妊活中の女性にとって、排卵日がいつなのかを計算して予測するのは、妊娠率を上げるために大切なことです。ただ、生理周期が一定ではない生理不順だと、うまく計算できなくて排卵日がわからないという女性も多いようです。そこで今回は、生理不順の女性におすすめの排卵日の計算方法をご紹介します。
そもそも生理不順とはどういう状態?
妊娠には排卵によって飛び出した卵子と精子が受精することが必要ですが、卵子や精子には寿命があります。そのため、妊娠を望むのであれば、排卵日を予測することがとても重要です。
ただ、生理不順になってしまうと、周期が安定せずに生理が来るまでの日数が変動したり、周期はほぼ変わらないものの、生理の期間が長くなったり短かくなったりします(※1)。
生理周期は排卵のタイミングによって左右されるため、生理不順になると排卵日が予測しづらくなります。
生理不順での排卵日はいつ?
生理不順での排卵日を計算するためにも、まずは基本の生理周期と排卵の関係を知っておきましょう。
生理周期は3つの期間から成り立っていて、その過程で女性は妊娠に向けた体づくりを行います。
まず、脳から卵巣に向けた刺激が出されると、卵巣は卵子のもとになる卵胞を成長させ(卵胞期)、排卵をします(排卵期)。排卵が起きた後は、着床に備えて子宮内膜が厚くなります(黄体期)。
しかし、妊娠が成立しなかったときには子宮内膜が剥がれて体外に排出され、いわゆる「生理」を迎え、再び卵胞期に入ります。
実は、排卵から生理までの長さは約14日間とある程度決まっていて、生理周期の長さが人によって異なるのは「卵胞が成長して、排卵されるまでの期間」によります。排卵から生理までの長さは、生理不順の人でも基本的に変わらないのです(※2)。
つまり、排卵日を簡易的に計算するには、次回生理開始予定日の14日前に排卵が起こると考えればよいのです。生理不順であっても、生理の周期自体が一定の間隔で起こっているなら、この方法で生理日から排卵日の日数を予測することができます。
生理不順で排卵日がわからないときの計算方法は?
ただ、周期が毎回変わってしまうタイプの生理不順だと、次回生理開始予定日がわからないので、排卵日もわからなくなってしまいますよね。そこで、次のような計算方法を取り入れて、可能な限り排卵日の予測精度を高めていきましょう。
基礎体温法
毎日基礎体温をつけ、グラフにすることで、排卵日を予測する方法です。毎日の基礎体温をグラフにしていくと、低温相(低温期)から高温相(高温期)に変わる境目に体温が大きく下がる日(最低体温日)があります。その日から2~3日がおよその排卵日です(※1)。
基礎体温は、ちょっとした身体の動きで変化してしまうので、寝起きのタイミングに、できるだけ動かない状態で測るようにしてくださいね。基礎体温グラフをつけることで、排卵日だけでなく健康状態もチェックできるので、妊活前の女性にもおすすめです。
頸管粘液法
頸管粘液とは「おりもの」のことです。おりものは時期によって粘度が変化するため、状態を観察することで排卵日を予測することができます。排卵直前は、おりものの量が最も多く、糸を引くように伸びますよ(※1)。
おりものの粘度や色には個人差がありますが、何ヶ月か観察していると、排卵日をある程度は見極めることができるはずです。
排卵検査薬
排卵検査薬とは、尿に含まれる黄体形成ホルモン濃度の上昇をとらえる検査薬です。黄体形成ホルモンの濃度が上昇し始めてから24〜36時間以内に排卵が起こるという体の仕組みを利用して、排卵日を予測することができます。
妊活中だけど生理不順で困っているのであれば、基礎体温法と合わせて利用するといいかもしれません。
利用する場合は、過去の生理周期のうち最も短い周期をもとに次の生理日を予測し、その17日前頃から使い始めましょう(※3)。慣れないうちは扱いづらいかもしれませんが、数周期ほど試せばコツがつかめてきますよ。
また、生理が始まる17~20日前から1週間以上検査薬を使っているのに陽性反応が出ない場合は、無排卵月経などの可能性もあるので、一度婦人科を受診しましょう。
排卵日チェッカー
排卵日が近づくとホルモンバランスが変化し、唾液の結晶構造が変わるといわれています。排卵日チェッカーは、この結晶を小さな顕微鏡のようなもので見ることで、排卵日を予測するアイテムです。
排卵検査薬とは違って、繰り返し使えるのが嬉しい特徴です。ただ、精度に関しては排卵検査薬に比べて低いという意見も多いため、その点を理解したうえで利用するようにしてくださいね。
プチアイビス
この排卵日チェッカーは、乾電池不要で半永久的に使えます。リップスティック程度の大きさで軽いため、携帯しやすいモデルですよ。
超音波卵胞計測
婦人科にて、腟に器具を入れて超音波で卵胞の大きさを測り、その大きさから排卵日を予測する方法です。排卵直前になると卵胞の大きさは約20〜22mmになることがわかっています。
基礎体温をもとに排卵日を予測し、その数日前から継続的に超音波卵胞計測を行って、同時に頸管粘液の検査をすると、より確実に排卵日を予測できます(※4)。
不妊治療のタイミング法でも、超音波卵胞計測をよく利用します。精度が高いものの通院が必要なので、費用と手間がかかるのがデメリットです。
生理不順の場合は、2つ以上の排卵日予測方法を組み合わせよう
生理不順で排卵日がうまく予測できないという人は、複数の排卵予想方法を組み合わせてみましょう。特に、基礎体温と排卵検査薬の組み合わせは多くの女性が取り入れています。
少しコツが必要な方法もあるので、何回か挑戦して自分にぴったりの方法を探してみてくださいね。