体外受精・顕微授精の性別は女の子より男の子が多い?産み分け可能?

「体外受精や顕微授精で、男の子と女の子を産み分けできる」と、聞いたことはありませんか?現在では、赤ちゃんの性別が決まるメカニズムがわかっており、医療技術も発達してきているため、男女の産み分けはある程度可能といえます。しかし、体外受精や顕微授精で簡単に産み分けできるかというと、そうではありません。

今回は、体外受精や顕微授精で性別を産み分けることができるのか、どちらの性別が生まれる確率が高いのかについてご説明します。

体外受精や顕微授精だと、女の子と男の子どちらが多い?

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現在のところ、国内の体外受精・顕微授精によって生まれた子供の男女比について、有意なデータは見当たりません。2014年にイギリスのノッティンガム大学の教授たちが発表した論文では、下記の研究結果が報告されています(※1)。

● 顕微授精、体外受精ともに、「初期胚」よりも「胚盤胞」段階での胚移植の方が、男の子が生まれる割合が6%多い。
● 子宮腔内授精、体外受精、顕微授精の3つの生殖補助医療タイプのうち、顕微授精のとき男の子が生まれる割合が最も低い。

ただし、上記は統計的なデータであり、医学的な因果関係が証明されているわけではないため、今後の研究結果が待たれます。

なお、日本国内における産婦人科での産み分け法として、「パーコール法」があります。これは、男性の精液をパーコール液という特殊な液体に入れ、精子のX・Y染色体の重さの違いを利用して分離し、X染色体をもつ精子を選別して卵子に受精させる方法です。これによって、女の子が生まれる確率が高まります。

ただ、日本産科婦人科学会は、遺伝性疾患の遺伝を避けるなど、医薬品としての目的のみに利用を認めているため(※2)、産み分けに対応していない病院もあります。

体外受精や顕微授精で性別の産み分けができる?

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技術上は、100%とは言えないまでも、体外受精や顕微授精によって男女の産み分けができます。たとえばアメリカでは、「ファミリー・バランシング」(家族の中で男女の人数のバランスを取ること)を目的に、「着床前診断」を利用した産み分けを希望するカップルが多いとされています。

「着床前診断」は、体外受精や顕微授精において受精卵の段階で実施する検査のことです。多くは染色体や遺伝子に異常がないかどうかを調べるために行いますが、技術的には、男の子になる受精卵と女の子になる受精卵の選別も可能です。

男の子の場合は「XY染色体」、女の子なら「XX染色体」と、それぞれの性別になる受精卵が持つ染色体の組み合わせが異なります(※3)。この違いを着床前診断で特定して子宮に移植すれば、かなり高い確率で産み分けできるというわけです。

ただし、治療とは直接関係のない性別選択については賛否両論あり、認めている範囲も国によって異なります。日本産科婦人科学会は、着床前診断の本来の目的はスクリーニング(産み分け)ではなく、目的以外での解析や開示はしないとしており、国内で体外受精や顕微授精を行う際に、着床前診断を利用して性別の産み分けをすることは原則として禁止されています(※4,5)。

体外受精や顕微授精で性別を産み分けるデメリットは?

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先ほどお伝えした理由で、日本国内では、体外受精や顕微授精による産み分けは認められていません。そのため、「どうしても性別を産み分けたい」と考える人のなかには、着床前診断による性別の選別ができる国へ渡航するケースもあります。また、受精卵を冷凍保存して細胞の一部を海外に送り、着床前診断を行って性別を特定するという民間サービスもあります。

しかし、それらの方法による産み分けには、次に挙げるようにデメリットもあることを覚えておく必要があります。

妊娠の可能性が下がる

体外受精や顕微授精は、一般的にタイミング法や人工授精で妊娠できなかった場合に、不妊治療の次のステップとして行われるものです。そのため、妊娠しにくい状態で治療を受けるのに、受精卵の選別を行うと、妊娠に必要な受精卵がなかなか得られない可能性があります。

費用がかかる

体外受精や顕微授精は保険適用外のために、1回の治療で30〜50万円の費用がかかります。100%妊娠できるとは言い切れない上に、産み分けを目的に海外の民間サービスなどを利用するのであれば、さらに費用がかかってしまいます。

体外受精や顕微授精以外で性別を産み分けるには?

妊娠後期 妊婦 性別 男 女

必ず産み分けに成功するとは言えませんが、医療技術に頼らない産み分け方法もあります。不妊原因によっては利用できない方法も多いですが、代表的なものをいくつかご紹介します。

産み分けゼリー

「産み分けゼリー」とは、性交を行う際に使用して性別を産み分けやすくする潤滑ゼリーのことです。男の子用と女の子用の産み分けゼリーを使い分けることで、希望する性別の赤ちゃんを授かる確率が高まるとされています。

中国式産み分け

約700年前に作られたもので、中国の王宮での男女の出生記録を統計的にまとめたカレンダー表があります。このカレンダーをもとに性別を産み分ける方法で、世界中で利用されています。

ただし、医学的に証明されているものではないので、「もしかしたら…」くらいの楽しむ気持ちで取り組んでみてくださいね。

排卵日と性交の方法を考慮

ほかにも、「排卵日近くに性交を行うと男の子」「あっさりと性交すると女の子」のように、様々な産み分け方法があります。産み分けに成功する確率はまちまちですが、下の関連記事を参考にしてみてください。

体外受精や顕微授精での性別の産み分けは、慎重に

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現在のところ、日本国内では性別の産み分けを目的に体外受精や顕微授精を行うことは公に認められていません。海外のサービスなどを利用して男女の産み分けをする道もありますが、デメリットがあることも覚えておきましょう。

また、ここでご紹介した産み分け方法を実践したとしても、希望する性別の子供が必ず生まれるわけではありません。性別の結果がどうあれ、生まれてくる赤ちゃんを温かく迎えてあげてくださいね。

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