へその緒が取れた後の保管方法は?手入れの方法や注意点は?

監修専門家 助産師 鶴町 はるな
鶴町 はるな 茨城県立中央看護専門学校助産学科卒業後、総合周産期センターの産婦人科・NICU勤務を経て、クリニックでのフリースタイル分娩や無痛分娩にも携わってきました。現在は産後ケアや母乳外来を中心に活動しています... 監修記事一覧へ

赤ちゃんのへその緒が取れるまで、沐浴後に体を拭くときや、おむつ替えのときなど、「急に取れてなくしてしまわないかな」と、恐る恐るお世話をするママやパパは多いのではないでしょうか。今回は、実際にへその緒が取れた後はどうお手入れをすればいいのか、小さいへその緒をどう保管したらいいのかなどをまとめました。

赤ちゃんのへその緒が取れた後の状態とは?

赤ちゃん へその緒

へその緒が取れた後は、傷口と同じでとてもデリケートな状態です。お腹の奥に根元が引っ込んだような形になるので乾燥しにくく、雑菌がつくと炎症を起こしやすくなります。必要以上に触らないよう注意しましょう。

へその緒は、だいたい生後1~3週間の間に乾燥して取れることがほとんどですが、生後1ヶ月くらいまで取れないこともあります。取れないからといって無理に引っ張ったり、触ったりしないで、自然に取れるまで待ちましょう。

生後1ヶ月経っても取れなければ、1ヶ月健診で小児科の医師に相談してみてくださいね。

へその緒が取れた後は、かさぶたのような茶色いかたまりがへそのシワに入り込んでいることも。掻き出そうとして強くこする必要はないので、優しく撫でるように、汚れを拭き取る感覚でお手入れするのがポイントです。

沐浴やお風呂を繰り返すなかで、自然にキレイになるのを待ちましょう。

へその緒が取れた後はどうする?保管方法は?

へその緒

へその緒が取れたら、しっかりと乾燥させて専用の容器で保管しましょう。へその緒は、妊娠中に赤ちゃんとママがつながっていた大切な証。目の前で取れた場合や、取れた後にすぐみつけることができた場合は、大切に保管しておきたいですね。

保管におすすめの容器は、桐製の箱です。桐の箱は多くの家庭で昔からへその緒の入れものとして使用されていました。桐には湿度を低いまま一定に保つことができる「恒湿性」という作用があり、保管しているものが腐りにくいのが特徴です。

桐の香りは防虫効果があるため、虫が入ってこないというメリットもあります。軽くて丈夫という点においても桐の箱は保存に適していますよ。

少しでも長く保管しておくために、以下を参考に正しく保管しましょう。

へその緒を保管するときの方法

1. 取れたへその緒をガーゼなど通気性のいい布で包んで、数日間おいてしっかり乾燥させます。乾燥が足りないとカビや腐敗の原因になってしうので、十分乾燥させてください。

2. 桐製の箱を用意して保管します。箱にそのまま入れても良いですが、清潔なコットンやティシュを畳んで敷いた上にのせておくのもおすすめです。

3. 専用のケースであれば、箱の裏面に記入シートが付属されていることがあるので、赤ちゃんの名前、生年月日、へその緒が取れた日などを記入しておきましょう。

へその緒が取れた後の保管時やお手入れ時の注意点は?

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ここでは、へその緒が取れた後に保管するときの注意点と、お手入れするときの注意点についてご紹介します。初めてのことで不安もあるかもしれませんが、慌てずに対処してあげてくださいね。

へその緒を保管するときの注意点

昔は五円玉や包帯を使って覆う処置をするのが一般的でしたが、現在はすすめられていません。乾燥しにくいだけでなく、雑菌が増殖しやすいので、ガーゼに軽く包んで自然乾燥させましょう。

プラスチック製や布製の箱は、保管中に湿気がでやすいので避けましょう。いつの間にかカビが繁殖していることも珍しくありませんよ。

へその緒が取れた後のお手入れの注意点

へその緒が取れる前後のお手入れについて、アルコール消毒をすすめている病院もあれば、水分を拭き取るだけで十分としている病院もあります。退院する前に、出産した病院のケア方法を確認しておきましょう。

へその緒が炎症して赤く腫れていたり、膿が出て臭いが強かったりした場合は、へその病気になっている可能性が高い状態です。さらに悪化する前に、医師にしっかり診てもらってください。

赤ちゃんのへその緒が取れた後は、正しく保管しよう

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赤ちゃんのへその緒を保管するのは、実は日本とアジアの一部の国で行われている独特の風習。欧米では珍しいことといわれています。

日本では昔から、「子供が大病になったらへその緒を煎じて飲ませると助かる」や、「母親の棺に入れるとあの世で罪が軽くなる」という説がよく知られているようです。

近年はこういった風習ではなく、思い出としてとっておいたり、子供が成人になったときに記念にみせたりすることがほとんど。へその緒が無事に取れた後は、カビがつかないよう正しい方法で保管しておきましょう。

へその緒は、乾燥するととても取れやすいもの。うっかりなくしてしまうなんていう話も珍しくありません。そういうときは、そのエピソードを思い出として伝えてあげても良いですね。病院によっては、退院前に取れた場合はへその緒を渡さない方針の病院もあるので、手元になくても悩む必要はありませんよ。

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