まだおしゃべりができない赤ちゃんの健康チェックは、舌の色を見て行うことができます。赤ちゃんの舌が黒や緑、黄色、茶色になっていることがありますが、これは体の異変の表れなのでしょうか?今回は赤ちゃんの舌の色について、健康な色や変化する原因、変化したときの対処法などをご紹介します。
赤ちゃんの健康な舌の色は?
舌は、体調の状態が反映される器官です。東洋医学には「舌診(ぜっしん)」といって、舌の色や大きさ、厚さなどで健康状態をチェックする診察方法もあります。
舌は血管がたくさん集まっているので、体調の違いによって色が変化し、その色を見ることで健康状態を予想することができます。
ヒトの健康な舌の色は、ピンクです。生後間もない健康な赤ちゃんの舌も、基本的にピンク色をしています。
成長するにしたがって、舌の色が淡い赤に変化することがありますが、これも健康な舌の色です。
赤ちゃんの舌が黒い・緑・黄色・茶色の原因は?
赤ちゃんの舌の色の変化は、汚れや食べ物のカスによって起こることがありますが、一方で、病気の症状として色が変化していることもあり、よく観察しなければいけません。
赤ちゃんの舌の色が変化する原因は、主に以下の通りです。
舌の色が黒や緑
ゴミや食べ物のカスがついていると、舌が黒くなったり、緑色になったりすることがあります。
また、抗生剤を飲んでいる場合、赤ちゃんの舌が黒や緑になることがあります(※1)。
舌の色が黄色や茶色
食べ物のカスによって、舌が黄色や茶色になることもありますが、体に熱がある、胃の調子が悪いなどの体の不調が原因で、舌が黄色になったり、茶色になったりすることもあるので注意が必要です(※1,2)。
赤ちゃんの舌が黒い・緑・黄色・茶色のときの対処法は?
赤ちゃんの舌の色がいつもと違う場合、その色によって対処法も異なります。
舌の色が黒や緑
服用している薬の影響によるものであれば、特に対処する必要はありません。舌の色が気になるからといって、自己判断で薬の服用を中止するのは避けましょう。
汚れや食べ物のカスによって変色している可能性がある場合は、濡らした清潔なガーゼや綿棒で、舌を優しくぬぐってあげてください。
ぬぐっても色が全く落ちない場合は、口腔カンジダ症による真菌感染の可能性があるので、小児科を受診しましょう。
舌の色が黄色や茶色
舌の色が黄色や茶色になっているのは、熱や胃の不調など体の異変によって起こっている可能性があります。まずは赤ちゃんの様子をしっかりと観察してあげてください。
発熱や下痢を起こしていて、顔色が悪く、ぐったりとしているなど、体調がすぐれないときは、できるだけ早く医師に診てもらってください。食欲もあって、元気そうにしているのであれば、体調の変化に注意しながら、舌の色が健康なピンクになるまで待ちましょう。
赤ちゃんの舌の色で健康状態をチェックしよう
離乳食が始まると、口を拭くことが習慣となりますが、それまでは口の中を見たり、舌の色を観察したりする機会が意外と少ないものです。
しかし、舌の色は赤ちゃんの健康のバロメーター。できることなら、毎日こまめに観察してあげてください。
また、ママの乳首や哺乳瓶の乳首、おもちゃなど赤ちゃんの口に入るものが不潔だと、カンジダというカビの一種に感染して、舌の色が白くなることがあります。赤ちゃんの健康を守るためにも、食べ物以外で口に入れるものは拭いたり、消毒したりして、清潔に保つようにしましょう。