セロトニンを増やす方法!どんな食べ物や飲み物を摂ればいいの?

監修専門家 管理栄養士・フードコーディネーター 中村 美穂
中村 美穂 東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。書籍、雑誌等への... 監修記事一覧へ

イライラする、なかなか眠れない、気持ちが前向きになれない…そんな心の不安定さが続くときは、神経伝達物質のひとつである「セロトニン」の不足が原因かもしれません。しかし、セロトニンが足りないといわれても、どうすれば増やせるのかわかりませんよね。そこで今回は、セロトニンを増やすのに効果的な、身近な食べ物や飲み物をご紹介します。

セロトニンとは?

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セロトニンとは、必須アミノ酸のひとつである「トリプトファン」から生成される、精神安定や鎮静、催眠効果のある神経伝達物質のことをいいます(※1,2)。

セロトニンと別の神経伝達物質である、快楽や喜びを感じる「ドーパミン」、恐怖を感じる「ノルアドレナリン」などの情報をコントロールする作用もあり、精神を安定させる働きがあることから、「幸せホルモン」とも呼ばれています。

セロトニンが不足すると、精神的に不安定な状態になりやすく、攻撃性が高まったり、うつ病や睡眠障害を引き起こしたりすることもあります。

セロトニンの不足を補うことで、精神的な健康を促すほか、不眠や月経前不快気分障害(PMDD)の改善、更年期障害の症状の緩和、禁煙の補助などに効果が期待できます(※2)。

セロトニンは食べ物で増やせる?

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先で述べたように、セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸によって体内で生成されます。

人間の体に必要なアミノ酸には、体内で作ることができる「非必須アミノ酸」と、体内で作ることができない「必須アミノ酸」があり、必須アミノ酸は食事などから摂取して補う必要があります。

トリプトファンは、必須アミノ酸に分類される栄養素です。そのためセロトニンを増やすためには、トリプトファンを含む食べ物や飲み物を意識的に摂らなければいけません。

しかし、トリプトファンだけを摂ればすぐにセロトニンが生成されるわけでありません。トリプトファンは、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムといった栄養素と合成することで、初めてセロトニンを作ることができます。

そのため、これらの栄養を含む食べ物や飲み物もあわせて摂る必要があります。

セロトニンを増やす食べ物は?

納豆 大豆

セロトニンの生成に欠かせない栄養素が含まれた食材には、下記のようなものがあります(※2)。

トリプトファンを含む主な食べ物

牛レバー/豚レバー/鶏レバー/小麦胚芽/あわ(精白粒)/オートミール/そば・スパゲッティ(乾麺)/プロセスチーズ/大豆/高野豆腐/きなこ

ビタミンB6を含む主な食べ物

サンマ/鰹/メジマグロ/真アジ/紅鮭/真サバ/ブリ/ヒラメ/牛レバー/牛ひれ/牛もも/鶏レバー/鶏ささ身/赤ピーマン/黄ピーマン/さつまいも/玄米/生そば/バナナ/夏みかん/柿

ナイアシンを含む主な食べ物

タラコ/鰹/メバチマグロ/ブリ/真サバ/ナマリ/メカジキ/鶏胸/豚レバー/豚ロース/牛レバー/ひらたけ/まいたけ/ほんしめじ

マグネシウムを含む主な食べ物

刻み昆布/イワシ丸干し/わかめ/鰹/アーモンド/栗/ゴマ/炒ったくるみ/大豆・小豆/納豆/きなこ/木綿豆腐

セロトニンを増やす飲み物は?

牛乳 チーズ 乳製品

セロトニンの生成に使われる栄養素は、食べ物だけでなく飲み物からも摂取することができます。それぞれの栄養素が含まれる飲み物は、下記のとおりです(※2)。

トリプトファンを含む主な飲み物

牛乳

ビタミンB6を含む主な飲み物

バナナジュース(100%)

マグネシウムを含む主な飲み物

豆乳

セロトニンを食べ物で増やすときの注意点

重要 ポイント 注意点

セロトニンを増やすためとはいえ、栄養素を過剰摂取すると体に悪影響を及ぼすことがあるので注意しましょう。

例えば、トリプトファンの過剰摂取は肝硬変、ビタミンB6の過剰摂取は神経系の障害、ナイアシンの過剰摂取は皮膚の炎症・下痢・嘔吐・肝機能障害、マグネシウムは下痢を引き起こす恐れがあります。

1日3食を普通に摂っていれば、過剰摂取になる心配はほとんどありません。しかしサプリメントなどで補いたいときは、注意が必要です。サプリメントのパッケージに記載されている適量を守って服用するようにしてください。

セロトニンを増やすには、食べ物だけでなく生活習慣も見直そう

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セロトニンの量は、基本的な生活習慣を見直すだけでも変化があるといわれています。食べ物や飲みもので補うだけでなく、適度な運動や十分な睡眠をとり、体や脳をリラックスさせることも大切ですよ。

精神的な不調を感じたときは、食事内容とともに、生活習慣も一緒に見直しましょう。

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