赤ちゃんの歯茎に白いブツブツができると、何かの病気ではないかと気になりますよね。赤ちゃんが痛がらない場合は、「放っておいても良いのかな?」と、迷うママやパパも多いのではないでしょうか。そこで今回は、赤ちゃんの歯茎が白い原因と対処法をご紹介します。
赤ちゃんの歯茎は白いこともある?
赤ちゃんの歯茎の色は、薄いピンク色が正常な色です。乳歯が生える前は、母乳や哺乳瓶の乳首を吸うために、ほどよい弾力があるのが特徴です(※1)。
乳歯は、母体の中にいる胎児の頃から作られ始めています。歯茎に包まれた歯槽骨の中で、時間をかけて成長し、生まれてから順番に乳歯が生えてくるのです(※2)。
乳歯が生える時期には個人差がありますが、こうした歯の成長過程で、稀に赤ちゃんの歯茎が白くなることがあります。ほとんどの原因は乳歯に関係していますが、その後の経過や口内への影響をよく見てあげることが大切です。
赤ちゃんの歯茎に白い点やできものがあるのはなぜ?
まだ赤ちゃんに歯が生えていなくても、歯茎が白くなっていたり、白いブツブツのような点ができたりすることがあります。
授乳直後の場合、ミルクや母乳のカスが口内に付着していることもありますが、歯茎全体が白くなっているときや、白い半球の塊になっている場合は、主に以下2つの原因が考えられます(※1,3)。
上皮真珠
乳歯を作るために必要な組織や細胞が吸収されず歯茎に残ったものです。白色やクリーム色をした半球型の粒のようなものが、歯茎に1〜数個現れることがあります。
触ると硬さはありますが、痛みや痒みはありません。早ければ1~2週間で消滅することもありますが、基本的には成長とともに自然に消えるか、そのまま歯の組織(エナメル質)となっていきます。
上皮真珠は特に治療の必要はなく、実際に真珠のような塊が入っているわけではないので、飲み込むといった心配もありません。
先天性歯(乳歯)
赤ちゃんの乳歯は生後6~8ヶ月頃に生えはじめるのが一般的ですが、なかには新生児の頃から生えていたり、歯茎の真上に透けて白く見えている場合もあります。
生えてくる位置や形が明らかにおかしいときは、余分な乳歯(余剰歯)の可能性もあります。歯が口腔内に当たって潰瘍ができる「リガ・フェーデ病」を発症していると、歯医者での治療が必要になります。
状態によって治療の有無が異なるため、歯医者を受診して診断してもらいましょう。先天性歯がグラグラしているときは、抜歯することもあります。
赤ちゃんの歯茎が白いときは病気の可能性もある?
赤ちゃんの歯茎や口内が白いと、歯とは関係のないところで病気になっていることもあります。ここでは、歯の感染症以外に考えられる、歯茎や口内が白くなる原因についてご紹介します(※3)。
口腔カンジダ症
カンジダという真菌(カビ)が増殖した鵞口瘡(がこうそう)によるもので、頬の内側や歯茎にミルクカスのようなやわらかく白いものが付着します。これは、ミルクのカスとは異なり、こすっても簡単にはとれません。
抵抗力の弱い乳児期にかかりやすく、基本的に痛みをともなうことはありませんが、二次感染をすると痛みがでることもあります。症状がひどいときは、小児科や歯医者から処方される真菌に効果のある塗り薬を使って治療します。
ヘルパンギーナ、手足口病などの感染症
感染症が原因で、口の中に水疱のような潰瘍ができている場合もあります。ヘルパンギーナは喉の付近に水疱ができ、手足口病は口の中の他に手足に水疱ができることも(※4)。
熱などの症状が現れていないか注意し、体調に異変があれば小児科を受診しましょう。
赤ちゃんの歯茎が白いときは歯科検診に行こう
赤ちゃんの乳歯が生え始める前後は、口内で気になることも増えてきます。基本的には、痛みがなければ経過観察し、1歳児健診など乳児健診で相談してみましょう。
歯茎の白さやできものの状態が気になる場合は、歯科検診に行くのもおすすめです。歯科によっては年齢制限があるため、事前に検診してもらえる年齢を確認しておきましょう。
また、歯茎が赤く腫れて、触るとプヨプヨしていたり、出血したりする場合は、感染症の可能性があります。赤ちゃんの頃に口腔トラブルが起きると、不安になるかもしれませんが、迷わず小児科や小児歯科を受診しましょう。
毎日歯磨きをするときに、お口の中の状態を確認する習慣をつけておくと、トラブルの早期発見につながりますよ。