生理が周期的に来ない、急にぱったりと止まってしまった、といったように「生理不順」が起こると不安になりますよね。生理不順が長引くと不妊につながる恐れもあるため、妊娠を望む女性であれば特に早期に改善したいものです。今回は生理不順の改善方法について、原因別の方法や食べ物で改善できるのかをご紹介します。
生理不順は改善できるの?
生理が始まった日から次回の生理開始日までを、生理周期(月経周期)といいます。正常な生理周期は25~38日周期で、変動は6日以内、出血が続く期間(生理中の期間)は3~7日間です(※1)。
これよりも周期や持続期間が長かったり短かったりして生理サイクルの変動が大きいものを「生理(月経)不順」といいます。
生理不順になる主な原因は、ホルモンバランスの乱れだといわれています。たとえば、過度なダイエットや睡眠不足、過労などによる精神的・身体的ストレスにより、うまくホルモン分泌が行われなくなってしまうと、生理周期にも影響が出てしまいます。
また、子宮・卵巣の病気や排卵障害によって生理不順が引き起こされているケースもあります。放っておくと不妊につながる恐れもあるので、生理周期の乱れが続くときにはできるだけ早く婦人科を受診しましょう。
生理不順の原因となるストレスを取り除いたり、病気に合わせた治療を行ったりと適切な対応をすることで、生理不順の改善が期待できます。
生理不順を改善するためのポイントは?
ホルモンバランスの乱れが生理不順の原因と考えられる場合、まずは次のような方法で生活習慣を改善してみましょう。
早寝早起きする
睡眠不足はホルモンバランスの乱れを招くので、早寝早起きを心がけ、十分な睡眠をとるなど、睡眠の習慣を改善していきましょう。
朝日を浴びることで、「セロトニン」という神経伝達物質の分泌が促され、睡眠の質の向上や精神の安定につながるといわれています。また、就寝前にテレビやスマホを控え、光を浴びないようにすることで、夜に「メラトニン」が十分に分泌され、よく眠れるようになりますよ(※2)。
ストレスを解消する
ストレスを過剰に受けると排卵に関係するホルモンが正しい指令を出せなくなるため、生理周期が乱れることがあります(※3)。
ストレスを完全に取り除くことは難しいですが、「ちょっと最近、無理をしすぎているな」と感じたときは、趣味を楽しむ時間を作る、早めに仕事を切り上げる、軽く運動をするといったように、自分なりのストレス発散法を実践し、改善を目指してみましょう。
栄養バランスの取れた食事をとる
忙しくても毎日3食、できれば食事の時間も一定にして、規則正しく取るのが理想的です。栄養が偏らないように、様々な食材からまんべんなく栄養を摂取するように心がけましょう。
「ホルモンバランスを整える」と言われている食材として、大豆イソフラボンを含む大豆食品や、ビタミンB6を含むレバー・かつお・マグロのほか、ビタミンEを含むアーモンドやかぼちゃなどがあります(※4)。
ただし、食べ物とホルモンバランスの改善の関係については、医学的根拠がはっきりしていない部分が多いので、特定の食材ばかり食べるのではなく、あくまでも栄養バランスを意識してくださいね。
病気が原因の生理不順はどうやって改善できるの?
「生活習慣を改善しただけでは生理不順が改善されない」「生理不順のほかに不正出血などの症状がある」という場合は、子宮や卵巣の病気の可能性を疑う必要があります。
たとえば、子宮筋腫や子宮腺筋症が原因で、生理が長く続く「過長月経」や出血量が異常に多い「過多月経」が引き起こされることもあります(※1)。
また、黄体機能不全があれば、子宮内膜がうまく発育しないことにより、生理が来るサイクルが早くなる可能性があります(※1)。
これらの病気は、症状によって、薬物療法やホルモン療法、手術などで治療することになります。治療が正しく行われれば、生理不順も徐々に改善されることがほとんどです。
対応が遅れると不妊につながるリスクが上がるので、万が一のことを考えて、早めに婦人科で検査を受け、適切な治療によって改善していきましょう。
生理不順を改善して健康的な生活を
生理不順は不妊の原因にもなりうるので、妊娠を希望している人や将来的に妊娠を考えている人は、できるだけ早くに改善に取り組むようにしましょう。
生理不順を改善するためには、まずは健康的な生活を送ることが大切です。早寝早起きやストレス解消といったことから始めてみましょう。
生活習慣を見直しても生理不順が改善されないときや婦人科系の病気が原因と考えられるときは、早めに婦人科を受診してくださいね。