避妊目的で処方される低用量ピルにはジェネリック医薬品があり、「ラベルフィーユ」はその一つです。長期的なコストを考えて、このようなジェネリック医薬品を上手に活用するのも一つの方法ですが、効果や副作用などは大丈夫なのかと不安を感じる人もいると思います。そこで今回は、ラベルフィーユとはどういう薬なのかについて詳しくご説明します。
ラベルフィーユとは?
「ラベルフィーユ」は、富士製薬工業株式会社が製造・販売する、低用量ピル(経口避妊薬)のジェネリック医薬品です。
ジェネリック医薬品とは、すでに発売されている医薬品(新薬)の特許が切れたあとに販売されるもので、効果としては新薬と同じです。ジェネリック医薬品は研究開発にかかる費用を低く抑えられるぶん、新薬と比べて価格が安いのが特長です。
ラベルフィーユは、「トリキュラー」(バイエル薬品)や「アンジュ」(あすか製薬)と同じ成分ですが、それらより安く購入することができます(※1)。
ラベルフィーユの効果は?
ラベルフィーユには、ほかの低用量ピルと同じように「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンに似た成分が含まれています。
服用することで、一時的に体内のホルモンバランスが排卵したときと同じ状態になるため、脳が「すでに排卵が済んでいる」と認識し、排卵を抑える効果があります。
排卵が起こらなくなると、ほぼ確実に避妊することができるようになります(※2)。
ラベルフィーユ21錠と28錠の違いは?
ラベルフィーユには、1シートに21錠入っている「ラベルフィーユ21錠」と、28錠入っている「ラベルフィーユ28錠」の2種類があります。
これは、ホルモンが配合されていない赤色の偽薬(プラセボ)を7錠含んでいるかどうかの違いで、実薬の効果や副作用は同じです。
一般的に低用量ピルを服用する場合、ホルモン剤が配合された薬を21日間連続で飲んだ後、7日間は薬を飲まない休薬期間が必要になります。
この休薬期間の日数を数え間違えたり、休薬期間が明けたあとに実薬を飲み忘れたりする不安がある人は、「ラベルフィーユ28錠」の方を処方してもらい、休薬期間中もプラセボを飲むことをおすすめします。
ラベルフィーユの正しい飲み方は?
ラベルフィーユは「三相性」タイプの低用量ピルで、錠剤に含まれるホルモンの量が3段階で変化しています。体内のホルモンバランスを自然に変化させるための工夫なので、正しい効果を発揮するためには錠剤の飲み間違いに注意しなければなりません。
ラベルフィーユの錠剤の種類と数
● 赤褐色:6錠
● 白色:5錠
● 淡黄褐色:10錠
● 赤色:7錠(「ラベルフィーユ28錠」のみ)
1日1錠、毎日決まった時間に服用します。飲む順番も決まっており、ラベルフィーユは上記のとおり赤褐色→白色→淡黄褐色の順で飲む必要があります(※2)。
前述のとおり、21錠を飲み切った後は7日間休薬するか、赤色の偽薬(プラセボ)を飲みます。そして、避妊を継続する場合は、続けて次のシートの1錠目を服用すればOKです。
基本的には、生理が始まった1日目から服用を始めます。飲みはじめが生理初日から遅れた場合にはすぐに避妊効果を発揮しない可能性があるので、飲みはじめて最初の1週間はコンドームなど別の避妊方法を併用してください(※2)。
ラベルフィーユで生理を遅らせるには?
旅行などのイベントと重ならないよう、生理周期をずらしたいというときは、少し飲み方が変わります。
たとえば、生理を1週間遅らせたいときは、21日間ラベルフィーユを飲んだあとに休薬期間をもうけず、新しいシートにある淡黄褐色の錠剤を7日分飲みます。
逆に生理を早めたい場合は、休薬期間を短くし、次のシートの1錠目を飲むタイミングを早めます。
ただし、自己判断で飲み方を変えると、体調が悪くなったり生理をうまくずらせなかったりする可能性もあるので、かかりつけの婦人科の医師に飲み方を相談しましょう。
ラベルフィーユを飲み忘れたときは?
ラベルフィーユを飲み忘れた場合、翌日までに気づけばすぐに飲み忘れたぶんを飲み、その日のぶんの錠剤もいつもどおりの時間に服用します(※2)。
しかし、2日以上連続して飲み忘れてしまったら、そのシートに残っている錠剤は飲まずに処分し、生理が来るまでは別の方法で避妊をします。そして、次の生理が始まったタイミングで新しいシートの1錠目から服用を再開してください(※2)。
ちなみに、赤色のプラセボにはホルモンが入っていないので、飲み忘れても特に問題はありません。休薬期間の日数を数え間違えないように、飲み忘れた偽薬(プラセボ)は破棄してくださいね。
ラベルフィーユの副作用は?太るの?
ラベルフィーユは、副作用が現れる頻度がわかるような調査が特に行われていませんが、発疹や蕁麻疹、不正出血、下腹部痛、胸の痛み、頭痛、吐き気などの症状が見られた場合、かかりつけの婦人科の医師に相談し、今後の飲み方について確認しましょう(※2)。
また、ほかの低用量ピルと同じく、血液が固まり、血管が詰まる「血栓症」が起こる可能性もあるので(※2)、ラベルフィーユの服用中に体調が悪くなったときは早めに病院を受診してください。
なお、ラベルフィーユを飲むことで現れる可能性のある副作用として、「むくみ」や「体重増加」が挙げられています(※2)。これにより、服用中に太ったと感じる女性もいるようですが、一時的な症状なのであまり心配しすぎないでくださいね。
ラベルフィーユは通販よりも婦人科が安心
最近は、低用量ピルをインターネット通販で購入できるようになりました。しかし、医師の処方を受けずに個人で購入した場合は、すべてにおいて自己責任となります。重大な副作用が現れた場合にも対応が遅れてしまう可能性があるので、注意が必要です。
はじめてラベルフィーユを使う場合にはきちんと婦人科で処方してもらうことをおすすめします。ラベルフィーユを使い慣れていて通販でまとめて購入しているという人も、最低でも半年に1回は婦人科で体の状態を診てもらってくださいね(※2)。