妊活には睡眠の質が大切!妊娠を目指す人におすすめの睡眠法は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

ぐっすりと眠れた翌日の朝は気持ちのいいものですよね。妊活の一環としても、質の良い睡眠を取ることが大切です。今回は、妊娠しやすい体づくりのために、十分な睡眠が大切な理由や、睡眠の長さよりも「質」を良くするために気をつけたいことなどをご説明します。

妊活に睡眠が大切な理由は?

寝る 睡眠

妊活を成功させるためにも、妊娠しやすい体作りをしていきたいですよね。「栄養バランスの良い食事」「適度な運動」と並んで「十分な睡眠」は妊活の基本、とよくいわれますが、なぜよく睡眠をとることが大切なのでしょうか?

その主な理由として、次の2つが挙げられます。

女性ホルモンの正常な分泌のため

「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンは、卵巣から分泌されています。そして、卵巣にホルモンの分泌の指令を出しているのは、脳の視床下部や下垂体です。

視床下部は、自律神経系の機能もコントロールしていますが、ストレスや睡眠不足、無理なダイエットによる体重減少などによってダメージを受けやすく、ホルモン分泌にも影響が出てしまいます(※1)。

女性ホルモンが正常に分泌されるためには、十分な睡眠をとることが大切といえます。

卵子の老化を遅らせるため

妊娠の可能性を高めるには、卵子の質をできるだけ良い状態に保つことが大切ですが、卵子の質はどうしても年齢とともに下がっていってしまいます。

加齢のほかに、卵子の老化の原因とされているのが「活性酸素」の過剰発生です。日常生活のなかで、不眠やストレス、たばこ、紫外線、大気汚染などがあると活性酸素がより多く発生してしまうと考えられています(※3,4)。

卵子の老化のスピードを少しでも遅らせるためにも、よく眠ることが必要といえます。

妊活中の睡眠は長さよりも「質」が大切

時計

妊娠しやすい体作りのために大切なのは、睡眠時間の長さよりも「質」だといわれています。

睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を約90分ごとに繰り返しています。眠りについてから約3時間のあいだにノンレム睡眠に入ることができれば、脳も体もゆっくり休ませることができます。

明け方以降は、自律神経が活発なレム睡眠が多くなるため、寝汗をかいたり夢を見たりすることが多くなります。そのため、平日の寝不足を休日で補おうとしても、午前中は眠りの質が浅く、寝疲れてしまうのでおすすめできません。

質の良い睡眠をとるためには、スムーズに眠りにつくことと、毎日できるだけ同じ時間に寝て起きることが大切ですよ。

妊活中に質の高い睡眠をとるには?

妊活中の睡眠の質を高めるためには、日常生活のなかで次のようなことを心がけてみてくださいね。

寝る直前のアルコールは控える

お酒 アルコール

寝る前にお酒を飲むと、寝つきはよくなりますが、睡眠が浅くなり目が覚めやすくなります。寝る直前までお酒を飲むのは控えましょう。

妊娠したらお酒を控える必要があるので、妊活中から少しずつ量を減らすことができるといいですね。

ぬるめの湯船につかる

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シャワーだけで済ませるのではなく、できればゆっくり湯船につかりましょう。リラックスしてストレスを解消することは、妊活中とても大切なことです。

また、40度くらいのぬるめのお湯だと、副交感神経が刺激され、質の良い睡眠につながります。お湯が熱すぎると交感神経を刺激してしまうので逆効果です。

お風呂上がりには軽いストレッチをしてから眠りにつくと、さらにぐっすり眠れますよ。

胃腸を休めてから寝る

皿 プレート フォーク スプーン 食事 野菜

夕飯は、寝る2~3時間前までに済ませておきましょう。食後は消化器官が活発になるため、食べてすぐ寝ると睡眠が浅くなってしまいます。

人は一度高くなった体温が下がるときによく眠れるので、香辛料が入った食事など体がポカポカ温まるようなものを食べると理想的です。

寝る直前までスマホをいじらない

パソコン スマートフォン スマホ

卵子などを活性酸素から守り、質を高めてくれる「メラトニン」というホルモンは、日中に強い光を浴びているあいだは分泌が抑えられ、夜に暗くなると一気に分泌されます。

夜寝る直前までパソコンやスマートフォンの明るい画面を見ていたり、部屋を明るくして夜更かししたりしていると、メラトニンがきちんと分泌されないかもしれません。

メラトニンの適切な分泌は眠気を誘い、睡眠リズムを作ることにもつながるので、寝る直前はスマホなどをいじらず、部屋の電気を消して寝ましょう。

朝起きたらすぐ太陽の光を浴びる

窓際 カーテン 日光 朝

人間の体内時計は24時間から少しずれており、このずれが大きくなっていくと睡眠リズムにも影響が出ると考えられています。

体内時計は、朝起きてすぐに太陽の光を浴びることでリセットすることができ、24時間に合わせることで生活のリズムが整います。これにより、夜が来ると正常にメラトニンが分泌されるようになるので、質のいい睡眠を誘ってくれますよ。

朝が苦手という人も、頑張って起きてカーテンを開け、日光を浴びてから1日をスタートさせてみてくださいね。

妊活中は質の良い睡眠で妊娠を目指そう

女性 睡眠 寝る

妊活を成功させるためには、基礎体温をつけたりするだけでなく、規則正しい生活と質の良い睡眠をとることも大切です。

毎日忙しくて寝るのが遅くなってしまう、という人も、枕や服装、部屋の温度などを見直してみるなど、短い時間でも快適に眠れるような工夫をしてみてくださいね。

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