採精室とはどんなところ?精子を採取する方法や設備は?

監修医師 泌尿器科 小堀 善友
小堀 善友 2001年金沢大学医学部卒業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。日本性機能学会専門医。日本性科学会セックスセラピスト。日本性感染症学会認定医。米国イリノイ大学にてスマートフォン精液検査を研究し、現在商品... 監修記事一覧へ

不妊治療の過程で、男性の精液検査が必要になることがあります。精液の採取は自宅でもできますが、最近では病院内に「採精室」を設け、そのなかで行うことも増えてきました。しかし突然、医師や看護師から「採精室で精液を採ってきてください」と言われても、どんなところなの?どうすればいいの?と、初めて精液検査を行う男性は戸惑いますよね。そこで今回は、採精室について男性が気になるポイントをご説明します。

精液検査とは?採精室で行う必要があるの?

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不妊治療の一環として、精子の状態をみるために必要なのが精液検査です。精液検査に用いる精液は、状態の良いものでなければならず、そのためにいくつかの条件があります。なかでも重要なのは次の2点です。

● 体調がよいときに採取したものであること
● 採取した直後の新鮮な精液であること

精液検査は、採取後20~30分ほど放置したあとの、新鮮な精液を使用することが大切です(※1)。自宅で採取しても、2時間以内に検査できれば病院で採取した場合とほぼ同等の結果が得られることが多いといわれていますが、正確性を担保するためには、やはり病院で採取したほうがよいでしょう(※2)。

そのため最近の病院には、男性がリラックスした状態で精液を採取できるための個室として、「採精室」が設けられていることが多くあります。病院によって呼び名は様々で、「メンズルーム」「リフレッシュルーム」などと呼ばれることもあります。

採精室とは?どんなところ?

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採精室というと、病院の検査室のような場所を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、実際にはネットカフェや漫画喫茶の個人ブースのような小部屋であることが多いようです。広さも病院によってそれぞれですが、2~4畳ほどが一般的です。

また病院によって違いはありますが、例えば次のような設備が整っています。

● 一人がけソファー
● DVDプレイヤー
● タブレット
● ティッシュ
● アダルト雑誌
● アダルトビデオ
● 洗面所
● トイレ

また、採精室はフロアの端の方に設けられていることが多く、ほかの患者の気配を感じずに採取できる環境であることがほとんどです。部屋の内側から鍵が掛けられるようになっているので、途中で誰かが入ってくる心配もありません。

採精室の使用時間や費用は?

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採精室の使用時間については、明確に決められていないことがほとんどです。自分のペースで、リラックスして採取することができます。

また料金は精液検査に含まれていることが多いですが、病院によっては500円ほどの別料金がかかることもあります。予約時などに、事前に確認しておくと安心です。

採精室での採精の方法は?

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採精室では、「マスターベーションによる精液採取」を行います。検査に用いる精液は、不純物ができるだけ入らないようにするため、性交によるものやローション、コンドームの使用はNGです。採精の手順は、次の通りです。

1. マスターベーションで射精する

採精室には、アダルト雑誌やビデオなどが用意されていることもあります。また病院によっては、希望があれば夫婦で一緒に入室することもできます。

2. 精液を容器に採る

採取用の容器に精液を採ります。検尿の場合は最初の尿を捨てますが、精液検査では最初の精液を入れることが大切なので、全量を入れるようにしましょう。

3. 容器を提出する

指定された場所に容器を提出します。採精室の隅に棚があり、そこに置いてから退出することが多いようです。窓口などに提出する場合でも、非対面で提出できるように配慮されています。

4. 医師から結果を聞く

採精室で精液を採取した後は、精液検査を行い、その結果を医師から伝えられます。精液検査の結果は当日わかることもあれば、1週間ほど経って再度病院を訪れる必要があることもあります。

採精の予約の際に、検査結果がわかるタイミングまで確認しておくと、仕事などのスケジュールが組みやすくなりますね。

採精室に入るのは恥ずかしくない?

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産婦人科には女性の患者や看護師の割合が多く、採精室に入ることだけでも気恥ずかしく思う男性が少なくありません。

しかし、待合室にいる多くの人たちも、同じように不妊治療などで悩んできた人たちです。白い目で見られるようなことはないので、安心して利用してください。

一般的な産婦人科などでもプライバシーは守られるように工夫されていますが、他の患者さんと全く顔を合わせずにすむ病院や、男性限定のクリニックなども最近は増えてきました。

もしどうしても気が進まないときは、上記のように、男性に配慮された病院を探してみるのもいいかもしれません。

不妊治療は夫婦で乗り越えよう

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不妊治療を行うとなると、体力的にも精神的にも、どうしても女性への負担が大きくなります。しかし、不妊の原因の約半数は男性側にあるともいわれており、不妊治療は夫婦で協力して行うことが大切です(※2)。採精は恥ずかしいと感じるかもしれませんが、できるだけ女性一人の負担が増えないよう、一緒に取り組んでみてください。

採精室が整った病院が増えていますが、なかにはトイレで採精を行う必要がある病院もまだあるようです。不安が残るときには、どんな場所で行うのかなど、事前に病院に確認を取っておきましょう。

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