赤ちゃんが寝返りをするようになると成長を感じますよね。一方で、泣くことが増えて悩んでいるママ・パパもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、赤ちゃんが寝返りをして戻れずに泣く・起きる理由や、そもそも寝返りは危険なのか、寝返りから戻れないときの注意点や対策をご紹介します。
赤ちゃんが寝返りで戻れなくて泣く・起きるのはなぜ?
寝返りができるようになったばかりの赤ちゃんは、仰向けからうつ伏せになることはできても、うつ伏せから仰向けに戻ることはできません。
赤ちゃんはうつ伏せの姿勢に慣れていないため、仰向けに戻れないと違和感や不安感を覚えて泣いてしまうことがあります。
また、寝ている間に無意識に寝返りをして、びっくりして起きてしまうことも珍しくありません。睡眠が中断されることで不機嫌になり泣いてしまう赤ちゃんもいます。
そもそも寝返りは危険なの?
赤ちゃんは寝返りをしてうつ伏せから戻れなくても、必ずしも泣いたり起きたりするわけではなく、ときには、うつ伏せの状態で周囲を見回したり動きを楽しんだりすることもあります。
しかし、うつ伏せから仰向けになる「寝返り返り」ができるようになるまでは、以下のようなおそれがあるため、慎重に見守る必要があります。
乳幼児突然死症候群(SIDS)
特に注意したいのは、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」です。SIDSは原因がはっきりとしていない病気ですが、仰向けよりもうつ伏せに寝かせたときのほうが発生率が高いとされています(※1)。
そのため、仰向けで寝ていた赤ちゃんが寝返りをしてうつ伏せになると、呼吸停止などのリスクがあるためSIDSが起こる可能性が高くなると考えられます。
窒息
寝返り自体は窒息の原因にはなりませんが、寝返りしたあとに赤ちゃんの顔の近くに枕やクッションなどやわらかいものがあると、顔が埋まって鼻や口がふさがれて窒息する可能性があります。
やわらかいタイプの敷布団やマットレスにも注意が必要です。
赤ちゃんが寝返りで戻れないときの注意点は?
赤ちゃんが寝返り返りができるようになるまでは、事故を防ぐために以下の注意点を心がけることが大切です。
仰向けに寝かせる
SIDSの発症率を下げるために、必ず仰向けに寝かせましょう。
アメリカの小児科学会によると、寝ている間に寝返りをした場合、仰向けからうつ伏せ、うつ伏せから仰向けのどちらの寝返りもできるようになっていたら仰向けに戻す必要はないといわれています(※1)。
しかし、両方の寝返りができるようになっても、気づいたときに様子を見守りやすい仰向けに戻してあげるようにすると安心です。
赤ちゃんの顔の近くに、ものを置かない
赤ちゃんの顔のまわりにものを置かないようにしましょう。
寝返りをしてうつ伏せから戻れないときに、顔の近くにタオルや枕、クッション、ぬいぐるみ、やわらかい布団などがあると、顔が埋まって息ができなくなってしまうおそれがあります。
寝返り防止クッションは使わない
赤ちゃんの寝返りを防止するためのクッションや枕、マットなどが販売されていますが、使用するのはおすすめできません。
海外では、顔が埋もれて窒息の原因となるおそれがあるため販売が禁止されているところもあります。
寝返り防止グッズの代用品として自宅にあるクッションやバスタオルを丸めたものなどを使うのも危険なのでやめましょう。
赤ちゃんが寝返りでうつ伏せになって泣く・起きるときの対策は?
赤ちゃんが寝返りをして、うつ伏せの状態になって泣いたり起きたりしたときは、姿勢を戻すサポートをしてあげましょう。
赤ちゃんの両足首を軽く握って足を交差させて仰向けに戻してあげると、くるんと回転する感覚が身について、寝返り返りの練習にもなるのでおすすめです。
赤ちゃんは仰向けからうつ伏せに寝返りをするときに、下半身を回転させる反動を利用して上半身を起こしますが、うつ伏せの状態になると下半身が固定されてしまうため上半身を上手に動かすことができず、身動きが取れなくなってしまうことが多いです。
何度かサポートするうちに、赤ちゃんは少しずつ寝返り返りの感覚やコツをつかんでいきます。自由に寝返りを打ったり戻ったりできるようになるまで、一緒に遊ぶ感覚で練習してみてくださいね。
寝返りから戻れずに泣く・起きるときは、しっかり見守ろう
寝返りを始めてしばらくは、「赤ちゃんに何か起きたら…」と不安や大変さを感じることも多いかもしれません。しかし、寝返り返りができるようになるまでは意外とあっという間です。
寝返り返りができるようになってもしっかり見守る必要はありますが、寝返りがきっかけでトラブルが起こる危険性は減っていきます。赤ちゃんの寝返りを上手にサポートしながら、成長を促してあげられるといいですね。