「臨月になって出産が近づくと胎動が減る」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
私も妊娠中にそんな知識をどこからか得ていました。しかし、臨月になっても右脇腹を内側から蹴られ続け、実際は「減った」と感じたことはなく…。周りを見渡しても、「臨月になったら胎動が減ってきた」という人はあまりいないように思えます。
はたして「臨月に胎動が減る」は本当のことなのでしょうか?産婦人科医に聞いてみました。
臨月以降は本当に胎動が減る?リアルな声は

『ninaru』の体験談を調べたところ、臨月となる妊娠36週以降も、これまでと変わらず胎動を感じていた妊婦さんは多くいました。
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(38w0d/riiiiio202007さん)
(41w1d/m_baby.1110さん)
一方で、「減った気がする」と感じる妊婦さんも。
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臨月に胎動が「減る」の真偽は?

『ninaru』ユーザーのアンケートでは、出産間際まで胎動が減らなかったと感じる人も多く、約69%の人が妊娠後期以降に「胎動は激しくなった」と回答しています(※)。
一方で胎動が「減った」「弱くなった」と回答したのは約12%、「変化はなかった」と回答したのは約19%でした。妊娠後期の胎動の感じ方には個人差が大きいことがわかります。
産婦人科医の回答は?
臨月の胎動について産婦人科医に聞いたところ、「胎動の感じ方は赤ちゃんの大きさやママの体型などによって個人差が大きく、妊婦さんが感じる胎動が減るとは限らない」という回答でした。
妊娠後期に入ると、赤ちゃんの頭が骨盤の中に固定されて大きな動きをとりにくくなるため、臨月に近づくにつれて胎動は減少するとはいわれています(※1, 2)。
ただし、そもそも妊婦さんがすべての胎動を感じているわけではありません。つまり、胎動が減るからと言って、必ずしも妊婦さんが感じる胎動が減るわけではないのです。
赤ちゃんの体は大きくなって筋肉がついたため力が強くなっています。そのため妊婦さんが感じる胎動は今までより激しくなったと感じることも多い、というわけです。
ちなみに、よく聞くジンクスで「胎動が激しいうちはお産は来ない」というものがありますが、これには「医学的根拠はない」ということも教えていただきました。
こんな変化があった場合はすぐに受診!

「臨月になって胎動が減ってきた/激しくなってきた」と感じる分には問題はありません。しかし以下のように感じられる場合は、速やかにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
● 急に胎動が弱くなった
● 胎動が極端に少なくなった
● 胎動がいつもと違う様子で違和感がある
また、お腹がカチカチに張って激しい痛みを感じ、不正出血を伴う場合は、常位胎盤早期剥離が起きているかもしれないので、すぐにかかりつけの産婦人科に連絡しましょう。
臨月の変化をキャッチしよう
胎動は赤ちゃんの状態を教えてくれる大切なサインです。だからこそ、そのひとつひとつの変化に過敏に反応してしまいがちですが、臨月の胎動は個人差が大きいものです。
大切なのは、胎動の変化に気づくこと。アプリやメモを使って日頃から胎動をチェックしておくのがおすすめですよ。
※アンケート概要
実施期間:2022年10月9日〜10月25日
調査対象:ninaruシリーズユーザー
有効回答数:686人