赤ちゃんの歯並びが悪い!原因と対処法は?すきっぱでもいいの?

監修医師 歯科医師 茂山 久夫
茂山 久夫 九州歯科大学卒業後、同歯周病科にて4年間診療、その後開業医での勤務を経て、現在は福岡県中間市にて診療を行う。日本歯周病学会、J.A.C.D(The Japanese Academy of Compre... 監修記事一覧へ

赤ちゃんに乳歯が生えはじめると、歯並びが気になってくるママやパパは多いのではないでしょうか。前歯がやっと2本生えてきたと思ったら歯と歯の間に隙間があったり、指しゃぶりする癖がなかなかとれなかったりすると、歯並びが悪くなるのではと心配になりますよね。そこで今回は、赤ちゃんの歯並びについて、生え始めのすきっぱの状態は問題ないのか、歯並びが悪い原因や対処法、予防法などをご紹介します。

赤ちゃんの歯並びとは?すきっぱでいいの?

赤ちゃん 歯並び 23746720

赤ちゃんの歯並びは、乳歯が生えるときに前歯が斜めになっていることや、隙間がある「すきっ歯」になる子もいますが、この時点では将来の歯並びまで影響することはありません(※1)。むしろ、隙間がある「すきっぱ」であるのが正常な状態です。

反対に、歯と歯の間に隙間がなく生えてくると、乳歯よりも一回り大きな永久歯が生えにくくなるといわれています。狭いスペースに無理やり永久歯が生えることで歯並びが悪くなってしまうことも。

しかし、乳歯の隙間や歯並びが気になっても、今後成長しながら変わってくることはあります。もし乳歯が生え始める時期に気になることがあれば、1歳半健診のときに行われる歯科検診や歯磨き指導のときに、合わせて相談してみましょう。

赤ちゃんの歯並びが悪くなる原因は?

日本人 女性 考える

赤ちゃんの歯並びが悪くなる原因には、「先天的要因」と「後天的要因」の2つが考えられます。ここでは、この2つの要因によるそれぞれの影響について詳しくご紹介します。

先天的要因(遺伝)

パパやママ、もしくは祖父母から受け継ぐ遺伝的なものが考えられます。個々の骨格の作りで、上顎や下顎の骨が大きすぎたり、逆に小さすぎたりすることで、出っ歯や受け口になるなど、歯並びにも影響してきます。歯並びが遺伝するというよりも、骨格の遺伝という意味合いが大きいといえます。

後天的要因(環境)

食べものを食べるときの舌や口周りの筋肉の動きによって、歯並びや噛み合わせに悪い影響を与えていることも考えられます。

また、おしゃぶりや指しゃぶりが出っ歯(上顎前突)を引き起こす可能性があるといわれています(※2,3)。

赤ちゃんの歯並びが悪いときの対処法や予防法は?

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赤ちゃんの歯並びに気になることがあっても、歯が生えそろっていない状態では様子を見るしかありません。成長にともない、どのように変化していくのか、赤ちゃんの時点では判断できないためです。

2歳半以降になると、だいたいの歯が生えることで噛み合わせが安定し、歯並びも決まってきます。それまでは経過を見て、歯が生えそろった3歳頃の時点でまだ気になるようなら歯医者さんに相談してみましょう。

また、後天的な要因に関しては、事前にある程度の予防をすることができます。以下を参考に、生活習慣に気をつけてあげてくださいね。

おしゃぶり・指しゃぶりを卒業する

子供の骨は柔軟なので、おしゃぶりや指の力で歯が動いてしまうことも。歯もそれに伴い曲がってしまうので、おしゃぶりや指しゃぶりは2歳頃までには卒業させましょう。

ほおづえをつかせない

赤ちゃんがほおづえをつくことはあまりありませんが、2歳近くなると、ほおづえをつくような姿勢をすることもあります。姿勢の悪さが歯並びに影響することもあるので注意しましょう。

虫歯を作らない

乳歯が虫歯になったまま放置すると、虫歯によって歯茎の状態が変りやすく永久歯の歯並びにも影響します。食事やおやつのあとには、歯磨きを習慣化し、虫歯予防につとめましょう。

乳歯が1~2本のうちからガーゼで拭き取り、できれば本数が少ないうちから仕上げ用歯磨きを使うようにするのがおすすめ。特に奥歯が生えてきたときは注意が必要です。

食生活、食べ方に気をつける

しっかりと噛まないで食べたり、柔らかいものばかりを食べたりしていると、顎の骨が充分に発達せず、永久歯が生えてくるスペースがなくなって歯並びが悪くなることも。

食事をするときは、バランスよく左右で噛んで食べるようにしましょう。離乳食でも、進み具合を見ながら、歯ごたえのあるものもしっかり食べるよう促してあげてください(※1)。

決まった体勢でばかり寝ない

いつも同じ姿勢で寝ていると、骨格が歪んで顎の発達に影響を与えることがあります。うつ伏せ寝なども歯並びに影響することがあるので、寝るときの姿勢にも気を配ってあげましょう(※4)

赤ちゃんの歯並びは、歯科検診で定期的にチェック

月齢が低いうちから歯並びをあまり気にする必要はありませんが、異変があったときに少しでも早く気がつけるよう、乳歯が生え始めたら毎日ケアをしながら口の中もチェックしてあげましょう。

1歳半検診では、歯科検診や歯磨き指導も行われますが、それ以降はママ自身が気にかけてあげないとなかなか診てもらう機会がありません。乳歯の健康は、永久歯の歯並びをつくるうえでも、とても大切なこと。定期的に歯科検診を受けるようにして、赤ちゃんの歯を管理してあげてくださいね。

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