ママと赤ちゃんをつないでいる「へその緒」は出産後にカットされたあと、一部が赤ちゃんのおへそにくっついたままの状態です。へその緒がいつごろ取れるのか気になっていますよね。
そこで今回は、赤ちゃんのへその緒はいつ取れるのか、取れないときはどうすればいいのかなどをご紹介します。
へその緒はいつ取れる?どんな風に取れるの?
赤ちゃんのへその緒が取れる時期には個人差がありますが、一般的に生後1週間程度で、長くても3週間ほどです(※1)。
気になるときは、退院時に医師や助産師にどれくらいで取れそうか聞いてみるといいでしょう。
へその緒は、出産後すぐに専用のハサミで切断され、感染症が起きないように処置がされます。
赤ちゃんにくっついた状態のへその緒は、だんだんと乾燥して縮んでかたくなり、そのうち自然にポロッと取れます。
へその緒が取れるまでは、清潔な状態にして乾燥させることが大切です。
沐浴のあとは綿棒でやさしく水分をとり、しっかり乾かしてから、おむつをつけてください。
へその緒が取れると、かさぶたのような茶色い残りかすがおへそのシワに入り込むことがあります。
しばらくは、残りかすをやさしく拭き取る感覚でお手入れを続けてあげるといいですね。
赤ちゃんのへその緒が取れないときは?
赤ちゃんのへその緒がなかなか取れないケースも珍しくありません。取れないからといって無理に取ろうとしたり、むやみに触って取れやすくしようとしたりするのはやめましょう。
生まれたときに比べて、少しずつでも乾燥してかたくなっていれば、あまり気にし過ぎず自然に取れるのを待っていて問題ないですよ。
生後1ヶ月くらいまでは経過を見守り、それでも取れない場合は1ヶ月健診のときに医師に診てもらってくださいね。
赤ちゃんのへその緒に関係する病気もあるの?
まれに、へその緒が取れたあとに次のような病気が起こることがあります。
おへそやおへそ周りが赤く腫れる、おへそが盛り上がるなどの症状がみられたら、早めに病院を受診してください。
臍炎(さいえん))
「臍炎」とは、へその緒が取れたあとに傷口から皮膚に細菌が感染して、おへそやおへその周りが赤く腫れることです(※2)。傷口はジュクジュクと湿っていて、出血や膿をともなうこともあります。
そのままにしていると、炎症がお腹の中にまで拡がったり、菌が体の中に入り込む敗血症となったりすることがあるため、早めの治療が大切です。
おへそあたりが熱を持っているように感じたり、赤く腫れていたりするときは小児科に相談するようにしてくださいね。
臍肉芽腫(さいにくげしゅ))
へその緒が取れたあとにおへそが盛り上がって赤くなり、出血したりジュクジュクしたりしている場合は、「臍肉芽腫」の可能性が疑われます(※2)。おへその中にしこりができ炎症が進むことで起こるケースが多いです。
塗り薬で治らない場合は、小児外科などで切除したり焼いたりする処置が必要になることもあります。
臍ヘルニア(でべそ)
へその緒が取れた部分は少しずつ収縮して穴が小さくなり、やがて凹んだおへそができあがります。
しかし、うまく穴がふさがらずに突出が起こると、「臍ヘルニア(でべそ)」となります(※3)。
臍ヘルニアは、新生児10人に約1人の割合でみられ、低出生体重児はさらに確率が高いです(※3)。
臍ヘルニアが重症化することはごくまれで、そのままにしていても1歳頃までに80%が、2歳頃までに90%が自然に治るとされています(※3)。
1歳を過ぎても治らない場合は、見た目の問題から手術が検討されることもあります。
へその緒が取れなくても焦らず見守ろう
赤ちゃんのへその緒がなかなか取れなくても、焦る必要はありません。できるだけ清潔に保ち乾燥させながら、炎症が起きていないかなどをしっかり確認しましょう。
取れたへその緒は乾燥させてから専用のケースに入れて大切な思い出として保管する人が多いようです。赤ちゃんが成長したときに、思い出として見せてあげるのもいいですね。