赤ちゃんの舌をふと見たときに、白くなっていて驚いたという経験はありませんか?はじめての子育てだと、「何か病気の可能性があるのでは?」と不安になるかもしれません。それでは、赤ちゃんの舌が白くなる原因は何なのでしょうか?今回は赤ちゃんの舌が白くなる原因や病気かどうかの見分け方、対処法などをご紹介します。
赤ちゃんの舌が白いのは珍しいこと?
赤ちゃんの舌をよく見てみると、白くなっていて驚くこともあるかもしれませんが、赤ちゃんの舌が白くなっているのは決して珍しいことではありません。
人の舌には小さなシワがあり、大人でも牛乳を飲むと、そのシワに牛乳が入り込み白く見えます。生まれたばかりの赤ちゃんは1~3時間ごとに授乳と、頻繁に母乳やミルクを飲むため、舌に母乳やミルクのカスが付着しやすく、うがいや歯磨きをしないので白く残ることが多いのです。
ただし、赤ちゃんの舌が白くなっている原因が病気であることもあるので、注意が必要です。
赤ちゃんの舌が白い原因は?カビ?
赤ちゃんの舌が白い原因の多くは母乳やミルクによるものですが、病気の症状として舌が白くなることもあります。
代表的なものに「溶連菌感染症」と「鵞口瘡(がこうそう)」があります。舌の白い部分を湿った清潔なガーゼで拭いても取れない場合は、これらの病気の疑いがあります。
溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌という細菌によって引き起こされる感染症です。赤ちゃんでの発症は少なく、発症しやすい年齢は5~12歳といわれ、溶連菌感染症にかかると、発熱や喉の腫れなどの症状が現れます(※1)。
一方、鵞口瘡は、カビの一種であるカンジダの感染症です。ママの乳首や哺乳瓶の乳首、玩具など赤ちゃんが口に入れるものが不潔だと、感染することがあります。
また、出産する時点でママがカンジダ膣炎にかかっていた場合、分娩時の産道を通るときに赤ちゃんがカンジダに感染し、新生児期から発症することも。鵞口瘡はひどくなると、痛みが出てきて、母乳やミルクの飲みが悪くなる原因になることがあります。
舌全体が真っ白というよりは白いつぶつぶがたくさんでき、発熱が5日以上続いて、体の発疹、手足のむくみ、目が赤いなどの結膜炎、首のリンパ節の腫れがある場合には、川崎病が考えられます。速やかに受診してください。
赤ちゃんの舌が白い原因を見極める方法は?
赤ちゃんの舌が白い原因を見極める方法として、舌の白い部分を濡れた清潔なガーゼで拭くことが挙げられます。
もし母乳やミルクのカスによって舌が白くなっていたら、ガーゼである程度拭き取ることができます。しかし、溶連菌感染症や鵞口瘡が原因で白くなっていたら、ガーゼで拭き取ることはできません。
赤ちゃんの舌が白いときの対処法は?
赤ちゃんの舌が白いときの対処法は、原因によって異なります。原因別の対処法は以下の通りです。
母乳やミルクのカスが原因の場合
舌に付着している母乳やミルクの白いカスは、唾液によって洗い流されて、自然に消えていきます。授乳時以外でも舌が白いままなら、舌の表面に汚れが溜まりやすくなっている可能性があるので、濡らしたガーゼや綿棒で拭き取ってあげてください(※2)。
乾いたガーゼで舌を強く拭くと、舌に傷ができて、余計に汚れが溜まりやすくなってしまうので、湿ったガーゼや綿棒で優しく拭くようにしましょう。
赤ちゃんが成長し、母乳やミルクを飲む機会が減っていくと、舌が白くなることも減っていきます。
溶連菌感染症が原因の場合
溶連菌感染症の場合は舌が白くなる他に、発熱や喉の腫れ、体の発疹などの症状も現れます。
溶連菌感染症の疑いがあるときは、できるだけ早く小児科を受診してください。ただし、溶連菌感染症は5~12歳の幼児や学童がかかりやすく、赤ちゃんがかかることは比較的少ないといわれています(※1,3)。
鵞口瘡が原因の場合
赤ちゃんがカンジダに感染しても、舌や頬の内側が白くなるくらいで、不快な症状が出ることはほとんどありません。しかし、哺乳量が減ることはあります(※4)。
鵞口瘡が新生児期や乳児期に発症した場合、特別な治療をしなくても自然治癒することが多いのですが(※4)、口の中のカンジダが食道などに広がることもあるので、鵞口瘡の可能性があるときは小児科を受診するようにしましょう。
鵞口瘡を治療する場合、カンジダに効く塗り薬(抗真菌薬)が処方されるのが一般的です。
赤ちゃんの舌が白いときは焦らず適切な対処を
赤ちゃんの舌が白くて心配な場合は、濡らした清潔なガーゼで拭いてみてください。拭き取れなかったり、他の症状を伴ったりなど病気の可能性があれば、小児科を受診し、医師の指示に従って治療を進めていきましょう。
また、鵞口瘡や他の感染症を防ぐためにも、ママや哺乳瓶の乳首、赤ちゃんの玩具など、赤ちゃんが口によく入れるものをこまめに拭いたり、消毒したりと、常に清潔を保ってあげるようにしてくださいね。