様々な分野で国際化が進む昨今、子供をインターナショナルスクールに通わせるという選択肢が注目を集めています。しかしそもそもインターナショナルスクールとは、どんなところなのでしょうか?そこで今回は、インターナショナルスクールとはどんな学校なのか、学費や入学条件、入試などについてご紹介します。
インターナショナルスクールとは?幼稚園・保育園はあるの?
インターナショナルスクールは東京や大阪、名古屋など全国にあり、2011年の時点で日本インターナショナルスクール協議会に加盟している学校は、26校にのぼります(※1)。
もともと、日本に住んでいる外国籍の子供が教育を受けられる施設として存在していましたが、現在では日本人の子供も受け入れるインターナショナルスクールが増えており、子供に充実した英語教育を受けさせるため、またグローバルな視野を持ってもらうために、インターナショナルスクールへの入学を検討する家庭が増加しています。
インターナショナルスクールは基本的に、小学校・中学校・高校のことを指しますが、幼稚園・保育園の位置づけとなるインターナショナルプリスクールというものもあります。
インターナショナルプリスクールは、小学校・中学校・高校のインターナショナルスクールに付属する教育機関として作られているものもあれば、プリスクールだけで成り立っているタイプもあります。
インターナショナルスクールの学費は?
インターナショナルスクールの学費は、一般的な日本の学校と比べると高い傾向にあります。
インターナショナルプリスクールの1年間の学費は150~200万円、インターナショナルスクールの1年間の学費は200~250万円が相場です。
この数値をもとに学費を計算すると、幼稚園・保育園の3年間と小中高の12年間インターナショナルスクールに通ったと仮定して、合計で2850~3600万円を支払うことになります。
インターナショナルスクールの入学条件は?
多くのインターナショナルスクールが、英語の授業についていけるだけの高い英語力を子供が持っていることを入学条件としています。
なかには家庭への連絡事項が問題なく伝わるよう、保護者にも英語力を求めるところもあり、親のどちらかがネイティブ並みの英語力がなければ入学が認められないケースもあります。
また一部のインターナショナルスクールでは、長期の海外在住経験を入学条件に入れているところもあります。
しかしインターナショナルプリスクールには、子供や親が英語を話すことができなくても入園できるところが多くあり、インターナショナルスクールに入るための英語力をつけさせる目的で、プリスクールに子供を通わせる家庭もあります。
インターナショナルスクールに入試はある?試験の内容は?
インターナショナルスクールに入るには、子供の英語レベルをチェックする試験を受けなければいけません。それは口頭試験であったり、筆記試験であったりと、タイプはさまざまです。
英語の能力以外に、算数の能力を測る試験を用意しているところもあります。また保護者にも高い英語レベルを求めているところでは、英語による保護者への面接試験も実施されます。
インターナショナルプリスクールでも、園によっては両親への英語での面接が行われる場合もあるようです。
インターナショナルスクールに入る手続きや申し込み時期は?
ほとんどのインターナショナルスクール、そしてプリスクールでは、入学・入園手続きを行う前に無料体験レッスンを受けたり、見学会に参加したりすることを前提条件にしています。
つまり「実際に授業内容を見て、どんな教育を子供が受けるのかを理解したうえで、入学・入園手続きをしてください」というのが多くのスクールの方針です。
インターナショナルプリスクールは基本的に年中入園手続きができるのですが、インターナショナルスクールは1年間いつでも入学手続きができるところと、特定の期間だけしか入学手続きができないところの2種類に分かれます。
子供に通わせたいスクールを見つけたら、どんな手続きを踏まないといけないのか、そしていつまでに入園・入学手続きを済ませないといけないのかを、ホームページや電話での問い合わせを通して確認するようにしましょう。
インターナショナルスクールのメリットは?
インターナショナルスクールに通わせることで、日本の普通の学校では得られないメリットもあります。
幼少期からネイティブレベルの英語を学ぶことができる
基本的にインターナショナルスクールでの生活は英語が中心。そのため、英語に触れる時間は自然と大きくなります。
将来的に、英語を必要とするような大学に進ませたいと考えていたり、海外就職の可能性があったりする場合は有利にことが運ぶ可能性があります。
異文化に触れることができる
世界各国から来ている子供たちに触れることで、日本にいながらにして、それぞれの国の考え方や文化について触れることができます。
個性を伸ばせる
インターナショナルスクールに通う子供たちは様々な文化圏から来ているため、日本の学校ほど校則が厳しくないところが多いようです。そのため、必要以上に縛られることがなく、自分の個性を伸ばせる傾向があるといわれています。
インターナショナルスクールのデメリットは?
インターナショナルスクールに通わせるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
親の負担が大きい
インターナショナルスクールの学費については触れましたが、金銭面だけではなく、物理的な負担が大きいのも特徴です。
インターナショナルスクールのなかには、日本の祝日が休みにならなかったり、逆に日本の平日が休みになったりする場合もあります。また、親が参加するイベントも多く、日本の学校に比べて、学校に出向く回数が多くなる傾向があります。
日本語レベルが低くなる可能性がある
インターナショナルスクールのなかには、英語教育のみ行い、日本語教育を一切行わないところもあるため、子供の日本語レベルが低くなってしまう可能性もあります。
英語だけで授業を進めるインターナショナルスクールに子供を通わせる場合は、家庭などのスクール以外の場での日本語教育をきちんと行ったほうが良いでしょう。
日本の学校に入学するのが大変
インターナショナルスクールのなかには学校教育法で定められた学校に該当しないところがあります。
そのようなスクールに通うと小・中学校の義務教育を履行していないとみなされたり、日本の大学を受験する際に「高等学校卒業程度認定試験」(大検とも呼ばれる)を受ける必要があったりする場合があります。
つまりインターナショナルスクールから普通の日本の学校に入ろうとすると、入学手続きにすごく労力がかかる、場合によっては通わせたい日本の学校に入学できない、という可能性もでてきます。
通わせたいインターナショナルスクールが、学校教育法でどんな位置づけになっているのか、入学する前に確認するようにしましょう。
インターナショナルスクールは英語教育の選択肢の一つ
子供をインターナショナルスクールに通わせるには、学費の工面や英語での面接対策など、それなりの覚悟と準備が必要です。
もしインターナショナルスクールに子供を入れることが英語習得のためなら、英会話教室の利用や、英語教材を使った自宅での英語学習という選択肢にも目を向け、自分たちの家計状況・教育スタイルに一番合った英語教育を選べるように心がけたいですね。