妊娠初期の中絶費用は?堕胎の方法や痛み、リスクは?

記事監修 産婦人科医 丸田 佳奈
丸田 佳奈 日本産婦人科学会認定専門医。千葉県総合周産期母子医療センター勤務。一人でも多くのママと赤ちゃんを救いたいという想いで日々診療しています。また、現役の産婦人科専門医として、医療情報をテレビやラジオ、雑誌... 続きを読む

やむを得ない事情で中絶を検討している人は、中絶手術がどういうものなのかとても不安を感じていると思います。妊娠初期のタイミングで受けるかどうかを考えている人も多いと思いますので、今回は妊娠初期の中絶手術について方法や費用、痛み、リスクなどの体への影響についてご説明します。

中絶手術とは?

? 疑問

中絶手術とは、正式には「人工妊娠中絶」と呼び、やむを得ない事情で妊娠の継続が困難になった場合に、医療機関で妊娠を中断する手術を指します。赤ちゃんの命に関わる問題なので、母体保護法という法律で規定されています(※1)。

母体保護法が定める中絶手術を受けられる条件は、下記の2つの場合です。

・妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの

・暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの

引用:総務省法令データ提供システム「母体保護法」

そして、中絶手術を受けられる時期は妊娠22週未満(妊娠21週6日まで)と決められています。この期間を過ぎてからの中絶手術は、いかなる理由でも認められていません。

中絶手術は妊娠初期と中期で違う?

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中絶手術は受ける時期によって、方法や費用、体への影響が変わってきます。妊娠11週頃までの中絶手術は「初期中絶手術」と呼ばれ、麻酔下で腟から行われます。

妊娠12週頃から22週未満までは「中期中絶手術」といい、薬で陣痛を起こして実際のお産と同じように行われ、初期中絶手術に比べて体への負担が大きくなります。

中絶手術を受けるかどうかを判断するタイミングは人によって違いますが、多くの人が妊娠11週目頃までに初期中絶手術を受けるようです。

妊娠初期の中絶手術の流れは?

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妊娠がわかって間もないタイミングなので、妊娠初期の中絶手術では最初に婦人科で正常妊娠かどうかを診断します。妊娠していることがわかって中絶手術を受けると決めた後は、中絶の同意書や手術方法について説明を受けます。同意書は本人と配偶者(パートナー)の同意が必要ですが、パートナーがわからない・亡くなっている場合には本人の同意だけで受けられます。

同意が完了すると、血液検査や心電図検査などを行って体に異常がないかを調べて手術日を決定します。

妊娠初期の中絶手術の方法は?痛みはある?

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手術当日は麻酔をかけるため、手術の開始時間などによって異なりますが、前日は21時~0時以降、絶飲絶食です。手術は最初に子宮口に細い棒を入れて広げ、その後、麻酔をかけてから以下どちらかの方法がとられます。

掻爬法(そうはほう)

特別な器具を使って子宮口を開き、そこから鉗子と呼ばれるトングのような器具と、キューレットと呼ばれるスプーン状の器具を挿入して子宮内のものを除去します。

吸引法

子宮口を開くのは掻爬法と同じで、そこから掃除機のようなものを挿入して子宮内のものを吸い取ります。

妊娠初期の中絶手術は難しいものではなく、麻酔を受けているので、手術自体の痛みは感じません。しかし、点滴から麻酔薬を投与するときの痛みや、麻酔が切れた後に一時的な腹部の痛みなどをともなうことがあります。

手術自体は10〜15分程度で済み、体調が悪くなるなどの症状が見られなければ日帰りできます。

ただし、手術後数日は安静にした上で薬を飲む必要があり、1週間程度は湯船に入れなくなります。

妊娠初期の中絶手術に費用はどれくらいかかる?

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妊娠12週未満までの初期中絶手術は、手術前に行う検査で1~2万円、手術自体で7~15万円ほどかかります。入院する必要が出た場合には、別途入院費がかかります。これらの費用は病院によって違うので、事前に確認しておきましょう。

また中絶手術は体だけではなく、心への負担もあります。人によってはカウンセリングが必要になることもあるので、その場合はさらに費用がかかります。いずれも保険適用にならない自由診療なので全額自己負担になります。

妊娠初期の中絶の注意点やリスクは?

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妊娠初期の中絶手術は比較的簡単にできるとはいっても、稀に合併症が起こります。子宮内容物をとり残してしまったり、子宮内にできた傷に細菌が感染したりするほか、子宮に穴が開く子宮穿孔(せんこう)や、手術中・手術後に多量の出血が起きることもあります。

妊娠初期の中絶手術は負担が少ないといってもリスクがないわけではありません。少なくとも手術後1週間は体調の変化に気を配り、手術後に指示された通院は守るようにしましょう。

中絶手術の判断は自分の体のことも考えて

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妊娠初期を過ぎてからの中絶手術は体への負担が大きくなります。手術を受けるのが早いほど負担は軽く済みますが、中絶手術を受けるかどうかの判断は自分一人だけの問題ではなく、じっくりと時間をかけることも大切です。自分の体のことも考えながら、後悔のないように決めてください。

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