子供の教育への考え方は家庭によって様々ですが、地域の公立小学校ではなく、より充実したカリキュラムや将来の受験を考慮して、私立や国立の小学校を受験する家庭もあります。受験となると事前に準備が必要ですが、入試までの流れは具体的にどのようなものなのでしょうか。今回は、小学校受験について、その内容や倍率、受験対策に取り組むスケジュールなどをご紹介します。
小学校受験とは?
小学校受験とは、私立や国立の小学校に通うために、面接や試験を受けることです。中学校や高等学校の受験とは異なり、小学校独自で選考基準を設けているのが特徴です。
受験といっても、数字を計算したり、漢字を書いたりするような学力テストというよりは、子供のしつけや行動、判断力などが重視されます。また、親の教育方針や学校に期待することが、学校の方針・特色と合っているかという点も選考基準に含まれてきます。
小学校受験をする理由は家庭により様々で、整った教育環境やより充実したカリキュラムのなかで成長させたいという親の想いや将来への期待ということもあれば、中・高・大学進学を見据えて附属の小学校を選ぶこともあります。
小学校受験のスケジュールや倍率は?
受験倍率は、小学校によって大きく異なります。一般の私立では2~3倍、有名私立や国立になると10倍以上というところも珍しくありません。特に国立は、教育費が私立よりも安く、教育環境が整っていることから高い人気を集めています。
一般的に、小学校受験の準備には2〜3年かかります。もちろん1年の準備だけで合格する人もいて個人差はありますが、幼稚園や保育園の年少クラス(3歳児クラス)から始める人も。
入学説明会や見学会は、受験する年の5~10月頃に行われ、9~12月の間で願書の受付や考査が行われます。基本的には年内に合格発表があり、入学手続きまで行いますが、その時期は小学校によって様々。
願書受付日や考査日が、第1~3回と分かれているところもあれば、考査日が翌年の1月に行われるところもあり、全ての小学校が同じスケジュールというわけではありません。その分、併願しやすいのがメリットですが、期日を間違えないように注意して調べておく必要があります。
小学校受験にはどんな準備が必要?
小学校受験の準備には、なぜ2〜3年も必要なのでしょうか。その理由は、試験で重視されるものが日常生活をベースにしたものが多く、身につけるのに時間がかかるためです。
小学校受験は、主に以下の内容で行われます。
・ペーパーテスト(図形・推理・言葉・数など)
・口頭試問(挨拶などの常識など)
・運動(基本的な運動能力など)
・行動観察(自由遊び・親子遊び・グループ遊びなど)
・指示行動(指示に添って行動できるかなど)
・巧緻性(ハサミや紐通し、服を畳むなど)
・お話・絵の記憶(絵や話についての質問)
・親の面接(志望動機・教育方針・育児について、学校に期待することなど)
・子供の面接 (名前、年齢、受験に対する気持ち、常識など)
出題内容や難易度は学校によって異なりますが、基本的な図形や数の理解をはじめ、日常生活で使う挨拶を確実にできるか、遊びのなかでの協調性やリーダーシップ、態度なども問われます。「常識」では、季節ごとの行事や植物の名前を聞かれることも。
また、面接では、家族のエピソードとして、自然の中で過ごす屋外活動(キャンプ・ハイキング)を重視することや、お手伝いで得意なことを聞かれる場合もあります。
小学校受験は親子で早めに準備することが大切
小学校受験のなかには、親の面接も含まれています。子供をどれだけ理解しているか、どのような思いで接しているかが聞かれるとともに、小学校の方針や特色が、その家庭の教育方針や子供の性格などと合っているかも見られます。
志望する学校の「建学の精神」「理念」「沿革」を理解することも大切なので、入学説明会や相談会は積極的に参加してメモをとり、夫婦や家族でも話し合っておきましょう。
小学校受験は親子の受験ともいえます。子供の意志や思いにも耳を傾けながら、余裕のあるスケジュールで受験対策を行えるといいですね。