしておくのもおすすめ。うつ伏せ寝の姿勢に違和感があるので、その体勢に慣れると少しずつ減っていくといわれています。

ただし、姿勢に慣れたとしても長時間うつ伏せで寝かせておくと、乳幼児突然死症候群(SIDS)に繋がる恐れもあります(※1)。そのままの状態にせず、起きないようにゆっくりと仰向けに戻してあげましょう。

赤ちゃんが寝返りでうつ伏せになって泣くときは?

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赤ちゃんが寝返りをして、うつ伏せのまま苦しそうにもがいているときは、はじめはママやパパが姿勢を戻すサポートをしてあげましょう。赤ちゃんの両足首を軽く握って足を交差させてあげて、くるんと回転する感覚を身につけさせてあげると良いですね。

寝返りを始めた頃は、上半身と下半身を自在に操作することができず、左右のどちらかしかできないなど偏りがあります。

赤ちゃんは下半身を回転させる反動を利用して上半身を起こしていますが、うつ伏せをすると下半身が固定されてしまうため、コツを掴むまでは上半身を上手に倒すことができず、身動きが取れなくなってしまうのです。

ママやパパが何度かサポートするうちに、赤ちゃんも少しずつ体の感覚やコツをつかんでいきます。自由に寝返りを打ったり戻ったりできるようになるまで、日中に一緒に遊んであげる感覚で練習してあげてくださいね。

赤ちゃんが寝返りで戻れないときの対策は?

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赤ちゃんが寝返りを始めた最初の頃は、なかなか戻れないので、安全対策が必要です。特に顔周りに危険なものがないかチェックしましょう。大人用の柔らかい布団は避け、赤ちゃん用の布団を使用することが大切です。

顔の付近にクッションや大人の柔らかい布団があると、うつ伏せのまま元に戻れず、顔が埋まって息ができなくなってしまう恐れもあるからです。

また、授乳やミルク後はなるべく縦抱きや斜めに寝かせて、寝返りをしないよう見ていてあげましょう。ミルクや母乳を与えたばかりだと、吐き戻すこともあり、吐いたモノがのどに詰まって窒息にいたる可能性も。

さらに、ベッドにスペースがないと、寝返りをした際に落下してしまう恐れがあるので、注意してくださいね。

赤ちゃんが寝返りから戻れずに泣く・起きるときはこまめに様子をみよう

寝返りを始めると、起きているときも寝ているときも、長時間目を離すことができず、お世話が大変になります。しかし、寝返りから元の姿勢にもどる「寝返り返り」ができるようになるまでは、1ヶ月程度の短い期間です。赤ちゃんの安全のために、こまめに様子をみてあげましょう。

寝返り返りができるようになっても、その都度様子をみることは大切ですが、寝返りがきっかけで起こるトラブルは、ぐっと減っていきます。それまでの間、上手にサポートしながら、成長を促してあげてくださいね。

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