転んでしまったときなどに、子供が鼻血を出すことはよくありますが、なかなか止まらないと心配になりますよね。ときには、「何かの病気では?」と不安になることもあるかと思います。そこで今回は1・2・3歳の子供の鼻血がよく出る、止まらない原因や対処法、病院に行く目安、予防法などをご紹介します。
1・2・3歳の子供は鼻血がよく出るの?
子供の鼻血は、主に鼻の入り口付近にあり、血管が発達する場所である「キーゼルバッハ部位」という粘膜が傷つくことで起こります。
このキーゼルバッハ部位には、たくさんの血管が集まっています。そのため、鼻がかゆくて指で鼻の中をいじるなどして、キーゼルバッハ部位を傷つけると出血が起こります。
子供の鼻の粘膜は大人と比べて薄く、血流量が多くて血管が発達しているため、鼻血が出やすい状態です。特に1・2・3歳の子供は、無意識に鼻の穴を触ったり、少しかゆみがあると鼻をかいたりすることが多いため、鼻血がよく出るのです。
また鼻の穴に指を入れる癖がある子供は、傷ついた粘膜を何度も傷つけてしまうので、鼻血が出やすくなります。
子供の鼻血が止まらない、よく出る原因は?
先述のように、子供の鼻血は鼻の中の粘膜を傷つけることが原因で起こります。
子供の鼻の粘膜は大人のものより弱いので、転んだり、ぶつかったりして鼻に衝撃を受けたときだけでなく、鼻を少し強くいじったり、かいたりするだけでも傷ついて鼻血が出てしまいます。
特に1・2・3歳頃の子供は鼻の穴に指を入れていじることが多くなるので、粘膜を何度も傷つけてしまい、鼻血がよく出るのです。
また、子供の体温が高かったり、興奮していたりすると、鼻に流れる血液量が増えます。すると、鼻血がよく出るようになるだけでなく、鼻血が止まらないということも多くなります。
子供の鼻血がよく出るのはある程度自然なことですが、鼻血が何度も繰り返し出る場合は、次のような原因が考えられます。
- アレルギー性鼻炎
- 慢性鼻炎
- 鼻の入り口の湿疹
- 副鼻腔炎による粘膜の炎症
- 風邪
これらが原因の場合、鼻の粘膜が通常よりもさらに弱くなっているため、鼻をかんだり少しかいたりするだけでも鼻血が出やすくなりますよ。
子供の鼻血が止まらないときの対処法は?
子供の鼻血が止まらないときは、次のような対処をしてあげましょう。
子供の鼻血の対処法(※1)
- 鼻の穴に、小指の太さくらいに固めた脱脂綿やティッシュをゆっくり入れる。
- 10分ほど、鼻血が出ている方の鼻の根元を外から指で少し強めに押さえる。
- 血が喉の方へ流れていかないように、顔を少し下向きにして座らせる。
鼻血が止まらない場合は、目と目の間の部分を氷や冷たいタオルなどで冷やすと、鼻の血管が収縮して鼻血が止まりやすくなります。
1・2・3歳の子供の鼻血は、ほとんどの場合これで止まりますが、15分以上経っても鼻血が止まらない場合は、耳鼻科を受診しましょう。
子供の鼻血を対処するときの注意点
出血している部分を心臓よりも高くすると鼻血は止まりやすいので、仰向けで横にならないようにしましょう。
また、顔を上向きにして血が喉に流れてしまうと、子供が咳き込んだり吐いたりしてしまうので、顔は下向きにしてくださいね。
体温が上がると、鼻の粘膜の血管が拡張して鼻血が止まりにくくなってしまいます。鼻血が出た直後はお風呂には入らず、鼻血がしっかり止まったのを確認してから、入浴するようにしましょう。
子供の鼻血が止まらない、よく出るときは病院に行くべき?
子供の鼻血が止まらなかったり、鼻血がよく出たりすると、ついつい心配になってしまいますよね。
鼻血がキーゼルバッハ部位が傷つくことで起こっている場合は、それほど心配はいりません。しかし、以下のようなことが起こったときは、体に異変が起きている可能性があるので、早めに耳鼻科を受診してください。
- 止血処置を行っても、30分以上鼻血が止まらない
- 頭を強く打ってから鼻血が出た
- 鼻血の量が多い
- 1週間に3回以上鼻血が出る
- 手足にあざが頻繁にできる
- 出血量は少ないが、いつまでもだらだら鼻血が出る
- 歯ぐきから出血する
上記のようなことがある場合、鼻の奥から出血していたり、確率は低いですが、血液の病気になっていたりする可能性があります。
白血病や血小板減少性紫斑病、血友病など血液の病気の場合、鼻血が止まりにくかったり、頻繁に鼻血が出たりすることがあります。鼻血の他にも、貧血などの症状も現れることもあるので、何か異変を感じたときは、他の症状も現れていないか確認してみてくださいね。
子供の鼻血を予防する方法は?
先述のように、子供の鼻血は多くの場合、鼻の中をいじることで起こります。風邪やアレルギー性鼻炎になっていると、鼻にかゆみを感じて頻繁に鼻の中をいじってしまうので、風邪やアレルギー性鼻炎を早めに治療することは鼻血予防につながります(※2)。
また、鼻の中に指を入れたときに粘膜を傷つけないように、定期的に子供の爪を短く切っておきましょう。
はしゃぎ回って興奮したり、暑い天気のもと外にずっといたりすると体温が上がり鼻の血流量が増えるため、鼻血が出やすくなったり、鼻血が止まらなくなったりします。子供の顔が赤くなっているときは、鼻の血流量が増加している可能性があるので、涼しいところに連れて行き、休ませてあげてください。
子供の鼻血は心配しすぎず、適切な対処を
子供がよく鼻血を出していると不安な気持ちになってしまうかもしれませんが、子供はもともと鼻血が出やすいということを頭に入れて、冷静に対応することも大切です。パパやママが落ち着いていると、子供も自然と気持ちが休まっていきますよ。
風邪にかかったらできるだけ迅速に対応したり、子供の爪が伸びすぎないようにこまめに切ったりして鼻血予防を行い、子供の健やかな毎日をサポートしていきましょう。