出産後、「食欲旺盛になった」「食べても食べてもお腹が空く」というママは多いのではないでしょうか。いつまでこの状態が続くのか、食欲が止まらない原因は何なのか、気になりますよね。
そこで今回は、出産後に食欲が止まらない原因や食欲を抑える方法はあるのかなどをご説明します。
産後に食欲が止まらない原因は?
母乳育児をしていて食欲が止まらない原因としては、母乳を作り出すためにカロリーをたくさん消費していることが考えられます。
個人差はありますが、完全母乳育児をしていると1日に約520kcalを消費することになります(※1)。これは、体重50kgの人が1時間30分ほどランニングをして消費するカロリー量とほぼ同じです(※2)。
運動をするとお腹が空くのと同様に、授乳をするとお腹が空いて食欲が止まらないのも納得ですね。
その他の原因としては、昼夜問わずの赤ちゃんのお世話や寝不足、体力低下などで疲れやストレスが溜まり発散するために食べ過ぎてしまうことも考えられます。
また産後しばらくは、ほぼ家の中で過ごすため、ついつい冷蔵庫に入っているものやストックしているものに手が伸びて食欲が止まらなくなる場合もあるでしょう。
産後の授乳中に必要なカロリーは?
厚生労働省は、産後に母乳育児をしている間は、妊娠前と比べて1日あたり350kcal多く摂ることを推奨しています(※1)。
18〜49歳の成人女性の1日に必要なカロリーは、身体活動レベルが「ふつう」の場合で2,000〜2,050kcalです(※1)。そのため、一般的に授乳中は2,350〜2,400kcal摂取することが望ましいということになります。
ただし母乳育児中とはいえ、食欲が止まらずに食べ過ぎてしまうと必要なカロリーをオーバーしてしまうため注意が必要です。
また、完全ミルク育児や混合育児の場合は、350kcalをそのままプラスするとカロリーオーバーになるので、成人女性の1日に必要なカロリーに近づけていくようにしましょう。
産後に食欲が止まらないときの対策法や改善法は?
産後に食欲があまりにも止まらないと、体重や健康面などが気になって、食事制限を考えることもあるかもしれません。
しかし、産後の体の回復や赤ちゃんのお世話をする体力を保つためには無理な食事制限はせず、栄養バランスの整った食事をしっかり摂ることが大切です。
そこで、産後に食欲が止まらないときは次のような方法で対策や改善をしてみましょう。
食べる時間と量を決める
食事の時間が決まっていなかったり、ながら食べをしたりすると、食べた感覚を得にくいため、つい食べ過ぎてしまいます。
産後しばらくは赤ちゃんのお世話に追われて食生活が乱れがちですが、できるだけ朝昼晩の食事の時間を一定にできるといいですね。
食事の際は、おかずを大皿に盛って取り分けるのではなく、はじめから1人分ずつ盛るようにすると食べ過ぎを防げるのでおすすめです。
間食は我慢するとかえってストレスがたまり、食欲が抑えられなくなってしまうこともあります。間食をする時間もしっかり決めて、少量で満足できるものを食べるようにしましょう。
間食には、ヨーグルトや焼き芋、小さめのおにぎりなど、カロリーや脂質が高過ぎず栄養価が高いものがおすすめです。
しっかり噛む・噛みごたえがあるものを食べる
産後は赤ちゃんが寝ている間にささっと食べたり、抱っこしながら食べたりと、慌ただしく食事をすることが多くなります。
早く食べ終えることを優先してしまい、きちんと噛んでいないこともあるのではないでしょうか。
しっかり噛んで食べると満腹感を得やすくなるため、食欲を抑えることにつながります。
白米を玄米に変えたり、雑穀を混ぜて炊いたりすると、自然としっかり噛むようになるのでおすすめです。根菜やきのこ類、切り干し大根などの乾物も噛みごたえがあるのでいいですね。
調味量や油をカットする
急に食事の量を減らすのは難しいという場合は、カロリーが高い調味料や油の使用を控えることから始めてみるのもおすすめです。
ドレッシングやマヨネーズなどはついかけすぎてしまい、知らず知らずのうちにカロリーを摂取しがちです。また、できるだけ油を使わないために揚げたり焼いたりするのではなく、蒸したり茹でたりする調理法を試してみるのもいいでしょう。
産後の止まらない食欲は上手にコントロールしよう
授乳をしている間に食欲がなかなか止まらないというのは、決して珍しいことではありません。
ただ、食欲に任せて食べ過ぎてしまうと、体重増加や体調不良につながることもあります。
産後の体の回復を優先したうえで、食欲を上手にコントロールする方法を探して健康的に過ごせるといいですね。