ウテメリンとは?副作用はある?切迫早産への効果とは?

記事監修 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 続きを読む

切迫早産と診断されると、塩酸リトドリンなどの成分を含む子宮収縮抑制薬が投与されることがあります。その代表的な薬が「ウテメリン」で、広く使われていますが、一体どのような効果があるのでしょうか?また、緊急時の対処とはいえ、母体や胎児への副作用がないかも気になりますよね。今回は、「ウテメリン」などの子宮収縮抑制薬の効果や副作用、胎児への影響などをご説明します。

ウテメリンとは?切迫早産に対する効果は?

点滴

ウテメリンとは、「塩酸リトドリン」を主成分とする子宮収縮抑制薬です。切迫早産と診断された際に使われるのが一般的ですが、妊娠16週以降の切迫流産にも使われることがあります(※1)。

切迫早産とは、妊娠22週0日以降37週0日未満の期間で出産の徴候が見られ、早産の可能性が高い状態です。子宮が収縮して赤ちゃんを押し出そうとしているため、赤ちゃんが未熟なまま生まれないように、子宮収縮を抑制する作用を持つウテメリンなどの子宮収縮抑制薬を投与する必要があるのです。

なお、ウテメリンと同じ成分のジェネリック医薬品として「ルテオニン」や「ウテロン」などもあります。

ウテメリンの使い方は?点滴や錠剤があるの?

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超音波検査で子宮口が開いている、あるいは子宮頸管が短くなっている状態が確認されたら、切迫早産と診断され、適切な処置が必要になります。

破水は起こっておらず、母体と胎児の状態に問題がなければ、安静にしたうえでウテメリンなどの子宮収縮抑制薬を投与し、妊娠の継続を目指します。

もし破水している場合には、基本的には子宮収縮抑制薬は使用せず、ステロイドや抗菌薬をあわせて投与することもあります(※1)。

ウテメリンなどの子宮収縮抑制薬には、口から飲む錠剤と注射薬の2種類があります。錠剤の場合は、1回1錠を1日3回飲みます(※2)。入院治療が必要なときなど、緊急性が高い場合には注射薬を点滴で投与します(※3)。

ウテメリンに副作用はあるの?

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ウテメリンなどの子宮収縮抑制薬は、主に動悸や頻脈、手の震え、顔の紅潮、吐き気などの副作用が見られることがあります(※2,3)。

また、頻度は少ないですが、肺水腫や心不全のほか、横紋筋融解症による筋肉痛や脱力感、血液成分の異常、高血糖などの重い副作用が見られることもあります(※2,3)。特に、長期間服用する場合には、こまめに血液検査をすることも大切です(※4)。

もし、使用中に気になる症状が現れたときには、かかりつけの産婦人科医に相談して、投薬量や回数の調整を検討してもらいましょう。

なお、ウテメリンなどの子宮収縮抑制薬にはこうした副作用があることから、欧米では使用中止または使用制限がかけられている国もあります。

妊婦さんのお腹の張りがあっても、ウテメリンなどの子宮収縮抑制薬が必要ないケースも多いので、本当に使用すべきかどうかは医師とよく相談してください。

ウテメリンの胎児・新生児への影響は?

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ウテメリンなどの子宮収縮抑制薬の注射(点滴)薬の副作用として、頻度は少ないですが、胎児に心不全、頻脈、不整脈が現れることがあります(※3)。

また、生まれたばかりの赤ちゃんについては、まれではありますが、錠剤・注射薬ともに新生児腸閉塞を引き起こす恐れがあり、特に注射薬については心不全や心臓機能の障害、低血糖症などが見られることもあります(※2,3)。

妊娠中に薬を使うことで、赤ちゃんへの影響など心配になるかもしれませんが、効果と副作用の両方を踏まえたうえで、病院で薬が処方されます。使用前にはきちんと医師の説明を受け、不安を解消した上で利用してください。

なお、子宮収縮抑制薬を出産直前に投与した場合、ごくわずかな量が母乳中に分泌されますが、赤ちゃんに悪影響を及ぼしたという報告はありません(※5)。無事に出産を終えたあとも、赤ちゃんの健康に心配があるときは、医師に相談してください。

ウテメリン点滴や錠剤の費用はいくら?

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切迫流産や切迫早産の治療費には健康保険が適用されるので、治療費は3割負担で済みます。切迫早産の状態が軽く、錠剤を使うだけで済めば、あまり費用の心配はいりません。

ウテメリンの薬価は1錠あたり110円程度なので、たとえば1日3回、1ヶ月分処方されたとしたら、約1万円。自己負担分はその3割で3,000円弱という計算になります。同じ成分で価格が安いジェネリック医薬品を処方してもらえることもあるので、医師に相談してみましょう。

ただし、しばらく入院してウテメリンを点滴で投与することになると、薬の費用に加えて点滴管理料として数千円、入院にかかる食費やベッド代などで1日1万円以上かかることもあります。子宮収縮が落ち着くまでは病院で安静にしなければならないので、入院期間が長引くほど費用も高額になります。

高額療養費制度を利用すれば、保険適用範囲内の治療費について払い戻しを受けられるので、長期間の入院になる場合は特に、医療機関でくわしく聞いてみてください。

ウテメリンで気になることは医師に相談を

女性 光 希望

切迫早産と診断されると、気持ちが焦ってしまうかもしれませんが、赤ちゃんがママのお腹の中でしっかりと成長できるように、あまり無理のない生活を送りましょう。ウテメリンなどの子宮収縮抑制薬が必要になったときは、医師の指示に従って正しく使用してください。

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