口内炎ができると、痛みで飲食がつらくなって、自然と食欲もなくなっていくものです。実は幼児や子供も同じで、「食欲がないみたいだし、なんだか食べにくそう…」と思ったら、口内炎ができていたということもあります。口内炎ができると、食事を嫌がったり、機嫌が悪くなったり…。今回は幼児や子供にできる口内炎について、原因や症状、治療法、何科で診察してもらうべきかなどをご紹介します。
幼児・子供の口内炎とは?原因は?
口内炎とは、口の粘膜が炎症を起こした状態をいいます。口内炎が起こるほとんどの原因がウィルス感染です。
例えば、単純ヘルペスウイルス1型の感染によってヘルペス性口内炎が起こります。また、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスの感染によって起こる手足口病でも、口内炎ができます。
幼児・子供の口内炎の症状は?
口内炎になると、舌や唇、頬の内側などに、真ん中が白くて外側がピンク色の水ぶくれができます。口内炎の患部に触れると痛みが生じるので、固形物を食べたり、水分を飲んだりするのを子供が嫌がることもあります。
その他に現れる症状は、口内炎の原因によって異なります。
ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎になると、歯肉が腫れ、かさぶたのような発疹ができ、激しい痛みを感じます(※1,2)。
アフタ性口内炎
真ん中がくぼんだ小さい潰瘍が、口の中に1個または数個できます。約1週間で自然に治まりますが、再発しやすいという特徴があります(※1)。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは夏風邪の一種で、主な症状は口の中にできる水疱と38度以上の発熱です。ヘルパンギーナによって高熱が続くと、倦怠感や関節痛を引き起こすことがあります。
手足口病
手足口病になると、手や足、口の中に水疱性の発疹が出ます。発疹の大きさは米粒ほどです。発熱することもあります。
カンジダ性口内炎
白い苔のようなものが口の中にできて、はがすと出血したり赤く腫れたりします。放っておくと、口全体に広がる恐れがあります。
幼児・子供の口内炎で病院に行くべき?何科がいいの?
アフタ性口内炎やウイルス性口内炎は、約1週間で自然と治まっていきます(※2)。ただし、口内炎の痛みがひどく、子供が食事を何度も拒否するときや、38度以上の発熱が見られたときは病院を受診しましょう。
口内炎の診察を受けられる場所としては、耳鼻咽喉科や小児科がありますが、一度電話やホームページで確認してから受診しましょう。
口内炎の診断は通常、問診と視診のもと行われます。場合によっては、口内炎を起こしている原因を調べるために血液検査を行うことがあります。
幼児・子供の口内炎の治療法は?自宅でのケア方法は?
病院で口内炎と診断された場合、症状に合わせて、抗ウイルス薬や解熱剤、口の中に塗れる軟膏などを処方されるのが一般的です。そして、口内炎を治療を行ううえで、自宅でのケアもしっかり行わなければいけません。
例えば、熱いものや酸っぱいものなど、刺激になるものは口内炎の患部を刺激し、痛みを引き起こす恐れがあるので、口内炎が治るまでは子供に与えないようにしましょう。口内炎になっているときは、ゼリーやヨーグルト、うどんなど、口当たりのいい食べ物がおすすめです(※2)。
口内炎で食欲が減ってあまり飲食しないでいると、脱水症状に陥ることがあるので、水分補給はこまめに行うようにしてください。特に夏場は意識的に水分を摂取させてあげましょう。
幼児・子供の口内炎の予防法は?
子供が口内炎になって痛がるのを見ると、かわいそうに思いますよね。できるだけ口内炎にならないように、予防することが大切です。
口の中を清潔に保つために、毎日の歯磨きを欠かさずに行いましょう。そして、日頃から栄養バランスの取れた食事を心がけてください。特にビタミンB1、B2、Eの摂取は口内炎予防につながるので、食事を通して積極的に摂るようにしましょう(※1)。
また、ウイルスは乾燥を好む傾向にあるので、水分補給をして口の中を潤し、マスクを着用して口の中の乾燥を防ぎましょう。
幼児・子供の口内炎は歯磨き時にチェック
子供は、自分が口内炎だと気づかないことがよくあります。小さいうちは口内炎になっても、ただ機嫌が悪くなる、ご飯を食べなくなるといった行動をとるだけなので、口内炎かどうかは傍から見るとあまり分かりません。
日頃から子供の口の中をチェックするようにしましょう。毎日の仕上げ磨きの際に確認しておくと、口内炎の早期発見につながりますよ。